セミのなきがら | パパ・パパゲーノ

セミのなきがら

 暑さが続いたせいか、今年は道路にセミの死骸を例年より多く見かけるような気がします。


 ひっくりかえってるの、虫の息になって脚をヒクヒクさせているの、何かに押しつぶされてペシャンコになっているの、さまざまです。次の朝には、新鮮な(?)なきがらがころがっているようですから、カラスにでも食べられているのでしょうね。


 今年は、アメリカで、いわゆる17年周期のセミが大発生したようです。「素数ゼミ」という名で話題になりました。70億匹のセミが鳴いたそうです。どうやって数えたかは知りませんが。


 道路が舗装されてしまっているので、セミの死骸がつぶれているのを見るのは無惨なものです。同じように、ひからびてしまったミミズもたくさん見かけます。水分を求めて土からはい出したものの、帰るアナが見つからないままのびてしまうのでしょうね。むかしの田舎の、土の道路ではあんまり見た覚えがありません。


 さしもの熱暑もいくらかしのぎやすくなりました。ブリ返すかもしれないと、天気予報で言っていますが、もう秋へ入っていくのでしょう。この時期、一度は必ず思い出す和歌。藤原敏行。


  秋来ぬと目にはさやかに見えねども

   風の音にぞおどろかれぬる