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自律神経をより深く知ることで、ストレスと向き合いたい。

 

この思いからたどり着いた考え方が

 

ご紹介しているポリヴェーガル理論。

 

前回の記事はこちら。

右矢印自律神経は自律する神経…ポリヴェーガル理論⑤

 

始まりの記事はこちら。

右矢印自律神経は交感、副交感の2種類だけじゃない…ポリヴェーガル理論①

 

 

 

 

 

 

ストレスによる反応について、実際の疾患に

 

ポリヴェーガル理論を当てはめてみるとどうなるのでしょうか。

 

PTSDで現れるストレス反応について、ご紹介していきます。

 


人は、その人らしく生きたいのだけど…

 

ポリヴェーガル理論の視点から見ると

 

人が人らしく創造的に活躍できる時とは

 

腹側迷走神経複合体が活性化し

 

社会交流モードが主導している時であるといえるでしょう。

 

 

 

 

 

 

これまでお伝えした通り、人の自律神経系は

 

背側迷走神経系(リラックスと休息モード:危機状況では絶体絶命モード)

 

交感神経系(闘争・逃走モード)

 

腹側迷走神経複合体(社会交流モード)

 

の3階層があり

 

哺乳類以降に進化した最新バージョンが腹側迷走神経複合体だからです。

 

 

 

 

 

背側迷走神経系は

 

神経系が「安心」と認識している時には

 

リラックス・休息モードで働きます。

 

危機状態では

 

腹側迷走神経系がうまく働かない場合

 

最終手段として背側迷走神経系の

 

絶対絶命モードが発動されますが

 

腹側迷走神経複合体によって適切に調節されることにより

 

「不動」、「シャットダウン」や「解離」といった状況に

 

不必要に陥ることがないよう、コントロールされます。

 

 

 

 

 

 

 

また、交感神経系では

 

闘争・逃走モードを発動されますが

 

腹側迷走神経複合体によって適切に調節されると

 

心拍がゆっくり下がり、 神経系が落ち着き

 

怒りや不安などではなく、あそびや情熱などの

 

働きを示すとされています。

 

 

 

 

 

 

このように、腹側迷走神経複合体が適切に働いていて

 

調整力のある神経系であれば

 

何らかのストレス刺激があったとしても

 

なだらかに行き来することができます。


 

 

 

 

 

 

このことから、人が人として生活している時には

 

腹側迷走神経複合体(社会交流モード)が主導して

 

背側迷走神経系や交感神経系を上手く調節している状態が

 

普通と言えるのですが

 

必ずしも、その普通のことが普通にできるわけではありません。

 

つまり、調整不全となってしまうと

 

交感神経系が過度に働いて、過緊張・過覚醒が持続したり

 

あるいは、背側迷走神経系が優位になってしまい

 

エネルギー枯渇したような状態が続いたり

 

あるいは、その両極を激しく揺れ動いたりすることになるのです。

 

 

 

 

 

 

ストレスが高じると

 

意識せずとも、いつのまにかモードシフトが起こり

 

交感神経系の闘争・逃走モード

 

背側迷走神経系の絶体絶命モードとなってしまうのです。

 

 

 

 

 

PTSDの場合

PTSDは災害や犯罪被害、事故などの

 

生命がおびやかされるような危険(トラウマ体験)の目撃や

 

体験が原因で起こるとされています。

 

強いショックによって脳の一部が委縮したり

 

脳の血流が低下したりすることで

 

さまざまな精神的・身体的な症状が引き起こされ

 

その状態が回復しないまま長く続くのです。

 

 

PTSDの主な症状

 

PTSDには主に4つの症状があり

 

それが1ヶ月上続きます。

 

 

①トラウマになった出来事を繰り返し思い出してしまう(再体験)

 

つらい記憶を無意識に何度も思い出してしまう状態が続きます。

 

もっとも激しい症状は「フラッシュバック」と呼ばれ

 

頭の中で当時の状況が再現されて

 

あたかも目の前で起こっているかのような感覚に陥ります。

 

現実を認識できず

 

周囲からの呼びかけに反応しなくなることもあります。

 

 

②トラウマに関連する事柄を避ける(回避)

 

犯罪被害に遭った現場に近づけなくなる

 

つらい出来事に関する話をしたがらないなどの症状が

 

よく見られます。

 

これによって行動や人との交流が制限されると

 

社会生活にも支障が出ます。

 

また体験そのものの記憶が抜け落ちる人もいます。

 

 

③否定的な考えやネガティブな感情が浮かぶ(否定的感情と認知)

 

「私が悪いんだ」「信用できる人はいない」など

 

自分や他人に対する否定的な考えが持続的に浮かぶ症状です。

 

恐怖、怒り、罪悪感などのネガティブな感情が続き

 

ものごとへの興味が失せ

 

世界から孤立しているような感覚を持つことがあります。

 

 

④神経が過敏になり、常に精神が緊張した状態になる(覚醒亢進)

 

ささいな物音や人の動きにも過剰に驚く

 

警戒心が強くなるなどの特徴もあります。

 

いつもイライラ・ピリピリしていて気が休まらず

 

集中しにくくなったり心身ともに疲れやすくなったりします。

 

 

 

 

 

 

その他にも現実感がなくなり

 

夢の中にいるような感覚が続く「解離」と呼ばれる症状や

 

不眠や動悸、めまいなどの

 

身体面の症状があらわれることがあります。

 

 

 

 

 

このPTSDで見られる症状を

 

ポリヴェーガル理論の視点から考えていきますが

 

さらに長くなりますので、今日はここまでとします。

 

では、明日。

右矢印PTSDについて考えてみる…ポリヴェーガル理論⑦

 


 

 

ご興味ある方はこちら。

 

 

 

 

 

ポリヴェーガル理論についてはこちらです。

8回シリーズです。長いですが、読み進めていただければより深く理解でき、生活する上での参考になると思います。

よろしければご覧くださいニコニコ

右矢印自律神経は交感、副交感の2種類だけじゃない…ポリヴェーガル理論①

右矢印進化の過程で自律神経が3階層に…ポリヴェーガル理論②

右矢印ストレスと自律神経の関わり…ポリヴェーガル理論③

右矢印ストレス反応からの回復過程を考える…ポリヴェーガル理論④

右矢印自律神経は自律する神経…ポリヴェーガル理論⑤

右矢印PTSDについて考えてみる…ポリヴェーガル理論⑦

右矢印生きているだけで、素晴らしいんです。…ポリヴェーガル理論⑧

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