宮本武蔵 一乗寺の決斗(二十五)武士の仕度 | 俺の命はウルトラ・アイ

宮本武蔵 一乗寺の決斗(二十五)武士の仕度

『宮本武蔵 一乗寺の決斗』

  映画 トーキー 128分 

 イーストマンカラー 白黒映像あり

 東映スコープ

 昭和三十九年(1964年)一月一日公開

  製作国  日本

 

 制作   東映京都

 

 製作   大川博

 

 企画   辻野公晴 

       小川貴也 

       翁長孝雄

 

 原作   吉川英治

 

 脚本   鈴木尚之

       内田吐夢

 

 撮影   吉田貞次

 照明   和多田弘

 録音   渡部芳史

 美術   鈴木孝俊

 音楽   小杉太一郎

 編集   宮本信太郎

 

  助監督 鎌田房夫

 記録   国定淑孝

 装置   館清士

 装飾   宮川俊夫

 美粧   林政信

 結髪   桜井文子

 衣裳   三上剛

 擬斗   足立伶二郎 

 進行主任 神先頌尚

 

 出演

 

 中村錦之助(宮本武蔵)

 

 

 佐藤慶(太田黒兵助)

 鈴木金哉(御池十郎左衛門)

 

 高倉健(佐々木小次郎)

 

 

 

 監督 内田吐夢

 

 ☆☆☆

 小川貴也=小川三喜雄=初代中村獅童=小川三喜雄

 

 中村錦之助=初代中村錦之助→初代萬屋錦之介

 

 ☆☆☆

 画像・台詞出典 『宮本武蔵 一乗寺の決斗』DVD

 ☆☆☆

  台詞の引用・シークエンスの考察は、研究・

 学習の為です。 
 東映様にはおかれましては、ご理解・ご寛

恕を賜りますようお願い申し上げます。

☆☆☆

 平成十一年(1999年)九月十一日福原国際東映

 平成十二年(2000年)九月八日高槻松竹

 平成十五年(2003年)五月二十二日京都文化博物館

 にて鑑賞

☆☆☆

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  宮本武蔵は城太郎少年をその父青木丹左衛門が

吹く尺八の音のもとに向かわせた。吉岡一門と戦う

のは自身であり、愛する門弟を巻き込みたくなかった

のだ。総門を出て、大勢の吉岡一門に対峙する。い

よいよ決戦の時だ。

 

   太田黒「武蔵!仕度はよいか?」

 

  

   武蔵「仕度?武士の仕度は寝る間にも出来て

       おる。何時でも来られい。此処は総門。

       人々の迷惑もある。その前に一言聞き

       たい。この武蔵を暗殺したいのか?

 

    太田黒「師の清十郎敗れ、続いて御舎弟の

         伝七郎殿討たれ、何の顔有って我

         々遺弟が汝を生かしておけるか。

         不憫だが汝の首を我々が申し受ける

         ぞ。」

 

 武蔵は、お手前方は、何故師の清十郎殿・伝七郎

殿の如く堂々と立ち合われないかと問う。太田黒達

は決戦に燃えており、刀を抜きそうだ。

 

    「待て。かような繁華な街中でならず者のよう

     な真似はおよしなさい。」

 

 武蔵・吉岡一門両者に声がかかった。

 

 声の主は佐々木小次郎であった。

 

   ☆仲裁人☆

 

 武蔵は城太郎の危機を回避できたことを確かめ

て、吉岡一門との決戦に臨む。戦いにおいて、敵

は大勢、味方は自身のみ。総門は締まり、逃げ場

はない。

 

 内田吐夢は、此処で武蔵が巧みな弁舌で、血気

にはやる太田黒を挑発し、激昂させていることを確

かめている。

 

 「武士の仕度は寝る間にも出来ておる」は名台詞

である。剣士は常に命の危機に立たされている。

 

 錦兄の口跡は綺麗だ。

 

 たった一人で大勢の敵と戦っていかなければ、道

は歩めない。武蔵の置かれた立場の厳しさが、観客

の胸に迫る。

 

 太田黒は怒りに燃えて、倒された師匠達の無念を

雪ぎ、武蔵を斬って吉岡の名誉を回復したいと考え

る。吉岡方が怒りから名誉の為に命を散らしていく

ことも本作の重いテーマだと思う。

 

 いよいよ決戦というところで思いがけない人物が

仲裁に名乗りを上げた。

 

 佐々木小次郎である。

 

 高倉健が不気味さを凄み豊かに演ずる。小次郎の

主張はもっともだが、どこかに武蔵・吉岡家両者に、

言葉の圧力をかけているようにも思われる。

 

 本作の健さんの冷徹さは、光り輝いている。

             

                         合掌

 

 

                   南無阿弥陀仏

 

 

 

                       セブン