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ポリヴェーガル理論では3階層の自律神経があること

 

腹側迷走神経(複合体)、交感神経系、背側迷走神経系があって

 

それぞれの働きをご紹介しましたね。

 

8回のシリーズでお伝えしています。前回の記事はこちら。

右矢印自律神経は交感、副交感の2種類だけじゃない…ポリヴェーガル理論①

 

 

 

 

 

 

自律神経についての

 

ポリヴェーガル理論については全く知りませんでした。

 

私自身の学生時代には当然学んでいません。

 

今のところ

 

日本では一部の専門家が提唱されている

 

という状況のようですので

 

現役の医学生の方々も皆が学んでおられるのではないと考えます。

 

ですので、ポリヴェーガル理論は

 

ストレス反応を理解するひとつの理論として

 

お考えいただけたらと思います。

 

 

 

 

 

 

 

自律神経が3階層になっていることについて

 

生物の進化と深い繋がりがあります。

 

早速、その進化の過程をたどりながらみていきましょう。



人間に備わった3階層の神経ネットワーク

交感神経はストレス要因で、副交感神経はリラックス?

交感神経は

 

捕食や防衛のために必要な神経ネットワークですが

 

心身にインパクトを与えるストレス要因ともなってしまいます。

 

交感神経の興奮による疲労や不調和を調整するのが

 

副交感神経で

 

副交感神経は、心身に保護的、調和、回復をもたらす

 

良いものと考えられていました。

 

 

 

 

 

 

ですが、新生児の命を脅かす

 

「徐脈(心拍数が極端に低下する)」「無呼吸」が起こるときは

 

実は、副交感神経が活発になっており

 

副交感神経の働きのすべてが

 

心身の健康に良いもの、保護的なものであるとは言えなかったのです。

 

 

 

 

 

 

ポージェス博士は、この矛盾に注目し

 

なぜ副交感神経が

 

時に健康に悪影響を及ぼすのかについて探求を進めたそうです。

 

その結果として

 

副交感神経(が大半を占める迷走神経)には

 

2種類のネットワークがあること

 

そしてそれぞれの機能が異なっていることを発見したのです。

 

 

 

 

生物の進化の過程と神経系の発達の視点から考える

無髄神経と有髄神経の2種類がある迷走神経(副交感神経)

 

神経細胞は

 

主に「樹状突起」と呼ばれる細胞の主要部分と

 

「軸索」と呼ばれる情報を伝達するための長い神経線維でできています。

 

軸索には、むき出しになっているものと

 

髄鞘(ずいしょう)とよばれる円筒形の膜で覆われているものの

 

2種類があり

 

髄鞘のないものを「無髄神経」

 

あるものを「有髄神経」と呼んでいます。

 

 

 

 

 

進化的には

 

最初に出来上がった原始的な神経細胞が、無髄神経で

 

より進化したシステムが、有髄神経となっていて

 

迷走神経(副交感神経)にも

 

無髄神経と有髄神経があります。

 

 

 

 

 

無髄神経の迷走神経ネットワークは

 

「背側迷走神経」と呼ばれ

 

主に横隔膜から下の臓器の制御を司っており

 

有髄神経の迷走神経系は

 

「腹側迷走神経」と呼ばれ

 

主に横隔膜から上の臓器や表情筋などを司っています。

 

 

 

 

 

ポージェス博士は

 

同じ副交感神経(迷走神経)であっても

 

原初的な背側迷走神経と

 

進化型の腹側迷走神経では

 

役割と機能が異なっていることを発見したのです。

 

 

 

生物は背側迷走神経から始まった

そして、交感神経、さらに腹側迷走神経が加わっていった

 

ポージェス博士によると

 

人間は、系統発生的に進化のプロセスに従って

 

3階層の自律神経ネットワークを宿しています。

 

最も原初的なネットワークは

 

「背側迷走神経」であり

 

消化吸収、睡眠と回復、生殖を司ります。

 

原始的な生命から魚類に至るまでに進化した神経ネットワークです。

 

 

 

 

 

 

爬虫類以降の進化に伴って

 

作り上げられた神経ネットワークが

 

「交感神経」であり

 

行動、攻撃、防衛、などのアクティブな活動を司ります。

 

 

 

 

 

 

哺乳類以降になって

 

社会性が発達することに伴って進化した

 

神経ネットワークが

 

「腹側迷走神経」であり

 

心臓や肺に影響を与えるとともに

 

表情やアイコンタクト

 

言語や声色などを表現したり読み取る社会交流システムとして

 

複雑な社会的、絆行動を司ります。

 

 

 

 

 

生き物の進化に伴って

 

自律神経も種類が増えていくという流れをご紹介しました。

 

生物が生き残り、進化した(する)ために

 

必要に迫られて発達、複雑化したと

 

いうことなんですね。

 

この自律神経とストレスとの関係については、こちら。

 

右矢印ストレスと自律神経の関わり…ポリヴェーガル理論③

 

ご興味のある方は、こちら。

 

 

 

 

 

ポリヴェーガル理論についてはこちらです。

8回シリーズです。長いですが、読み進めていただければより深く理解でき、生活する上での参考になると思います。

よろしければご覧くださいニコニコ

右矢印自律神経は交感、副交感の2種類だけじゃない…ポリヴェーガル理論①

右矢印ストレスと自律神経の関わり…ポリヴェーガル理論③

右矢印ストレス反応からの回復過程を考える…ポリヴェーガル理論④

右矢印自律神経は自律する神経…ポリヴェーガル理論⑤

右矢印自律神経を理解してストレスと向き合う…ポリヴェーガル理論⑥

右矢印PTSDについて考えてみる…ポリヴェーガル理論⑦

右矢印生きているだけで、素晴らしいんです。…ポリヴェーガル理論⑧

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