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自律神経をより深く知ることで、ストレスと向き合いたい。

 

この思いからたどり着いた考え方が

 

ご紹介しているポリヴェーガル理論。

 

前回の記事はこちら。

右矢印PTSDについて考えてみる…ポリヴェーガル理論⑦

 

始まりの記事はこちら。

右矢印自律神経は交感、副交感の2種類だけじゃない…ポリヴェーガル理論①

 


 

 

 

ポリヴェーガル理論を通して

 

自律神経について知る旅を続けてきましたね。

 

思いのほか長い長い旅となり

 

お疲れのことでしょうが、あともうすこしです。

 

この8回目で、締めくくりたいと思います。

 


私がお伝えしたいこと

 

太古の時代から

 

私達が生きていくために備わった自律神経。

 

このシステムのおかげで

 

脈々と命が紡がれ、私たちに受け継がれ

 

この世に生を受けてから寿命が訪れるまで

 

生きていくことが出来るのですが

 

状況によっては逆に私たちを苦しめることとなります。

 

 

 

 

 

 

そして、ストレス反応からの回復に関しては

 

神経レベルで安全を感じることが必須であることのことで

 

無意識のニューロセプション(神経知覚)のレベルで

 

「安全」と感じられることではじめて

 

社会的になることが出来て

 

他者との「絆」をつくったり、学び、喜ぶなどの

 

素晴らしい神経回路を発動させることができるとしています。

 

 

 

 

 

 

低周波の音や周囲の騒音を防ぐこと

 

他者から明るく韻律に富んだ声で話しかけれ

 

招き入れるような身振りをされるなど

 

温かみや優しさに触れること

 

他者とのコミュニケーションを伴う遊びを活用すること

 

ある種の音楽や歌声

 

あるいは歌ったり吹奏楽器を吹くなども

 

効果があるそうです。

 

 

 

 

 

 

私なりに解釈すると

 

怯えたり、脅かされたりが無い状態なのだと

 

無意識のニューロレセプションレベルで「安全」と認識するには

 

落ち着く環境を整え

 

食事、睡眠、運動など生活習慣を工夫することは基本とし

 

人間の相互交流の本質である直に対面する経験を大切にして

 

安心感を得られるように

 

信頼できる他者との会話やふれあいを味わうこと。

 

こういうことなのかな?と思います。

 

 

 

 

 

さらに、考えられる回復のためのツールを挙げてみたいと思います。

 

まずは、すぐに出来そうなものから。

 

 

 

 

生活を整える

昼夜逆転があったり、食事などの栄養バランスが良くない

 

運動習慣どころか外出もしていないなどがあれば

 

その生活習慣を整えていただきたいのですが

 

これまでの生活習慣を180度変えるような大きな変化は

 

心身ともにインパクトが強すぎると考えられますので

 

少しずつゆっくりと変化させることを意識してください。

 

 

 

 

 

 

良い刺激を与えたとしても、その刺激が大きすぎたり

 

高頻度で刺激すると、その変化にビックリして

 

良い取り組みだとしても習慣化しにくいと考えられます。

 

 

 

 

 

運動する習慣が無い方が

 

急に長い距離のジョギングをするのは無理ですよね。

 

短い距離のウォーキングから始めて

 

少しずつ体を動かす習慣に慣れていくほうが

 

長続きするような気がします。

 

 

 

 

 

 

同じように、外に出て散歩してみるという行為でも

 

毎日1時間散歩するとなると

 

1回の刺激量や頻度が負担になる方もいるでしょう。

 

最初は見慣れた所で

 

10分程の散歩を週1回の頻度でやってみるなど

 

意識しない程度の小さな変化を

 

ゆっくり積み重ねていくことを基本に

 

ご自分のその日の気分や体調に寄り添い

 

行きつ戻りつしながら続けていくと良いと考えます。

 

 

 

 

笑顔

 

笑顔を作ることで顔面にある迷走神経が活性化され

 

それが腹側迷走神経の運動核(擬核)に伝わることで

 

腹側迷走神経優位の状態になり

 

心拍がゆっくりになったり呼吸が穏やかになることが期待できます。

 

 

 

 

 


「リラックスしたから笑顔になる」のではなく

 

「笑顔になったらリラックスできる」という

 

神経系の仕組みを利用したリラックス法です。

 

笑いヨガもこの効果を利用したものと考えます。

 

右矢印笑うと免疫力アップの効果があるらしい

 

 

 

 

 

 

笑顔の効用は体内だけではありませんよね。


笑顔になることで周囲の方も安心し

 

周りの方の笑顔を見ることで自分自身も安心しますので

 

より腹側迷走神経優位の状態が安定するのです。

 

 

 

 


ですが、険しい顔つきでいると

 

周囲も安心できず険しい表情になりやすいでしょうし

 

結果として、自分も不安定な自律神経の状態のまま

 

物事に臨まなければならなくなる、といった悪循環にも陥りやすくなります。

 

この悪循環を断ち切るためにも

 

できる範囲で、顔に微笑みを浮かべるところから

 

始めると良いかと思います。

 

 

 

歌う

歌うことによっても

 

自然に腹側迷走神経の運動核を活性化させることができ

 

それが鼓動の調整や規則正しい呼吸になることを促します。


合唱などのときに

 

「喉が開いていない(閉じている)」

 

「声が頭のてっぺんから出ていない」などと言われるのは

 

リラックスして発声できていないということ

 

つまり、腹側迷走神経優位の状態に入っていない

 

という意味なのかもしれません。

 

 

 

 

 

長く息を吐く

顔の下半分の神経や

 

ノドのえらの辺りの神経を活発に動かすことで

 

コミュニケーションの状態である

 

腹側迷走神経優位に能動的に移行できるようになるとされています。


笑ったり歌ったりできないような状況下では

 

息を長く吐く動作を意識してみると良いでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ほかにも、いろいろありますよね。

 

ヨガ、マインドフルネス、セルフコンパッション、マッサージ

 

アート、ダンス、音楽セラピー、鍼灸鍼療法

 

経絡ツボ療法など数多くありますね。

 

もちろん、ポリヴェーガル理論の視点でアプローチされた

 

精神療法や心理療法、カウンセリングも有効だと思います。

 

 

 

 

 

 

どの方法も回復の可能性を高める

 

素晴らしい方法だと考えます。

 

ですが、ストレス反応は

 

それが生じるきっかけや引き起こされる現象は

 

本当に個人差が大きく

 

また、回復についても同様にそれぞれ異なりますので

 

どれも絶対の完璧なものではないでしょうし

 

相性もあるでしょう。

 

興味のある方法をご自身の目と感覚で探求していけば

 

きっとより良いご縁が出来てくるのだろうと思います。

 

 

 

 

 

 

ストレス反応として生じる現象は

 

複雑な要素が影響しているはずですが

 

このポリヴェーガル理論では

 

3階層の自律神経の働きに収束する形で理論展開されています。

 

まだまだ未解明の部分があるようですので

 

今後、さらに研究が進んで欲しいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

この理論は、あくまでも一つの考え方となります。

 

ですから、これですべてが解決!という訳にはいかないのですが

 

何かのヒントになればうれしく思います。

 

これまでに、壮絶な経験をされ、今も苦しんでいる方も

 

中にはいらっしゃると思います。

 

まずは、耐え難いストレスに対して

 

自分たちの体が生き延びるために適応的に反応してくれたおかげで

 

実際に生き延びることが出来たということですから

 

素晴らしい、誇らしいことなのだと

 

ご自分を労ってあげていただきたいなと思います。

 

そうすることで、ご自分を責めてしまうことからは解放されるはずです。

 

そこから、ゆっくり始めてみましょう。

 

このことを胸に留めていただいて

 

ご紹介したポリヴェーガル理論を、ひとつの参考に

 

より健やかにお過ごしください。

 

 

 


 

 

ご興味ある方はこちら。

 

 

 

 

 

ポリヴェーガル理論についてはこちらです。

8回シリーズです。長いですが、読み進めていただければより深く理解でき、生活する上での参考になると思います。

よろしければご覧くださいニコニコ

右矢印自律神経は交感、副交感の2種類だけじゃない…ポリヴェーガル理論①

右矢印進化の過程で自律神経が3階層に…ポリヴェーガル理論②

右矢印ストレスと自律神経の関わり…ポリヴェーガル理論③

右矢印ストレス反応からの回復過程を考える…ポリヴェーガル理論④

右矢印自律神経は自律する神経…ポリヴェーガル理論⑤

右矢印自律神経を理解してストレスと向き合う…ポリヴェーガル理論⑥

右矢印PTSDについて考えてみる…ポリヴェーガル理論⑦

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