最新のオペアンプを測定して楽しむ | Analog of Magic もみじとクラフトマンのblog

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私の周りでOPA1656というオペアンプが話題になっています。
TI(BB)の最新品種で、量産先行品のOPA1656をお裾分けしてもらいました。データシートにはFET入力オペアンプとしてはちょっと信じがたい値が並んでおりとても気になる存在です。

 

簡単に測定してみたところ、データシートの通りかなり特性が良いようです。特に雑音は従来のFET入力オペアンプを比較するための定数だとその性能を生かせないほどです。OPA2134やOPA1642用の回路でオペアンプだけそのまま置き換えるのではもったいなさすぎる性能だと思います。

 

オーディオアンプにも少し使ってみました。専用設計ではないのでその性能を生かせているわけではありませんが、それでも仕上がりでOPA2134より良くなるようにしたので嫌な音がしません。専用に設計すればすごく良くなりそうです。実は性能は極めてよいものの、ブロックダイヤグラムを見ると独特の構造をしているようなので音を少し心配していましたが、そんな心配はすぐに吹き飛びました。


なお、Zwei Flugelでは低電圧でも電圧高めの電池でも動くような設計をしたのでこのあたりのオペアンプは使えません。あれは電池の電圧が少し変化してきても特性も音質も確保できるようにしてあります。(ICを乗せ換えただけの改良?型は出ませんからご安心ください!)
ポータブルでも電源電圧を少し上げられればもっと面白いものが作れますから、使い勝手を犠牲にせずうまいことやれないかと考えています。


TI(BB)はOPA1612が登場した時も驚きましたが、今回のOPA1656はそれ以上の衝撃でした。