オーディオアンプの電源に用いるコンデンサは音に大きな影響を与えます。
据え置きアンプでトランスとコンデンサを使用したコンデンサインプット型電源を製作したことがある方はご存じだと思いますが、電源の平滑用コンデンサには大きな電流が流れます。このコンデンサの容量は大きいほうが好ましく、回路への配線はコンデンサの下流側から配線します。
またデカップリングコンデンサも似たような振る舞いをしますから間違いなく音への影響はありますし、動作上もオーディオのような低周波を扱う回路であっても最短で取り付ける必要があります。
電池駆動のアンプの場合も電池のインピーダンスはそんなに低くないですから同様に考えられます。ただし電池では負荷が一定ならば電圧が一定ですのでトランス電源ほど容量の重要さはないかもしれません。ここに意図的に性能の低いコンデンサを入れて粗を隠したり配線で音を調整することもできますが、よく設計された回路の電源では性能が高く容量が十分に大きなコンデンサのほうが音質的に好ましいと私は感じます。
電源といえば、電流の流れるGNDと信号用GNDを共通にすると電圧降下の影響で特性が悪化しますから、共用部分は長くならないように注意が必要です。高周波ではGNDも適切な設計をしないと動作に問題が生じることがありますがオーディオ帯域だとなんとなく動いてしまうので、GNDの配線は設計者によって特に異なる部分です。
なお1oz板の銅箔厚は35μm、2ozでも70μmしかありませんから大きな電流が流れる配線は配線のインピーダンスも考慮する必要があります。1mm幅で1Aという基準は発熱を基にしたものであり電圧降下は考慮されていません。こういった要素を考えていくと基板上の部品配置は自然と決まってくるはずです。
Zwei Flugelはこのあたりも考慮してやっています。しかし値段や部品点数といった音に関係ない部分でマイナスイメージをもたれることがあるので展開を少し考え直したほうが良いのかもしれません。高能率なイヤホンより比較的音量の取りにくいヘッドホンに向いているアンプは減っていますから需要は局所的なのかもしれません。
PS
現在Zwei Flugel試聴の際に個人製作のアンプやメーカー製アンプをお持ちすることが可能です。普段使用しているものとの比較が一番わかりやすいですが、技術的にどういったレベルにあるのかの確認はできると思います。
Zweiが気になっていたけれど音がわからなくて購入に踏み切れないという方からのご連絡をお待ちしています。もうすぐ夏のイベントもありますし夏休みもありますからね、この部分は露骨な宣伝です。