高良神は、物部の祖神の饒速日命。

神秘書から、神話が解かれる。

★前回の記事

 

 

「高良玉垂宮神秘書」によると、高良神は住吉神であった。

 

 

他に同神としてこう記されている。

 

安曇磯良神とは

筑前国にては志賀大明神

常陸の国にては鹿島大明神

大和の国にては春日大明神

一躰分身 同体異名

(「高良玉垂宮神秘書」p17 解読、抜粋)

 

*志賀神

 

志賀神は、筑前の志賀海神社の神。

社家は安曇氏であり、神秘書に名がある。

 

高良大神の御記文にも、五姓を定ること、神部物部を秘せんが為なり(p16)

五姓とは

丹波氏、安曇氏、前田氏、草部氏、草賀部氏
(P78)

 

安曇氏の始祖は「新撰姓氏録」に、海神綿積豊玉彦神子穂高見命とある。

 

志賀海神社

 

記紀の「山幸彦」の海底の龍宮にいる綿津見神とは、この社の神のことを示す。

安曇磯良神と神功皇后の伝承があり、これが山幸彦、浦島説話、八大龍王などの伝承の元になっていた。

*八大龍王社の祭神が、綿津見神。

(ほかに八大龍王弁財天などもあるが、彼らに繋がる)

 

「神秘書」の神部物部の五姓とは、「浦島説話」で繋がる一族であった。(前田氏は未確認)

みな、元は物部なのだ。

 

*鹿島神、春日神も同神

 

鹿島神には「神秘書」と同じ記述がある。

 

鹿島明神はもとはタケミカヅチの神なり。 人面蛇身なり。常州鹿島の海底に居す。一睡十日する故に顔面に牡蠣を生ずること、磯のごとし。故に磯良と名付く。神功皇后、三韓に征し給う時に九尾六瞬の亀に乗りて、九州にきたる。勅によりて、梶取となる。また筑前の鹿の島の明神。和州の春日明神。この鹿島。同じく磯良の変化なり

袋中上人氏の「琉球神道記」引用

 

磯良とは、安曇磯良。

高良神のこと。

この話も、志賀海神社の伝承の神を意味していた。

 

 

*鹿島神、春日神である武甕槌神は、神話にも登場。

場面の人物が、武甕槌神でもあると示唆するもの。

 

 

*住吉神

 

高良神は、住吉神でもあった。

ゆえに、記紀の神功皇后の項に現れている。

仲哀天皇の崩御の際の、彼女も神がかりで。

三韓征伐の折りにも、助力した神である。

 

上記の「浦島説話」には、塩土老翁として登場。

住吉大社の奥宮の神であった。

尚、神武天皇の東遷の時も、現れている。

 

 

すべて同神であるから、神話で関わっていたことになる。

 

  物部の神*二柱の天照

 

高良神は物部の神。

祖神は饒速日命と御炊屋姫、二柱の天照。

 

 

「神秘書」には何度も物部の名が記されている。

上記の「神部物部」の他、

 

*高良神の姓として

底筒男尊は大政大臣物部保連。

表筒男尊が、玄孫(*)大臣物部大連。

(p15)(やしゃまごと書いて、ヒマコと表記)

 

*高良大菩薩(高良神)の記した文として

物部を背き、三所大神の御神秘を他姓が得しることあらば、当山滅亡たり。

物部を続かせずは、我左右へ寄ることなかれ。

(p151)

 

高良神が物部の神であったから、秘さねばならなかったのだ。

彼は隠された男神天照。

神秘書には「九州の宗廟が、大社から宇佐神宮へと移った」と表わされている。

女神天照は、宇佐の神でもあった。(次回)

 

彼らは物部の神。

高良神と神功皇后が、饒速日命と御炊屋姫。

 

 

神話と「神秘書」からも繋がる。

 

彼は住吉神であった。

社家の津守氏の始祖、天火明命は、丹後の籠神社の神。

「神秘書」の「神部物部の五氏」の丹波氏とは、地名に残り、籠神社の事となる。

 

丹後には「浦島説話」があり、高良神と同神の志賀神に繋がっていた。

 

散らばった一族が、神を祀り、その由緒として広めたのが「浦島説話」であった。

*なお、「天女の羽衣」もこれである。

 

 

*天照大神

 

「神秘書」にはこのような記述がある。

第一に大日玉の尊、日神の御ことなり。

天照大神にておわしますなり。

(p116)

 

藤大臣と申し奉るは、高良大菩薩の御こと、すなわち、月神の垂迹にて底筒男尊の御ことなり。

物部保連公なり。

また、日神垂迹表筒男御同躰なり、いづれも大祝家の元祖なり。(p168)

 

嫡男の表筒男尊は、日神であり、天照大神のことだという。

高良神は、三男の底筒男尊であり、月神なので神話の月読神になる。

 

日神垂迹表筒男御同躰とは、日神である表筒男神と同体だということ。

二柱は、同じ神だと記されている。

 

神話の「イザナギ神の禊」とは、現れた三貴神、住吉神は、同神と示唆するものであった。

 

 

スサノオも彼であり、伝承で饒速日命に繋がる。

 

高良大社の下社は祇園さんと呼称。

祇園神=スサノオ命=牛頭天王=ツヌガアラシト

 

=祭神の気比神宮

彼が追っていたヒメコソ社から

高良神=住吉神=饒速日命=ツヌガアラシト神

と繋がっている。

 

 

 

気比神宮、前述の籠神社(天真名井)は、誓約の際に記載されている。

関わる神の宮を示唆するものだった。

 

饒速日命=高良神=天照=スサノオ命=月読神=住吉神

 

 
ゆえに、住吉の元宮がある現人神社の地が、
「イザナギ神の禊の地」となる。

 

神話はこの地を舞台としていた。

 

  高良神楽

 

「神秘書」に高良神楽があり、岩戸神楽に繋がる。

 

高良神楽

異国征伐の時の次第なり、毎日怠らず

五人神楽男

住吉 高良 諏訪 熱田 三嶋 五人の神楽男の子をひうせり

皇宮 河上 宝満 かれこれ八人の女房をひうせり

(p126)

 

この「5人神楽男、八人八乙女」の記述は、天照が天の岩戸に籠った時、神楽をしたものにもあった。

 

神話の三韓征伐の「高良神(武内宿禰)と神功皇后」が神話の天岩戸の当事者だと示唆するものとなる。

 

住吉 高良 諏訪 熱田 三嶋

すべて、高良神=饒速日命を意味し、

 

皇宮 河上 宝満

とは、神功皇后を意味する。

 

彼女は、高良神の后なのだ。

 

 

( つづく )

 

 

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