『今を生きる』
喜びは苦難のはて
愛の紙飛行機
もし貴方が病気の時、あるいは商売に失敗して生活苦にあえいでいる時、ある朝玄関のすき間に一万円、二万円の紙幣がはさんであったとしたら。
考えるだけでも夢のような話ですが、事実、これは徳島市にあるお話なのです。
紙幣を挟んだ愛の紙飛行機が、今日も貧しい家の玄関に着陸します。
貧しさのために、学校に行けない子どもの家へ、また、家業がつぶれそうになっている家へと、時には二十万円も積んだジャンボ機も飛びます。
紙飛行機の主は、ある簿記学校の紙飛行機クラブです。
日本全体がまだ敗戦の貧しさにあえいでいた昭和二十一年、時の理事長は「水は高きより低きに流れて万物を潤す」をモットーに生徒たちに呼びかけて、紙飛行機クラブを結成しました。
彼等はアルバイトをしながら資金作りをしました。
そして貧し家庭を見つけてはその玄関に、紙飛行機をそっと飛ばします。
先輩から後輩へ脈々と受け継がれて三十四年、飛ばした数は既に四千便になりました。
今も三十人の会員は、アルバイトに汗を流しながら、また、卒業生からの募金を集めながら、愛の紙飛行機を飛ばし続けています。
何ともほのぼのした美しい話ではありませんか。人に施すことの尊きは誰も判っていて、なかなか実行できないものです。
それを彼等は三十四年間も続けて来たというのですから、これはもう驚きとさえ言えます。
しかも尊いことは、この愛の行為に対して彼等が決して報いを求めていないということです。報いを求めない行為、これは布施行と言って、これ程人間にとって素晴らしい行為はありません。
この若者たちは気づかないうちに、人間としての素晴らしい道を歩いているのです。
◎布施(財施)の行い容易なようで、なかなか難しいです。報いを求めないギブ&ギブの心を持ちたいです。
