今回のブログでは、学童保育とは直接関係のない、福祉と法の連携に関するおすすめの書籍を紹介します。
その本は、明石市役所のインハウスとしてご活躍の弁護士・社会福祉士の青木志帆先生による、
福祉と法の連携でひらく10のケース 相談支援の処「法」箋(現代書館)
この本は、主たるターゲットとしては、「断らない相談支援」という「無茶ぶり」の中、「生活相談」の中に紛れ込んでくる「法律相談」への対応に悩む、相談支援員等の地域福祉の現場の方々。「あきらめさせない債務整理」「万引きを繰り返す高齢者の「更生支援」」「おひとり様の死後事務」等、地域福祉の現場で生じがちで法との連携が必要な具体的なモデルケースを通じ、大きな視点で、法制度の解説や弁護士の仕事の内容を、非常に分かりやすく説明しています。
主たるターゲットは地域福祉の現場の方々とは思いますが、弁護士にも、「福祉職の方に我々の仕事を説明しやすくなる、仕事で出会うことのある福祉職の方々の視点を知ることができる」という点でおすすめです。
…ここまでの紹介を読まれた方は、確かにいい本そうだけど、法教育と何の関係があるの?まして、「そして、法教育と学童保育」って、と思われたかもしれません。
この本のケース10は「弁護士と連携するには」なのですが、このケース10の中に「地域づくりにも弁護士を-法教育」という節があります。
この節には、子どもに限らず法教育が必要として、「すべての人を包摂し、誰一人排除しない地域共生社会を実現するため、地域を対象とした法教育」というフレーズがあります。詳しい内容は是非、実際の本を読んでいただきたいのですが、私は、この本のこの節を読んだとき、僭越ながら
(私が法教育と学童保育について考えていること-直接、子どもにというより、支援員、運営者、保護者にむけて、学童保育が一人ひとりを尊重しつつみんなで過ごせる、一人ひとりと集団全体を豊かにする育成支援ができる学童保育であるためにはどうすべきかを考えるための、大人に向けた法教育研修をする-と通じるものがあるな)
と感じました。その感想を青木志帆先生にお伝えしたところ、青木先生から、青木先生のもともとの着想というより、私の日頃の学童保育関係者への法教育の必要性に関する発信に着想を得たところが大きいのが「ケース10」でした、という嬉しすぎる感想をいただきました。
青木先生からの嬉しすぎる感想を受けて、ソーシャルワークのグローバル定義や社会福祉士の倫理綱領を、読み返し。地域福祉と法教育について、また、地域福祉と法教育の種まきの一つとなりうる、法教育と学童保育について考えるようになりました。発達段階の異なる異年齢の子ども達による小さな社会である地域の中の学童保育が、どの子供たちも排除されずに共生できる場であるなら。学童保育がそういう場であるために、法教育が役に立てるなら。それは、法教育の視点が地域福祉に根付くための種まきにもなるな。
そんな大きな視点を感じることができました。このやり取りをブログで紹介することを快諾くださった青木先生に感謝を込めて。