今日は久しぶりに 洋菓子を
あきづき梨とお酒のベルモットを使った大人のデザート。
ベルモット ノイリー プラット ドライ
今回 使用した梨
この季節 美味しいフルーツといえば 梨ですね
たくさんの美しい梨が店頭に並んでいます。
和梨の美味しさも 多様化しており、 シャキシャキなものから洋梨のような食感まで。
最近 幻の梨という秀玉という梨を食べてみましたが
びっくりしたのは甘さよりも香。
私にはローズの香りに近く 花の芳香を感じる香水のような梨
これからも様々な品種改良が行われていくことでしょう。
日本ってほんとすごいですよね
今回の梨は あきづき
あきづきの名前の由来は収穫期の秋とみための月のような形から
きています。
新高と豊水の交配のもと、 幸水をかけあわせて作った
3品種のいいとこどり のもとに出来上がった
スーパーブレンド梨です
短い旬の今、楽しむべき品種ですね
まあるいお月様の形をイメージしてつくられたあきづき
次回洋梨のオーロラを使用したデザートも紹介します。
ラ フランス は洋梨の代名詞のようですが 品種の名前です
洋梨も12種類ほどあり 最近人気なのは ル レクチェですね
オーロラは 9月に収穫期を迎える 早生種です。
とろけるような柔らかさと上品な甘味があり果汁も多い品種となります。
今回のテーマは 「モンマルトルの丘」 フランス パリで一番高い場所にある丘
パリを一望できる絶景ポイントであり、 白亜のサクレール寺院も有名です。
私がモンマルトルの丘を初めて知ったのは 場所ではなく歌。 シャンソンです。
「モンマルトルの丘」というシャンソンがあまりにも美しく その時は日本語で聞いたのですが
みたこともない光景が心に残っていました。
歌詞の一部に 月を歌う箇所があります。
「とても青い月は 君の醒めたオパールの瞳を 優しくなでる
通りのお姫様 僕の傷ついた心に
ようこそいらっしゃい」 フランス語訳 朝倉ノニー (歌物語より抜粋)
日本語でモンマルトルの丘を歌う時は歌詞は違います
梨のデザートと9月の月を思い浮かべた時に なぜかモンマルトルの丘の歌をふと思い出しました。
秋という切ない季節。
美しい月
フランス語を学んだことがあるかたはご存知だと思いますが、フランス語には
文法的に 名詞に男性と女性が存在します。
太陽は男性 月は女性
デザートは男性ですが、その中でもアイスは女性 シャーベットは男性など。
マシュマロは女性 チョコレートは男性です。
フランスを語るにとても大切なことです。 覚えるしかないという名詞性別ではありますが
日本にはない感覚なので フランス料理を学ぶ方やフランス菓子では大切にするポイントですね。
実は ワインは男性名詞。 ですが、不思議
テレビで見ましたが、 フランス人が日本のワインとフランスのワインを飲み比べると
フランスのワインの味は女性的だそうですが 日本のワインはかなりの割合で男性的だそうです。
この味覚 感覚を理解することは難しいかもしれませんが
食を学ぶ上で 文化を学ばなければたどり着くことはできません。
でも、決して難しいものではなく
その国の文化を 愛するということなのです
音楽や絵画 芸術を見れば 心の感動がきっと教えてくれます。
梨は 女性名詞で poire ポワールです
しかし
日本や中国産の梨は男性名詞で nashi(s) (ナシ)です。
女性と男性に見えますね なんだか
今回は 寒天とゼラチンを両方使い、 食感を楽しんでもらいます。
そして、濃厚なベルモットの味を寒天が和らげます。
寒天に砂糖は入っていません。
デザートを作る時に 甘みや味が濃厚な時に
コントラストをつけることは大切です。
甘いから砂糖を減らす、味を薄くすると単調な味になりがちです。
パフェでも甘い層の次は甘味をなくして 酸味を持たせるなどのコントラストがあれば 最後まで美味しく食べることができます。
この寒天の効果は食べてみると分かります
寒天は先に作っておきます。
粉寒天 もしくは糸寒天4g に水500ml で。
寒天の中に ゼラチンで作った 梨のジュレを
かけます。
水を使わず ベルモットと梨のすり下ろしとその汁だけで
作ったので 大人の味です。
アルコールをしっかりと飛ばして作っていますが、
少しアルコールが残るかもしれないので、
夜の大人のカクテルデザートとして
板ゼラチンをふやかしています。板ゼラチンってなんだか綺麗です
板ゼラチン 5枚 8gほど
をベルモット300ml
グラニュー糖 80g 〜100g これでグラス5、6杯分ほど
ベルモットとグラニュー糖を沸騰させて アルコールをとばします。
アルコール分が気になる時は ベルモットを減らし、水を加え
グラニュー糖や梨の汁で甘味と濃度を増やしてください。
全て溶けたら 少し冷やします。
そこに梨を擦り下ろし、レモン汁大さじ1をかけた 梨4分1ほどを汁ごと
いれます。
寒天をサイコロに切ります。
グラスに寒天を入れて ベルモットと梨のシロップを注ぎます。
このまま冷蔵庫で冷やし固めます。
寒天はほどよく固めで。
ジュレは固まっても柔らかなくらいで仕上げます。
ジュレが硬いと感じる時は ゼラチンの量を調節してください。
アルコールを飛ばすときの状況で硬さは変わってきます。
モンマルトルの丘 という歌は、映画監督で文筆家でもあるジャン・ルノワールJean Renoirが自作の映画「フレンチ・カンカンFrench Cancan」(1955)のために作詞しジョルジュ・ヴァン・パリスGeorges van Parysが作曲した曲です。