名僧とは何か
「名僧とは何か」永遠なる救いを求めて歴史を動かした名僧現代に息吹く仏教のかたち・山岳信仰仏教と結びついて発達した山岳信仰も、日本人の旅にとって、重要な意味を持っていた。山は神霊の住む場所として、古来、神聖視され、仏教の僧侶にとっても修行の場と考えられてきた。山を舞台として展開したのが、天台宗や真言宗であり、その中に修験者たちも組み入られていた。修験者は、各地を遍歴して、修行にはげむと共に、民衆らに働きかけて信仰を集めた。近世の民衆は、この修験者に率いられて、山岳への登拝を試みたのである。江戸からは、大山や武州御嶽、出羽三山、日光など各地の山へ講を結成してでかけた。各地にこのような霊山があり、若者は山岳登拝をすますことで、一人前とみなされた。現在でも、津軽の岩木山のように、成人儀礼として、「お山がけ」を行う地方もある。旅の対象としいての山は、レジャーやレクリエーションの場であるが、信仰の対象としての意味も失われていない。日蓮の墓所である身延山と共に、その背後にそびえる七面山に登り、御来光を拝する。日本の象徴である富士山も信仰に深く結びついていた。修験の行場と知られる吉野や熊野、出羽三山は死者の赴く霊地であり、そこに登ることで死の世界を体験し、再び蘇生するのだと考えられている。仏教と結びついた山岳信仰は山を神聖視する見方を、日本人の生活の中に植えつけてきたと言えよう。旅は仏教の展開するなかで、日本人の生活の中に定着してきた。◎私は毎年、身延山久遠寺に参詣させて頂き御仏さまに見守られ生活させて頂いております。みなさんも一緒に参詣させて頂きませんか、お待ちしております。