実際に私自身が履いたレディーメイドの革靴(既成靴)のランキングです。
写真は13年選手のJohn Lobb William
ランキングの評価のポイントは主に下記です。
私の好き嫌いなので、基本的にはオーセンティックな靴が高い評価になります。
1) 履き心地 / フィット感
- 履き心地/フィット感は個体差が大きいので、ここではツイステッドラスト、ベベルドウェスト、フィドルバックといったhand-madeの技法の有無で評価しています
(カラス仕上げのような見た目の高級感は含みません) - Bespokeの靴のフィット感と同等の既成靴には出会ったことはないです。どんなに高価な靴でもあくまで既成靴の範囲です。
2) 革質
- 20年、30年直して履ける靴こそ良い靴だと思っていますが、まだその域には達した靴は持っていません。
- また、ブランドだけでなく、革や靴の個体差も大きく反映されると思います。
- 自身が5-10年程度履いた感覚、他のブロガーの方の評価をもとにしています。外れを引いたという方が多ければ、低めに見て評価をしています。
( 3) 修理のし易さ )
- 極めて大事な評価ですが、()にしています。これは私自身が全て評価をし切れないからです。自身が修理屋さんやBespoke職人等の方に聞いた話がベースです。
- また、修理云々で評価すると、ウェルテッド製法の方がマッケイ製法よりも高く評価されるかと思いますが、この2つの工法で大きな差は付けていません。
- マッケイでもしっかりメンテナンスすれば、長く履けるものと思っています。
ちなみに下記は各ブランドで一番良いライン/製品の評価です。
John Lobbであればプレステージライン、Crockett&JonesであればHand Grade等です。特段、上級ラインがなければ購入して製品のものです。
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偏差値:75以上
最高級靴の中でも一段上の履き心地と革質
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英国
イタリア
日本
- Asakusa Cobbler(浅草コブラー)
- Original Shoesラインです。が、ほぼBespokeに近い作りこみをしてくれるので、このランキングに入れるのは反則に近いです。
- 革質を最高のものにしても、価格はJohn Lobbのプレステージラインよりは安く、履き心地は格段に上です。
その他
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偏差値:70-75
最高級靴として名実ともに違わない履き心地と革質
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英国
- Edward Green
- 日本ではJohn Lobbと同格のように言われてますが、恐らくレベルは一段下がるかと思います。
- 個人的にはあと1.5倍の値段(John Lobbと同価格程度)にして外れがないようにして頂ければと思っています。
- 足の裏に迫ってくるソールの作りはJohn Lobbよりも上だと思っています。
- Poulsen Skone
- 今は亡きブランドですが、最高級の靴の1つかと思います。OEMがEdward Greenなので、EGと変わらない評価です。
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偏差値:65-70
高級靴だが、履き心地/革質で物足りなさあり
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英国
イタリア
フランス
日本
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偏差値:60-65
高級靴であることは変わりないが、量産品という印象の靴。
革質は悪くないですが、フィット感に不満(板を履いている感じ)
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英国
- Joseph Cheaney
- Church's
- 旧チャーチ、旧旧チャーチではなく、現在のものです。古い物は履いたことはないです。
- Prada買収後、賛否あり、Cheaneyに逃げる方は多いですが、純粋な紳士靴は悪くないとは思います。
イタリア
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偏差値:55-60
何か足りないと感じます。お値段相応のブランドもありますが、
この値段でこれ?と思うものもあります
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イタリア
- Santoni
- 日本では高級靴とされてるところが多いですが、他の高級靴と比較すると数段レベルは下がるかと思います。
- 靴ブランドとは思いますが、今だとどちらかというとハイブランド的な位置づけのように感じます。
- イタリアブランド物が好きな方は好きなのかも知れませんが、靴好きでこれは履きますかね。
フランス
アメリカ
- Alden
- なぜ、この靴に10万円を超える値段を払ったのか、今でも理解できません。
- アメリカントラッド好き、流行り物好きなら分かりますが、それ以外の魅力は感じません(それでも高いと思ってます)。
- この評価はホーウィン社のシェルコードバンを使っているからというだけです。
- シェルコードバン自体は悪くないのでしょうが、何せ作りが。。。カーフならもっと下です。
- 革靴としては42ND ROYAL HIGHLANDのコードバンのPattern Orderの方が格段に良いと思います。
- ちなみにBeamsの中村さんも今のAldenは履かないようです。(“お察しください”とのことなので、理由が私と同じかは分からないですが)
スペイン
日本
- RAYMAR
- 革質や作りに不安がある(外れを引く確率も一定あり)のでこの評価です。
- アッパーの革はイルチアやデュプイを使っているようですが、ブランド内でもランクは下の革かと思います。
- インナーの革含めると、外れではなくとも、革質の観点ではそこまで高くないです。
- ヒドゥンチャネル、カラス仕上げで履き心地には直結しないです。ヒドゥンチャネルはソールの持ちに関わりますが。
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偏差値:50-55
価格とトレードオフして捨てた物、大き過ぎやしないか
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イタリア
日本
- Regal
- Scotch Grain
- RegalやScotch Grainは日本人の足の情報をアップデートしているのか、疑問です。
- 一応、公式情報等では最新の日本人の足に合わせて日々更新しているとは言ってますが、個人的にはこの辺りに少し企業努力は足りないように思います。
- 何となく、昭和の足型と最新の足型の平均値的な考えで靴を作っているように感じます。
- 昔ながらの日本企業よくあるプロダクトアウト的思考。平均値取ったらダメでしょという感じです。
- 原皮の価格高騰で原価を抑える方が大変なのでしょうが。革質に関してはまずまずといった感じ。黒光りはします。ただし、高級靴を磨きこんだ際のそこから出てくる黒光りではなく、表面的なガラスレザー(とはでは言いませんが)に近い黒光り。
スペイン
その他
- JALAN SRIWIJAYA
- デュプイ、アノネイといったタンナーのブランド、ハンドソーン製法等、高級靴を語るうえで良く出てくる単語は並びますが、革のレベル、作りのレベルはそれほど高くないです。
- 新品なのに傷も目立ちます。ブランドタンナー、高級靴の製法というブランド感をお手頃に!という方にはうってつけです。
- コスパが良いとされますが、値段通りの靴かと思います。
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革靴、色々履きましたが、安すぎる既成靴、高すぎる既成靴も考え物です。
下記は革靴を長く使いたい方へのお薦めです。
ちなみに今ならmercariや中古店を上手く利用して、良いものを安く購入するものありかと思います。
10年前に購入してから、1,2回しか履いてません、なんていう高級靴はすぐ買いかと思います。
1) まずは6,7万円前後の靴メーカーのものを!
- 20年近く前に落合正勝氏が"靴はできるだけ高価なものを。10万円以上のものを"と書かれましたが、当時から原皮が高騰してしまい、現在だと2倍くらいのお金を出さないと購入できません。(当時10万円以上なら、現在は20万円くらい)
- ちなみに15万円、20万円を超えるような靴は、ハンドメイドの技術を取り入れているたり、ブランド料が高いといったものです。
- 恐らく、良いものを長くという方はブランド料にはあまりお金を払いたくないような方かと思います。
- あと、既成靴に再現されたハンドメイドの技術もたかが知れてます。
- 試着したら分かると思いますが、言われればそうだな、という感じ。長く履いたとしても、あってもなくても同じかなという印象です。
- 逆に7,8万円を大きく切るような革靴はどこかで無理をしています。
(無理しているからと言って、寿命により大きく響くのは日々のメンテナンスの方ですが)
参考)Church's、Crockett&Jones、Joseph Cheaney、42nd Royal highland、三陽山長 等
2) 履き心地を目指すならMTOへ!
- 上記の革靴でもどこか足に当たる箇所はあるかと思います。
かかとだったり、甲だったり、小指だったり。恐らく、どんなに高くても既成靴のフィット感はこんなものです。 - 更に高いものを購入しても、フィット感は変わりません。
- MTOは5万円くらいからあります。
- オーダーの際に気を付けることは、1.当たる箇所は念入りにフィッターと相談する、2.アッパーの革をケチらない、3.余裕があるならアッパー以外の革へも拘る、もしくはソールの作りにお金をかける
- ちなみにアッパーの革ですが、お財布が許す限り良いもの選びましょう。最高級の革でも+3万円です。
参考)Asakusa Cobbler、宮城興業 等
3) 思い切ってBespoke/Hand-made!
- 2)で満足できず、より自分に合った靴が欲しいなら、作るしかありません。
- 間違っても既成靴の高級ラインは買ってはいけません(John Lobb等のブランド物が欲しいなら話は別ですが)。
- 価格は安くて20万円くらいから。10万円台でもありますが、革質等々を落としたものです。
- ここでケチったら逆に損をします。20万、30万円出して一生モノの靴にして下さい。革質をケチって途中で穴が開くなんてことは避けてください。
参考)Asakusa Cobbler、Corno Blu、Hiro Yanagimachi、SPIGOLA(Koji Suzuki)、Yohei Fukuda等
(参考)
決してブランド力/知名度や値段の順番ではありません。あくまで個人的な革質や作りの印象です。
安価なグッドイヤー=コスパ最強とは限らないです。ただ安価なグッドイヤーは安価な靴でしかないです。
コスパを気にするなら、ここにあるようなブランドの20,30年前の靴を購入するのが一番です。デッドストックでもそれほど高くないし、今では考えられない革質です。それこそ、リーガルのブリティッシュコレクションなんてコスパ最強です。
あと、ここにあるブランドで3万円以上のグッドイヤーの靴なら、十分10年選手になれます。しっかりケアして履けば。
偏差値: 75以上
- 英国
- John Lobb
- Gaziano&Girling
- George Cleverley / Anthony Cleverley
- イタリア
- Silvano Lattanzi / Zintala
- Stefano Bemer
- オーストリア
偏差値: 70-75
- 英国
- Alfred Sargent
- Edward Green
- FOSTER&SON
- Poulsen Skone
- イタリア
- ハンガリー
- 日本
偏差値: 65-70
- 英国
- イタリア
- フランス
- CORTHAY
- Berluti
- J.M.WESTON
- スペイン
- 日本
- 42nd Royal Highland
- Shetland Fox
- 三陽山長
- 銀座ヨシノヤ
偏差値: 60-65
- 英国
- Church's
- GRENSON
- Joseph Cheaney
- Lloyd Footwear / Master Lloyd
- イタリア
- フランス
- 日本
- Perfetto
- RENDO
- ユニオンインペリアル
偏差値: 55-60
- イタリア
- フランス
- スペイン
- CARMINA
- Christian Louboutin
- YANKO
- アメリカ
- 日本
偏差値: 50-55
- イタリア
- DOUCAL'S
- FERRANTE
- LOBB'S
- TOD'S
- スペイン
- アメリカ
- 日本
- インドネシア