本日はFPらしい話題を一つ。


相談者の中で厚生年金がよいか、国民年金がよいかで悩んでいるという相談があった。


その方は自営業者で個人事業主。


売り上げが増加してきたので、株式会社を立ち上げる予定だとのこと。


会社設立までに厚生年金に加入するか、国民年金のままでいくのか考えなければならない。


一度、決めると、その後の変更は会社を存続させている間はできなくなる。



厚生年金/健康保険にすることのメリットは


・老齢年金が増加する

・障害年金が増加する

・遺族年金が増加する


デメリットは


・自らの負担分と企業の負担分を二重で支払わなければならない。

・国民年金15,000円の支払が、厚生年金の累進の保険料率で増加する



国民年金/国民健康保険でいることのメリットは


・自己負担だけで済むので、支払いが少なくて済む



デメリットは


・老齢年金、障害年金、遺族年金の保障が厚生年金に比べて少ない。



その方が悩んでいたのは、


・住宅を購入したい

・老後の準備がしたい


この二つの欲求があったからだ。


住宅を購入するのを重視したいのであれば、働いて収入がある間は、支出が少なくてすむ国民年金のほうが良いことになる。

厚生年金の場合、支払った金額のもとを取り返せるのは、65歳で老齢年金をもらいはじめてから十数年年後からである。

直近の支出が少なくて済む国民年金のほうが住宅に回せるお金が増える。



一方、老後の準備を重視したいのであれば、老齢年金の受給額が生涯にわたって上昇する厚生年金のほうがお得である。


平均余命からみれば、厚生年金のほうが生涯収支はプラスである。


しかし、今後加速する、少子高齢化のために厚生年金は現在想定している金額分が受け取れないだろう、とその方は疑問視ししていた。


いろいろと悩んだ末、その方の決断は、厚生年金に加入する、ということであった。


理由は、「障害年金の増加」が決め手となった。


相談者には、近い親族に遺伝性の難病を発病し、障害年金を受給している方がいる。


そのため、自分も将来、難病を発病し障害年金を受け取る可能性があると。


障害年金をみると、厚生年金と国民年金では、受け取れる金額が雲泥の差である。


厚生年金の方が圧倒的に多いのだ。


そのことも鑑みて、厚生年金に加入することにした。


この例からもわかるとおり、個人にとって何が良いのかはケースバイケースである。


その人の家族状況や人生設計を具体的に数字化するライフプランを作成することで、本当に必要としているニーズや対策がわかってくる。


家計全体を数字化するライフプランの作成は、驚く程有効であると常に感じる。



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