「世にも奇妙な物語」’23秋の特別編 | 肉球でポン!

「世にも奇妙な物語」’23秋の特別編

年2回楽しみにしているこのドラマ、昨夜録画しながら追っかけ再生で観ました。


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以下、簡単に感想を・・・。

(番組開始当初からのファンゆえに辛口感想なのでその点ご了承願います。)


※明確なネタバレは書いていませんが結末の雰囲気は書いていますので、これから観ようという方はスルーしてください。




■「永遠のふたり」


草彅剛・江口洋介主演。時を止めるボタンを巡るSF作品。オリジナル脚本。


久しぶりのSF、しかも少々古風な感じのするSFは自分好み。意外に恐ろしい結末も良かったです。

ただ草彅くんたちのシリアスな雰囲気に比べて江口洋介たち警官隊のどこか軽いノリはあまり好みじゃなかったです。決して軽いノリの作品じゃないので、もっと全体的に重厚な感じにしても良かった気がするのですがね…。


おまけ。

草彅くんがボタンを押す時に、トゥリー・トゥー・ワン・ゼロって言うかと思ったら言いませんでしたね…(←言うわけない!笑)




■「地獄で冤罪」


北村一輝主演。弁護士が死者から地獄の裁判の弁護を頼まれるというホラーサスペンス作品。オリジナル脚本。


じわじわと不思議な世界に迷い込み次第に追い込まれていく心理ホラーといった趣で見応えがありました。

衝撃の結末とまではいきませんが、意外な真相が明らかになる恐ろしい結末も良かったです。

最初からちょっと違和感を感じていたけど、なるほどこういう結末なら納得ですわ。




■「走馬灯のセトリは考えておいて」


西野七瀬主演。生前の情報をAIロボットに移し替え分身として遺せる近未来が舞台のヒューマンストーリー。原作は小説。


冒頭を観て、失礼ながら今話題のAIを題材にした安直で浅薄な作品かと思ったら全然違いました。

この分身ロボット(ライフキャスト)を製作するライフキャスターという職業に就いているのが主人公なのですが、単純にある人物のライフキャストを作る物語じゃなくて、往年のバーチャルアイドルのライフキャスト製作を依頼される物語になってるのが面白いところですね。


バーチャルアイドル、AI、亡くなった人の代わりとなるロボット、といった事柄に対して現実世界の延長線上のシミュレーションSFとでも言うべき丁寧に思考された作品になっていて見応えがありました。

50年後のこういう未来、実際にあり得そう!


セトリってなんぞやと思いました、セットリスト=曲順のリストなんですね。


「世にも」に感動系の作品は必要ないという立場ですが、この作品は感動系などという括りには入らない、近未来を丁寧に描いた非常にクオリティの高い作品で満足度は高かったです。




■「トランジスタ技術の圧縮」


溝端淳平主演。雑誌の圧縮対決を描いたコメディ作品。原作は小説。


観る前にタイトルだけ聞いた時はリアルなSF作品かと思いましたが、全然違いました。笑

理系・技術系の方ならご存知の専門誌「トランジスタ技術」。保管しやすくするために広告など不要な部分を切り離して本の厚さを減らす「圧縮」を競技として対決するというバカバカしい話です。(←もちろん良い意味で!)


バカバカしい話を大真面目にやる面白さがあって良かったです!

面白かったですが、「トランジスタ技術」という雑誌を知らない方が観ても同じように面白く感じるのかという気もしましたが、どうなんでしょうね〜笑




今回一番良かったのは「地獄で冤罪」です。作品のクオリティという意味では「走馬灯のセトリは考えておいて」が良かったのですが、やっぱり「世にも」の原点はホラーだと思うのでホラー作品を推したいですね。

残りの2作品も面白くて良かったです。


今回はSFとホラーが入っていたのもSF好きホラー好きとしては満足でした。

初期の頃の強烈でブラックな作品には及びませんが、ここ数回の中では一番レベルが高くて良かったと思います。冒頭にテンプレで「辛口感想」って入れていますが、今回は辛口の出番がなかったですわ。笑


次回もこのクオリティを保ってくれることを願いたいです。




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