鍼灸治療をする上で重要な要素は何でしょうか?
質の高い治療をすることが最も重要なことは言うまでもありません。
しかしいくら質が高くても時間がかかると経営的には成り立たなくなってしまいます。
実際治療時間が長いために一日の患者数が少なく、経営が困難になって閉院したケースもあります。
それを解消するためには治療時間を短くするか、治療費を上げるかを選択することになります。
したがって時短治療が出来ることは治療院を経営していく上でメリットになると言えます。
前回のメールマガジンで取り上げたような症状が多い患者さんの場合や局所治療で改善しない場合に遠隔取穴で複数の症状を改善できる治療法はとても助けになります。
そして1つのポイントで10以上の症状を改善できる私のオリジナル「マルチポイント」は特に強い味方です。
詳細は以下のページをご覧下さい。
https://muto-shinkyu.biz/lp/2022multipoints/
症状が多く、しかも一つ一つの症状が結構重症な患者さん、通院していますか?
この様な患者さんの治療は一般的に大変だと思います。
治療時間が長くなる。
取穴が多くなる。
刺激量が多くなる。
3拍子揃ってしまいます。
そのような患者さんに対応できる方法を紹介します。
私が行っている方法は2つあります。
1つ目が遠隔取穴です。
1つの経穴で2~5症状を改善していきます。
実際に訴えている症状から逆算して複数の症状に効果的な経穴を治療穴とします。
この方法は内科疾患攻略コースで教えています。
2つ目は私が考案した「マルチポイント」を使う方法です。
1つの治療穴で10の症状を改善します。
1.顎関節の痛みと可動域制限
2.肩関節の痛みと可動域制限
3.手関節の痛みと可動域制限
4.母指の痛みと可動域制限
5.股関節の痛みと可動域制限
6.膝関節の痛みと可動域制限
7.足関節の痛みと可動域制限
8.母趾の痛みと可動域制限
9.緊張型頭痛
10.頚部~肩背部のこり
「そんなことあり得るの?」と思ったかもしれません。
直後効果を出すことができます。
具体的には刺鍼直後に可動域が改善します。
痛みが軽減することも多いです。
これは私だけが出来るのではありません。
セミナーに参加した先生は皆出来るようになっています。
興味がある先生は以下のページをご覧下さい。
学校で教わった診断法で実際の治療を行って好成績を上げられるのかについてお伝えします。
治療点の検出方法として圧痛・硬結を診ていく方法があります。
この方法は局所の反応を診るのに欠かせないものです。
しかし、局所に炎症が強い場合や病巣がはっきりしない場合には使うことが出来ません。
局所に炎症が強い場合は局所治療を行うと悪化する可能性があるため、あまり行いません。
むしろ診断点として圧痛・硬結を使っています。
他に脈診・舌診・腹診・背甲診・問診などもありますが、病巣の特定・治療穴の選定にはあまり向いていないと思います。
局所に炎症が強い場合や病巣がはっきりしない疾患に対して、私は筋肉 反射テスト(アプライドキネシオロジー)や望診・不触体表診(皮膚に触れずに体表から診断を行う)を行っています。
これらの方法により、病巣の特定・治療穴の選定を行っております。
結論として、学校で教わった診断法だけでは治療ポイントを導き出すことは難しいと思います。
体質傾向が分かっても、診断点を導くことが出来ない場合は治療が出来ないという事です。
鍼灸を常に臨床の対象として見ていると、だんだんマンネリ化していく場合があると思います。
もっと別の角度から見る事で、新鮮さや面白みが増して、やる気が高まるきっかけになると思います。
何かを始めて長年パッションを持ち続けるためには工夫が必要です。
その一つとして研究に興味を持つというものがあります。
学会に参加して刺激を受けると、鍼灸に対して新たな気持ちで取り組むことが出来るようになる人も多いと思います。
別の切り口として鍼灸をアートの面からとらえるという方法もあります。
大阪の森ノ宮医療学園の「はりきゅうミュージアム」はその要望に応えてくれるのに十分な施設です。
収蔵品としては、主に江戸時代の経穴人形、本、鍼灸の浮世絵、鍼灸の道具などがあります。
鍼灸の歴史を感じ取れ、新たな角度からとらえ直すことが出来ます。
予約をすれば無料で見ることが出来ますのでちょっとした旅行気分でいらっしゃったらいかがでしょうか。
https://www.morinomiya.ac.jp/schoolguide/museum
治療をするに当って、「これだけははずせない。」、「重要な要素である。」というポイントについて、五枢会のホームページ上に「ウェブミニセミナー」として掲載しています。
よろしかったら時間のある時に見て下さい。
内容としては
1治療セミナーの選び方
2.治療家として実力をつける方法
3.治療技術を身に着けるには
4.臨床をする上で大切なこと
5.なぜ鍼灸師によって治療効果が違うのか?
6.治療が出来るようになる人とならない人の違い
7.症状と病証の関連
8.局所治療と遠隔治療の違い
9.直後効果を出す
10.なぜ五枢会のセミナーでは病態把握・鑑別診断を重要視しているのか?
11.五枢会の治療法は表示法なのか本治法なのか?
12.鍼灸師自身が最も気をつける事
13.基礎の大切さ
これらをすべて見るというよりも、今特に興味のあるものから見ていただければと思います。
こちらのページからです。
https://5su.muto-shinkyu.com/category/2098481.html
五枢会のセミナーでは 整形外科疾患・内科疾患・難病重症など様々な疾患の治療法をお伝えしています。
その中で最も基本となるのが整形外科疾患と考えています。
その理由として整形外科疾患では筋肉の緊張・圧痛・硬結などの反応を診て、それをターゲットに治療することが有効な治療ですが、内科や難病・重症も同様の方法で効果を出すことが出来るということがあります。
具体的には、胃の不調がある時、胃の反射領域の圧痛・硬結(中脘穴あたりや脊柱起立筋)を取ることが挙げられます。
鍼灸により胃の反射領域の圧痛・硬結が消失するとともに症状も軽減していくことが認められます。
腹証の異常は腹直筋・腹斜筋などの圧痛・硬結となって表れている場合も結構あります。
これらの圧痛・硬結をターゲットに鍼灸を行うことで、内臓の調子を整えることが出来ます。
したがって体表の状況を把握する能力は診断点・治療点を導き出し、内科疾患の治療を観念的・机上の空論的治療から実践的・効果的治療へと変換させることが可能となります。
また、整形外科疾患は直後効果(痛みの軽減・可動域の改善など)を出しやすいため、新規の患者さんが治療効果を実感しやすいという事も挙げられます。
鍼灸院で良く遭遇する変形性膝関節症は有病率の高い疾患で、40歳以上の男性の42.6%,女性62.4%に見られます。
また、鍼灸治療の適応症とされていますが、意外とてこずることが多い様です。
一般的には膝蓋骨の周囲や内側が痛む事が多く、その痛みの部位に治療点を置いている場合が多いのではないでしょうか。
しかし、そのような局所治療ではさほど改善が見られないのが現状ではないかと思います。
私も以前は膝蓋骨周囲・大腿四頭筋・内側の関節裂激などに治療点を置いていましたが、改善しないので今はあまり行っておりません。
遠隔取穴で最初に行ったのが腰部(志室の外方)でかなり効果的です。
診断点として注目しているのが膝窩滑液包です。
膝窩滑液包の炎症は、軽微な段階でも出現しているため、この部位の改善を指標にして治療しています。
予後の推定として、膝の炎症・腫脹以外にアライメントの異常は重要と考えています。
具体的には内反変形・外反変形・屈曲拘縮です。
この様なアライメントの異常があると治療に時間がかかると考えています。
いわゆる「ギックリ腰」を起こして来院する患者さんの多くは筋肉が原因ですが、それ以外に「椎間関節型」や「椎間板ヘルニア」が含まれている場合もあります。
その時に筋肉だけをターゲットにしても、椎間板ヘルニアは治らず、そのまま慢性化することも考えられます。
椎間板ヘルニアが鍼灸で改善すると思っていない鍼灸師は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
椎間板ヘルニアは実は鍼灸で改善します。
その目安は3点あり、筋力・脊柱アライメント・患者さんの自覚症状の改善です。
特に脊柱アライメントの調整が最も重要です。
最近現代医学でも椎間板ヘルニアは保存療法で回復すると言っています。
白血球が脱出した椎間板を貪食することによるとされています。
ただし回復するものはすべてではないと思います。
椎間板ヘルニアに対して手術をするという選択肢もありますが、
術後も痛みやしびれが残 っているケースも報告されています。
鍼灸で椎間板ヘルニアが改善するのなら患者さんにとってありがたい話だと思います。
高齢者の増加に伴い、脊柱管狭窄症が増加しています。
2008年の和歌山県立医科大学整形外科のMRIを使った調査では、高齢者の約10%に脊柱管狭窄症がみられたとのことです。
脊柱管狭窄症では馬尾型と神経根型に分けられますが、鍼灸治療で改善するのは神経根型と考えられます。
私は脊柱管狭窄症に対し、脊柱アライメントを改善する治療を行っております。
改善し易いのは器質的変化が少ないものです。
逆に脊柱アライメントの異常が著しい、例えば強度のすべり症などは改善しにくいという印象があります。
また元来脊柱管が狭いタイプも改善が難しいと思います。
脊柱管狭窄 症は痛み・しびれ・間欠性跛行など進行すると著しくADLが障害される疾患です。
手術は医師の力量によって効果が左右されるので、実力のある医師に予約が集中しなかなか取れない状況です。
高額な手術を行ったからと言ってすべての症状が取り切れない場合もあるようです。
保存的に症状が改善すれば患者さんにとって大変価値のある治療と言えます。
鍼灸師にとって、患者さんが副作用の強い薬を続けるのか止めるのかは大きな課題です。
現在鍼灸治療中の関節リウマチ患者さんで、薬物治療を全くまたはほとんど受けていない方が3名いらっしゃいます。
そのうちの1名は最初薬を使っていたが、中止した状態で来院しました。
別の2名は薬を使っていたが、鍼灸で調子が良くなり、薬の副作用の方が気になって中止したとのことです。
その中の1人は間質性肺炎の診断も受けています。
関節リウマチの第1選択薬メトトレキサート(免疫抑制剤)の副作用に間質性肺炎が挙げられていることも中止の理由になっているとのことです。
また、免疫抑制剤の副作用として免疫力の低下が挙げられます。
したがって関節の炎症がおさまっている場合は減薬を検討する価値はあると思います。
そのためには患者さんの意志が不可欠です。
こちらでは患者さんの身体の状態をチェックし、様々な情報を提供します。
患者さんは血液検査・画像検査のデータを医師から教えてもらいます。
更に医師の協力も重要です。
医師の中には強力な薬を用いて炎症を抑えていこうとする考え方をする先生と、できるだけ薬を使わない方向で行こうとする先生がいらっしゃいます。
関節リウマチに関しては前者が圧倒的に多いと思います。
その中で減薬を相談できる医師を見つけることです。
そして最終決断をするのは患者さんです。
こちらから強要することはありません。
減薬については4つのポイントがあります。
①効果的鍼灸治療、②治療効果を増幅する、③患者教育―副作用の認識
④患者教育―医師への対応力
減薬は患者教育なしには出来ないという事を痛感しています。