AoMのアンプの話ばかりしても、それがどの程度の性能かわかりにくいので、これまでにお金を払えば入手できたアンプを測ってみました。
ただ測っても面白くありませんので測る前に音を聞いて、その特性を予想し測定で答え合わせをします。また特性から部品や回路を予想できる部分は予想してみます。
・国内 当時約8万円のポータブルアンプ シングルエンド入出力 単四電池4本(アルカリ不可)
これまで聞いた中で比較的良かったこのアンプからいきます。
コストの中でケースの占める割合が大きいらしく、確かにきれいにできていると思います。電源は充電池のみとのことですが、ニッケル水素充電池も充電後は約1.4Vありますから定格が~5Vの部品を使っているとしたら厳しいと思います。
電池の品種には指定がありませんでしたのでエネループを入れて音を確認します。高い音が耳につくのに伸び切らない点がまず気になります。低域はゴリッとしていますがこれはパワーのあるダンピングの効き方とは少し異なります。全体的に薄めの音に感じます。これまでの経験上、これは矩形波応答に少しオーバーシュートが出ているか高い周波数での歪率が悪い気がします。
この機種の約100kHzの矩形波は以下のようになりました。
負荷は33Ωです。無負荷でも似たような感じだと思います。
ローゲイン 上が出力・下が入力 どちらも200mV/DIV・2us/DIV
ハイゲイン 上が出力・下が入力 どちらも200mV/DIV・2us/DIV
ローゲイン 上が出力・下が入力 どちらも50mV/DIV・2us/DIV
やはりオーバーシュートは出ているみたいです。予想が当たりました。なおオーバーシュートが出ているのは結果であって原因ではありません。原因は回路内にありますがそこは技術やノウハウなので今回は書きません。そしてその原因が出音に繋がっているのです。
1kHzでボリューム最大のときとボリューム位置-6dBのときのTHD+Nも測ってみましたが、-6dBのときは少し雑音が増えました。電流雑音が大きめのオペアンプ-一般的にはバイポーラ入力のもの-を使っているのでしょうか。歪みは少なかったです。低電圧に特化した部品を使うとこの値は良くしやすいんですよね。出力はRail to Railではありませんが1Vくらいは出力できました。不足する場面は少ないと思います。
配線の太さなどまだ気になるところはありますが、ばらさないと確認できない部分なので今日はここまでです。