刑事マディガン
リチャード・ウィドマークというハリウッド・スターを覚えていませんか? 悪人顔で有名になったのではないかなあ。『アラモ』にもジョン・ウェインと出ていました。
この人が主演した映画は何本もあるようですが、1968年の『刑事マディガン』というのが強く記憶に残っています。刑事が、人殺しにピストルを盗まれてしまう。必死になって、犯人のゆくえを探します。いま調べたら、この間訪れたブルックリンが舞台のようでした。
刑事は、二人ひと組で動きますね。情報屋からたれ込みが入って、相方とたずねて行きます。のんべえの年寄りが、犯人をたしかに見かけたと言い張ります。結局は無駄足になる。ガセネタだったのです。
相棒が、「あのオヤジ、なんでこんなネタを流したんだろう」と問いかけると、マディガン刑事がこう答えます。
「彼もさびしかったんだよ」
英語のセリフは覚えていませんが、年をとった情報屋のあわれさがよく分かるシーンでした。
ウィドマークは1914年の生まれだそうですから、もう92か93歳です。
彼よりこわい顔の悪役として選ばれたのが、あのジャック・パランスだと、ウィキペディアに出ていましたが、真偽のほどは分かりません。