祖父が亡くなったため、遺産分割のため祖父の調査を行うことになった鈴木さん。
鈴木さんは直接の相続人ではありませんが、相続人である高齢の母のために手続きを手伝っていました。祖父の出生から死亡までの戸籍を取り寄せてみると、祖父が昔に「庶子出生の届出」というものをしていたことが判明しました。庶子出生の届出とは何のことなのでしょうか?
庶子とは、正妻でない女性が生んだ子、私生子を言います。今の言い方だと、婚姻していない男女の間に生まれた子は非嫡出子と言われます。
旧民法の規定では、正妻でない女性が生み、父が認知した子を指します。つまり、現在の言い方をすれば、認知された子ということになります。
冒頭の話では、「庶子出生の届出」をしていたことが戸籍に記載してあったことから、祖父には認知をした子が居るということです。
旧戸籍法では、父が私生子(=庶子)の出生の届出を行った場合は、自分が父だと認めたつまり認知の効力があるものとして、父の戸籍に『庶子の出生の届出をした』と記載されることになっていました。
その結果、父である祖父が庶子出生の届出をした場合、認知の届出がなくても、出生の届出をもって認知の効力が認められます。そのため、その庶子である人も祖父の相続人として、遺産分割協議に参加する必要が出てきます。
テーマ:相続
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