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ポリヴェーガル理論では3階層の自律神経があり

 

ストレスに対して、どの自律神経が働くかで

 

現れる反応がそれぞれ違うことをお伝えしました。

 

前回の記事はこちら。

右矢印ストレスと自律神経の関わり…ポリヴェーガル理論③

 

始まりの記事はこちら。

右矢印自律神経は交感、副交感の2種類だけじゃない…ポリヴェーガル理論①

 

 

 

 

 

 

ストレスにさらされた時に

 

自律神経のモードによってストレス反応が起こり

 

その後は

 

どのように回復していくのでしょうか

 

このことについてみていきましょう。

 

 

 


人のストレス反応を考える…自律神経ネットワークの働く仕組み

人の認識や判断ではなく生理学的反応

 

人は、系統進化的に3階層の自律神経ネットワークを宿していて

 

背側迷走神経系

(古代の副交感神経系、消化、睡眠、排泄、生殖機能、身体の回復などを司どる。リラックスと休息モード:危機状況では絶体絶命モード)

 

交感神経系

(爬虫類以降に進化、感情、身体を活発に覚醒、行動させる。闘争・逃走モード)

 

腹側迷走神経複合体

(哺乳類以降に進化した社会交流システムとしての副交感神経系、呼吸、心臓、表情、発声、聞き取りを司る。社会交流モード)

 

これらの3階層のモードが

 

時と場合に応じて機能すると考えられています。

 

 

 

 

 

 

通常

 

人が人として健全に社会生活を営んでいくときには

 

腹側迷走神経系が最も活性化しています。

 

他者に微笑みかけ、話しかける力

 

他者の表情や言動ふるまいから他者の内面を理解する力

 

お互いに豊かで平和な人間関係を営み

 

時に困難にあるときでも他者と関係性の中で協力し合い

 

打開していく力の源泉こそが

 

この社会交流システムとしての腹側迷走神経複合体なのです。

 

 

 

 

 

 

ですが、環境や状況が悪化し

 

トラブルが発生した場合に

 

人に助けを求めることで解決しない場合には

 

交感神経系が目覚め、闘争・逃走モードに変わります。

 

感情エネルギーが爆発的に発露されて

 

捕食者のような脅威に対して、攻撃するか逃げるかの

 

命がけのアクションを起こすのです。

 

 

 

 

 

 

さらに、そのような対応でも打開できない場合

 

背側迷走神経系が目覚めます。

 

危機対応のために背側迷走神経系が活性化すると

 

絶体絶命システムが発動し

 

「不動(フリーズ)」「シャットダウン」「解離」という現象が起こります。

 

死んだふりをすることによって

 

危機を乗り越えようとするサバイバル戦略なのです。

 

究極の生き残り戦略のシャットダウンとは

 

徐脈、呼吸抑制、血圧低下などが実際に体に生じることで

 

仮死状態のようになり、死んだふりをすることによって

 

危機を乗り越えようとする最終手段なのです。

 

 

 

 

 

危機対応モードからの回復のこと

 

通常、こうした危機対応は

 

脅威に直面した時のみに起こることであり

 

それが去れば

 

神経系に流れた強烈なエネルギーを

 

身体の震えなどを通して解放することによって

 

通常のモード(社会交流システム)に戻れるのですが

 

ストレスが強すぎたり、繰り返しストレスに曝露されることが続くと

 

神経ネットワークに過剰な興奮とエネルギーが滞留してしまい

 

通常モード(社会交流システム)にもどれなくなってしまいます。

 

 

 

 

危険が去っても…

 

たとえ危険が去っても、常に危機状態にあると心身が感じているので

 

命がけのサバイバルモードは続き

 

抑うつ、心も体も動かない不活性、無表情、自己喪失感などの

 

問題を引き起こしてしまうのです。

 

 

 

 

 

 

運よく癒しが起こり

 

背側迷走神経系に滞留したストレスが解放されると

 

次の進化ステップとしての交感神経系の危機対応である

 

「闘争・逃走モード」にシフトします。

 

 

 

 

 

 

つまり、興奮し、感情的になり

 

激怒して攻撃的になったり、恐怖におびえて

 

過剰に防衛したり逃亡したりなどの

 

瞬発的な行動を引き起こすのです。

 

 

 

 

 

 

この交感神経系の興奮がおさまり

 

安全が確保されると

 

ようやく人間性の社会交流システムとしての

 

腹側迷走神経複合体主導となり

 

人として他者と平和的にかかわり、やさしさ、思いやり

 

信頼の中で豊かな人間関係を築けるのです。

 

 

 

 

 

 

自律神経モードの切り替えが

 

どうなっているのか、もう少し詳しくお伝えしたいと思いますが

 

それについては、こちら。

右矢印自律神経は自律する神経…ポリヴェーガル理論⑤

 

 

 

 

ご興味ある方はこちら。

 

 

 

 

 

ポリヴェーガル理論についてはこちらです。

8回シリーズです。長いですが、読み進めていただければより深く理解でき、生活する上での参考になると思います。

よろしければご覧くださいニコニコ

右矢印自律神経は交感、副交感の2種類だけじゃない…ポリヴェーガル理論①

右矢印進化の過程で自律神経が3階層に…ポリヴェーガル理論②

右矢印ストレスと自律神経の関わり…ポリヴェーガル理論③

右矢印自律神経は自律する神経…ポリヴェーガル理論⑤

右矢印自律神経を理解してストレスと向き合う…ポリヴェーガル理論⑥

右矢印PTSDについて考えてみる…ポリヴェーガル理論⑦

右矢印生きているだけで、素晴らしいんです。…ポリヴェーガル理論⑧

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