現在の国際情勢は、選挙に基づく民主主義が拡大し続けている一方で、ウクライナ、タイ、エジプトなどに見られる民主主義の下での混乱が起きている。





一方、元祖、自由民主主義の日米欧においても、市民が選んだはずの代表に対する政治不信が強まっている。





拡大する格差社会、財政赤字問題、グローバル企業の暴走などである。





どれもマネーが原因となって引き起こされている問題である。




民主主義と人権の抱える問題点について、文明評論家の太田龍氏は「麻薬とユダヤの陰謀史」(成甲書房)で以下のように述べている。





【麻薬とユダヤの陰謀史から転載】




普遍的人間の権利(人権)と、自由平等友愛の道徳原則を掲げて全世界を制覇する勢いの近代西洋文明においては、いつの間にか、肝腎の人間が消えてなくなる!




ということを東博士(国立生理学研究所研究員)は詳しく、前出の著者の中で論述されています。




普遍的人権をかかげる社会体制の中で、人間が消える?





民主主義を掲げつつ、人民が消える?





この手品について、これまで実に多くの人々(日本というよりは、欧米を含む世界中の人々)があれこれと語ってきたのに、少なくとも今日までは、その魔術のネタが、完全に明るみに出されたことはなかった。





【転載終了】





私は拙著である「サヨナラ!操作されたお金と民主主義」で、この手品のからくりを通貨発行権、民主主義、人権の観点から説明した。



マネーの実体がぼやかされてきたために、人類は資本主義経済も民主主義政治も理解できないようにさせられてきたと思ったのである。







この問題の本質は、ヒューマニズム(人間本位制)を装ったマネー本位制にある。





通貨発行権を政府が持たなかったために、マネーの正しい情報(真理)が、国際銀行家に独占され、民主主義全体が操作される仕組みが出来上がってしまった。











この体制のややこしいところは、表向きは自由、平等、友愛のヒューマニズムに基づく人権を掲げ、選挙に基づく民主主義を実践しているところである。





以下のようにヒューマニズムと民主主義は深いつながりがある。





1.国民は生まれながらにして、自由で平等である、と定義する。(人間の尊厳というヒューマニズム) 


※この状態を一言で表すなら、「誰もが支配されない社会」ということ。





2.国民は自由で平等であるのだから、政治活動の自由を認め、一人一票の平等を認め、国民主権の友愛(同胞意識)を認め、市民が投票する政党を選ぶ基準として正しい情報の公開(真理)を認め、普通選挙によって権力の代表が選ばれる社会システムが正当化される(民主主義)







つまり、ヒューマニズムが先で、その実現のために選挙による民主主義が肯定されているということだ。






















市民は自己決定で権力の代表を選んでいる。




しかし自己決定を行う情報を、国際金融財閥が影響を与えるマスコミや学術機関が操作している。




そして、普通選挙制度(複数政党制、一人一票、国民主権、情報公開)が基盤となり与えられる自由、平等、友愛、真理の諸権利を、情報(真理)の操作によって、都合の良い方向に誘導してしまう。





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これが自由民主主義社会がマネーの管理者によって、マインドコントロールされる仕組みである。




マネー権力によるマインドコントロールが深化すれば、真理は無意識化されていき、悪しき相対主義の衆愚政治に陥る。




<参考リンク>現代民主主義への警告 相対主義が腐敗させた民主主義を批判し、「真理」を追求したソクラテス 





そしてヒューマニズムと民主主義の根本原理である「誰もが支配されない社会」を目指す、という目標をも無意識化させる。





そうなれば、選挙は多数決の問題になる。




目的(ヒューマニズムの実現)が意識化されていないなら、手段(選挙)が目的となる。








多数派になることが目的の民主主義では、多数派の横暴を肯定する衆愚政治に民主主義は堕落してしまう。目的の無意識化は、社会に拝金主義や権威主義、ミーイズムやカルトが氾濫する社会になる。





人間本位制をよそおうが、実体はマネー本位制であるから、何時の間にやら人権よりもマネーが上位になり、民主主義の目標よりもマネー権力の支配が優先される社会になるのである。





最近のTPPや新自由主義の暴走っぷりをみれば、人間は消え、マネーの管理者に支配される世の中になっている。





ヒューマニズムと民主主義を唱える自由民主主義が、人も国もマネーの奴隷になるのはこういう仕組みのためだ。





これが、太田龍氏の述べている「人権を掲げながら人間が消え、民主主義を掲げながら人民が消える」、という現象の本質であろう。



















マネー権力に操作される自由民主主義の悪循環を克服するにはどうすればよいのか?





民主主義以外の政体を選ぶか?





選挙に基づく民主主義を否定して生まれたのが、ファシズムとナチズムであり、ソ連型一党独裁社会主義であった。





その結果が無残なことになったのは言うまでもない。





国民が主権者になる権利の担保として、選挙に基づく民主主義を否定しては、


また来た道を巡るだけである。





この体制を克服するには、ヒューマニズムと民主主義の原理に立ち返ること。





そこから通貨発行権の問題だけでなく、様々な状況に対する民主的な答えが導き出されるはずである。







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