宮本武蔵 一乗寺の決斗(十九)小袖と手紙 | 俺の命はウルトラ・アイ

宮本武蔵 一乗寺の決斗(十九)小袖と手紙

『宮本武蔵 一乗寺の決斗』

  映画 トーキー 128分 

 イーストマンカラー 白黒映像あり

 東映スコープ

 昭和三十九年(1964年)一月一日公開

  製作国  日本

 

 制作   東映京都

 

 製作   大川博

 

 企画   辻野公晴 

       小川貴也 

       翁長孝雄

 

 原作   吉川英治

 

 脚本   鈴木尚之

       内田吐夢

 

 撮影   吉田貞次

 照明   和多田弘

 録音   渡部芳史

 美術   鈴木孝俊

 音楽   小杉太一郎

 編集   宮本信太郎

 

  助監督 鎌田房夫

 記録   国定淑孝

 装置   館清士

 装飾   宮川俊夫

 美粧   林政信

 結髪   桜井文子

 衣裳   三上剛

 擬斗   足立伶二郎 

 進行主任 神先頌尚

 

 出演

 

 中村錦之助(宮本武蔵)


 佐藤慶(太田黒兵助)

 竹内満(城太郎)

 鈴木金哉(御池十郎左衛門)

 

 

 

 監督 内田吐夢

 

 ☆☆☆

 小川貴也=小川三喜雄=初代中村獅童=小川三喜雄

 

 中村錦之助=初代中村錦之助→初代萬屋錦之介

 

 鈴木金哉→鈴木康弘

 

 

 

 ☆☆☆

 画像・台詞出典 『宮本武蔵 一乗寺の決斗』DVD

 ☆☆☆

  台詞の引用・シークエンスの考察は、研究・

 学習の為です。 
 東映様にはおかれましては、ご理解・ご寛

恕を賜りますようお願い申し上げます。

☆☆☆

 平成十一年(1999年)九月十一日福原国際東映

 平成十二年(2000年)九月八日高槻松竹

 平成十五年(2003年)五月二十二日京都文化博物館

 にて鑑賞

☆☆☆

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 宮本武蔵が三十三間堂の果たし合いにおいて、吉岡

伝七郎を斬ったことを受け、吉岡一門門弟衆は仇を取ろ

うと機会を窺う。門弟太田黒達は武蔵が宿泊する扇屋

の前で夜通しで待ち伏せしていた。

 朝、武蔵が今も扇屋にいることを彼等は確かめる。

 

  太田黒は「出てくるのを待とう」と仲間と作戦を確か

める。駕籠かき雲助たちは、武蔵が伝七郎先生を斬った

剣士であることを噂し、少年城太郎はお師匠様の名を

聞き驚く。

 

 朝の扇屋で武蔵が手紙を書いていると、城太郎が

門を開けて入ってきた。師弟は再会を喜ぶ。

 

  武蔵「此処がよく分かったな?」

 

  城太郎「知らないやい!」

 

 扇屋の女性が城太郎を注意するが、武蔵は儂の家来だと

語る。血ちゅうもんは洗うても落ちんもんでんなと女性が語る

と武蔵は洗濯に感謝し、扇屋にも迷惑がかけたくないので、

今宵のうちに去るので、どなたか、小袖と手紙を本阿弥殿の

お宅へ届けてはくださらぬかと頼むと、女性は快諾してくれ

た。

 

  ☆扇屋の朝☆

 

 太田黒達が待ち受けるシーンには、朝の爽やかな光の中

で殺伐とした空気がある。この場面の佐藤慶の闘志も熱く、

迫力豊かだ。

 吉岡一門は、清十郎が重傷を負わされ、伝七郎を斬殺され、

大敵武蔵を斬らねば、剣の一家としての対面が保てなくな

る。

 本作は、吉岡一門が名の為に武蔵に挑み、敗れて行くこと

が大きなテーマにもなっている。

 更に深く大きなテーマは勝利者武蔵の血を流さねばならぬ

ことの罪の苦しみなのだ。

 

 だが、この扇屋の朝で、手紙を穏かに書き、愛弟子城太郎

と再会するシーンは、その重く厳しい流れの中で清涼感を与え

てくれるものになっている。

 

 初代中村錦之助の美しさが光り輝いている。

 

 

                                  合掌