今まで関節リウマチの患者さんを多数診てきましたが、痛みと炎症とが相関していると思われる場合と相関していないと思われる場合があります。
痛みと炎症とが相関していると思われる場合は、痛みが強い時には関節の熱感が強くなっており、皮膚温が上昇しています。
血液検査ではCRPなどが上昇しています。
相関していないと思われる場合は、痛みが強い場合でも関節の熱感はほとんどありません。
こういった場合には疼痛閾値が低下していることが考えられます。

現在関節リウマチの患者さんに対して疼痛閾値を上げる治療は頭鍼を中心に行っています。
また、関節リウマチ以外の疼痛性疾患でも、局所の炎症が増悪しているのか、疼痛閾値が低下しているのかを見極めて治療することは重要と考えています。
 

今まで鍼灸治療をしてきて、睡眠の改善の次に喜ばれたのは痛みの改善でした。
極端に言えば「治らなくても、痛みだけでも取ってもらうと嬉しい。」と言われたこともあります。
特にNSAIDsなどの消炎鎮痛剤で改善しない方の場合はより評価が高いです。
また、オピオイド(麻薬性鎮痛薬)など強い薬を処方されている場合は、鍼灸治療により減薬が出来るかどうか考える必要があると思います。
鍼灸による安全性の高い治療に切り替えられたり、薬の量を減らせたら、鍼灸を行う価値があると思います。

痛みが強い場合や痛みが慢性的になっている場合は、疼痛閾値が低下していることも考えられます。
頭部・手背などの治療点が疼痛閾値を上昇させるのに役立ちます。
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*五枢会治療セミナー
再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。
http://5su.muto-shinkyu.com/

アトピー性皮膚炎の治療は難しいというイメージがあります。
治療では、まず悪化させないことが基本です。
やってはいけない治療は局所治療です。
炎症を起こしている部位に鍼や灸をすると悪化します。
したがって局所治療だったらしない方が良いと言えます。

また灸を中心とした温補法も悪化させる原因となります。
アトピー性皮膚炎の局所以外の部位でも温補法は極力避けた方が良いです。
皮膚に痒みが出現し易くなり、掻くことで悪化する可能性があります。
これらの原因として、軸索反射・サイトカインなどが関与していると考えられます。

アトピー性皮膚炎と一言で言っても軽症~重症までかなり状態が異なります。
アトピー性皮膚炎の患者さんの悩みはステロイド軟膏で十分効果が出ないこととステロイド軟膏を中止するとひどいリバウンドが起こることではないでしょうか。

鍼灸でできることとして以下の3点を挙げます。
1.    痒みを軽減させる。
2.    炎症を軽減させる。
3.    皮膚のバリア機能を高める。

アトピー性皮膚炎に対する治療に興味のある先生はこのまま読み進めて下さい。
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五枢会難病重症セミナー
セミナータイトル   アトピー性皮膚炎の鍼灸治療
開催日時 
2022年5月29日(日) 9:00~12:00(12:30位まで延長する可能性あり)
アトピー性皮膚炎の痒み・炎症を軽減させ、ステロイド減量をしていく鍼灸治療です。
詳しくは下のホームページをご覧下さい。
https://muto-shinkyu.biz/lp/ader2022/

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今まで見て来た患者さんで、鍼灸治療を楽しみにしている理由の第1位は睡眠が改善することです。
不眠症まで行かなくても、「眠りが浅い。」「中途覚醒が多い。」などでもが改善すると喜ばれます。

浅眠の原因が、夜間頻尿・痛み・痒みでは、その症状の治療を行います。
元来不眠症でなければ、夜間頻尿・痛み・痒みの治療で良く眠れるようになるはずです。
夜間頻尿に対しては、中極・大赫など自宅施灸を行っていただいています。
痛みに対しては腰腿点・百会の刺鍼+その部位・原因に応じた治療を行っています。
この様な簡単なことでQOLが改善するなら行わない手はないと思います。

痒みに対する治療に興味のある先生はこのまま読み進めて下さい。
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五枢会難病重症セミナー
セミナータイトル   アトピー性皮膚炎の鍼灸治療
開催日時 
2022年5月29日(日) 9:00~12:00(12:30位まで延長する可能性あり)
アトピー性皮膚炎の痒み・炎症を軽減させ、ステロイド減量をしていく鍼灸治療です。
詳しくは下のホームページをご覧下さい。
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今このメールマガジンを読んでいる鍼灸師の先生は免許を取ってからどの位経っているでしょうか?
習い事などでも同じですが、最初は楽しくて仕方がない状態ですが、何年か続けていると新鮮味がなくなってきます。
自分の実力に限界を感じて来る場合もあると思います(私がそうでした)。

しかしそれでも続けていると、ある時から治療が楽しくて、楽しくて仕方がない状態になります。
良く「1万時間続けるとその領域に達する」と言いますが、確かにある事を続けて5~10年位でその状態になるようです。
毎日続けていれば、10年で誰でもなれるそうです。
その状態は、脳からエンドルフィン∔ド-パミンが出ているような感じです。
ですから、もしスランプになって鍼灸師をやめたくなっても、もう少し続けてみて下さい。
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*五枢会治療セミナー
再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
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一般的には患者さんが辛い・痛いという症状を治療すると思います。
しかし、患者さんが特に訴えていなくても治療する必要のある症状が幾つかあるのでお伝えします。

整形外科的には肩関節の内旋・股関節の屈曲拘縮・膝関節の屈曲拘縮・外反母趾・内反足・扁平足・側弯などが挙げられます。
これら骨格的歪みが改善されないまま鍼灸で筋緊張・血流などを改善しても、すぐに症状が戻ってしまいます。

整形外科疾患以外の症状では便秘・生理不順―瘀血証の原因となるので治療する必要があります。
風邪を引き易い・扁桃炎・中耳炎・副鼻腔炎になり易いなど―微生物の感染が契機となって病巣感染を引き起こす可能性があるので治療する必要があります。

患者さんの性格によって細かなことを訴える方もいれば、ほとんど細かいことを訴えない方もいらっしゃいます。
したがって問診表などを作って問題のある症状を洗い出す必要があります。
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再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
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日々臨床をしていると、時間に追われることも少なくありません。
患者さんの遅刻・勘違いなどにより治療時間が制限されると、どうしても「こなす治療」になりがちです。
できれば新たな発見をしたり、気づきがある治療をしたい。
そのような「進化する治療」を増やし、「こなす治療」を減らすにはどうしたら良いかについてお伝えします。

第1に治療中にできるだけ集中できる環境を作ることが大切です。
そのためには準備が重要だと思います。
治療するときのワゴンの中に使う鍼・艾などをそろえておく。
何かを探していると集中力が低下します。
前回のカルテを十分に読んでおく。
そのことにより、今回行う治療をあらかじめ予測しておくことができます。

第2にすぐに施術に入らず、患者さんの身体を診る時間を長くする。
いつもベット上だけで診ていた場合、座位になってもらったり、歩行してもらったりするだけでも見逃していた所見が浮き出てくる場合もあります。

第3に今までと違った治療穴を使う。
いつも同じ治療穴を使っていると安心ですが、時には別の治療穴で試してみるのも良いと思います。

「進化する治療」を行うには、鍼灸治療を一つの実験としてとらえ、検証していく精神が重要と思っております。
その精神を教えて下さったのが故・代田文彦先生です。
医師であり、漢方と鍼灸と現代医学の統合医療をさきがけて実践された先生でした。
「本に書いてあるからといって鵜呑みにせず、本当に効果があるのか1つ1つ検証していきなさい。」とよくおっしゃっていました。

また、「進化する治療」を行うには子供のような遊び心が必要だと思っております。
医師であり、鍼灸でも新しい治療法を確立された故・間中喜雄先生がそれを実践されていました。
治療を見学させていただいた時すでに70代でしたが、鍼灸治療を心から楽しむ好奇心旺盛な少年のようでした。
暦の年齢を重ねても、心は若々しくしていることの大切さを教えていただきました。
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*五枢会治療セミナー
2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
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「とりあえず置鍼をする」という治療法を取っている鍼灸師は結構多いのではないでしょうか。
置鍼をすると以下のようなメリットが考えられます。
1.    何となく治療した感じがする。
2.    時間稼ぎになる。
3.    強い刺激ではないので患者さんに受け入れてもらいやすい。
4.    補瀉を考えないで済む。
5.    刺鍼周囲の血管を拡張させ、血流を改善しやすい。

しかしデメリットもあります。
1.    血管を拡張させると悪化する病態(片頭痛など)には向いていない。
2.    副交感神経優位状態を改善しにくい。
3.    清熱作用を期待している時に清涼感を出しにくい。
4.    補瀉を考えず、何となく治療をしてしまう癖がつく。

以上の事より極端なデメリットは常に発生するわけではないのですが、何となく治療をするという「こなす治療」になりがちです。
置鍼法のメリット・デメリットを考え、置鍼法にあった病証・病態なのか確認して治療していくことが重要だと思います。

患者さんの中には1~2本しか鍼をしないと「ケチ、不親切」、多くの鍼をすると「気前が良い、親切」と評価する方がいらっしゃるようです。
また、鍼灸師の中にも多数の鍼をすることを売りにしている方もいらっしゃいます。

しかし、鍼の効果は相反する場合もあるので、多くの鍼をすればするほど効果を相殺する可能性が高まることが考えられます。
故・浅見鉄男先生が提唱された、「三焦経・胆経の要穴を副交感神経優位に使う」、故・安保先生・福田先生が提唱された「それ以外の正軽の要穴を交感神経優位に使う」という理論からすると、両者を組み合わせると効果が相殺されてしまう事になります。
同一経絡の近隣部位であれば、相乗効果が期待できますが・・・。
また、治療点が多いと効果がシャープに出にくいという事も考えられます。

私は1本1本の鍼の効果を確認しながら治療することをお勧めしています。
1本の鍼をする前とした後でどんな変化が出るのか確認するのです。
筋緊張の緩和・関節可動域の改善・脈の変化などが観察されます。
1本の鍼で大きな変化が出るのがわかると、とても100本鍼を打つことは出来ないでしょう。

ある主訴に対して鍼灸治療をしていてもなかなか改善していないとき、たまたま別の症状に対して治療を行っていたら主訴が改善することがあります。
この様なことは現代医学の薬物療法にも見られ、興味深いことです。
具体的には精神疾患に対するドグマチール(消化性潰瘍の薬)やパーキンソン病に対する抗てんかん剤などが挙げられます。

実際にあったケースを紹介します。
60代女性。
主訴は腸閉塞になり易いので何とかしたいというものでした。
腸が石灰化するという10万人に1人の珍しい疾患で、医師から「治療法はない。便秘にならないように下剤を使って対症療法を行います。腸の血流を良くすることが重要です」と説明されただけでした。
腸の血流を良くする目的で腹部の施灸・温灸を行っていましたが、ほとんど効果が見られませんでした。
ある時顎関節の痛みを訴えたのでその治療を行ったころから腸閉塞を起こさなくなりました。同じ頃から虫垂炎の手術痕周囲の頑固な硬結が消失しました。

治療に専門性を出すことは重要だとは思いますが、専門以外の治療を全く行っていないと、このような偶然の発見はできないでしょう。
主訴以外の症状に目を向けることで、その患者さんの体質傾向・問題点がクリアになることは少なくありません。

五枢会のセミナーでは、2020年からマイナートラブルの鍼灸治療を扱っています。
マイナートラブルとは、腰痛・五十肩といった強い痛みを呈したり、動作に制限を起こしたりするほどではないが、日常の生活で不便・苦痛を感じる症状です。
マイナートラブルの改善が主訴の改善にすべてつながるわけではありませんが、患者満足度は上昇すると思っております。