ヒメコソ神は、鳥栖と小郡に二社ある。

二つの社の神は同じと示唆する伝承があった。

何時の時代までか、真実の神が伝わっていたのだ。

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★目次

☆1 二つのヒメコソ社

☆2 二社の神は同じ

☆3 悪神*筑紫神

☆4 その他*神を繋げるもの

 

  二つのヒメコソ社

(「儺の國の星」拾遺43、風子星(かぜこほし)より引用) 

肥前國風土記 基肄郡(きのこほり)姫社(ひめこそ)の条に曰く

 珂是古(かぜこ)、即ち、幡(はた)を捧げて祈祷みて云ひしく、「誠に吾が祀(まつり)を欲するならば、此の幡、風の順(まにま)に飛び往きて、吾を願(ほ)りする神の邊(へ)に堕ちよ」といひて、便即(やが)て幡を挙げて、風の順に放ち遣りき。/大地の異変の生むをしる唯一の手段が凧幡(たかはた)、即ち姫子(きし)であった。

 

この”たかはた”が、後に”たくはた”になったという。

 

筑紫には、「ヒメコソ神社」が二つある。

上記にある基肄郡(きのこほり)姫社(ひめこそ)とは、佐賀県鳥栖市姫方町。

「(鳥栖の)姫古曽神社」

 

 

もう一つの「ヒメコソ神社」に栲幡千千姫(たくはたちぢひめ)が祀られている。

上記のヒメコソ社に関わる”たくはた”とは、この神の名を云うのだろう。

福岡県の小郡市の媛社神社、別名を七夕神社。

 


七夕神社の方に、「儺の國の星」の肥前国風土記の一文が由緒版にある。

 

七夕神社にある由緒

 

姫社の地(今の鳥栖市姫方付近)に悪い神がいて、旅する人を多く殺していた。そこで土地の人が困って占ったところ、宗像の珂是古(かぜこ)と言うひとがいて、その人に神の社を祀らせると良いと出た。そこで珂是古は、幡を掲げ、その神がいるところへ落ちるように祈祷して幡を飛ばした。幡は風にしたがって飛んで行き、御原の姫社の社に落ちた(基肄郡姫社郷の条)

 

これかから幾つものことが分かる。

 

☆ 二社の神は同じ

☆ ヒメコソ神は、「旅する人を多く殺していた」伝承の神。

☆ その他、神に繋がる「幡」「宗像の珂是古」。

 

 

  二社の神は同じ

 

神話伝承の「譲る」「社から何かが飛んでくる」「一つのものを、幾つかに分ける」などは、同神を示唆するもの。

また、同じ話に登場する者(神)は、同神を示唆。

 

 

媛社(ひめこそ)神社

 

媛社神社の神は

栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのこみと)(織姫)
天火明命(磐舩神) 織姫の長男
高皇産霊尊(たかみむすびのみこと) 織姫の父

宗像神(むなかたのかみ)道主神 道の神様

 

姫古曽神社の神は

御祭神は、市杵島姫
     八幡大神、住吉大神、
     高良大神、菅原道真 

*さらに、原初の祭神は織女姫

 

両社祭神は伝承より、同神である。

二社の神は二柱に集約される。

 

媛社の天火明神は、磐舩神である饒速日命。

彼は高良神。

姫古曽に高良神の名があり、住吉神、八幡神とは同神。

 

姫古曽には、再び織女神を祀る時、市杵島姫命として祀ったとあるので、

媛社の栲幡千千姫命(棚織神)は、

姫古曽の市杵島姫命(織女神)。

 

 

市杵島姫命は、宗像神であり、御炊屋姫と同神。

彼女は、饒速日命の后である。

 

彼は高良神なので、彼女は神功皇后となる。

 

 


 

☆大三輪氏と宗形氏

 

市杵島姫命は宗像三神の一柱。

同じく宗像神の多紀理毘賣命(たきりびめ・田心姫)は、大国主神の妻とされる。

 

しかし、宗像三神は、一柱の神。

神話の「天照が一振りの剣を三つに追って、かみ砕いた息から生まれた神」とは、四柱が同神であることを示唆するもの。

 

女神天照=宗像神(一柱)=市杵島姫命。

彼女は、饒速日命の后の御炊屋姫。

大神神社の御炊社の神に繋がる。

 

社には必ず夫婦で祀られるので、大神神社の大物主神は饒速日命。

また、宗像神は一柱の神なので、その夫の大国主神は彼と同神となる。

(詳細、以下の記事)

 

よって、媛社の神は、饒速日命と御炊屋姫。

ここが七夕神社とされるのは、彼らが夫婦であるからだ。

親子関係では成り立たない。

 

 

 

 

 

 

栲幡千千姫命=織女神=市杵島姫命(宗像神)=御炊屋姫

饒速日命=大国主神=大物主神=大己貴命=高良神=住吉神

 

つまり、媛社に祀られる神は、大物主神と宗像神ともなる。

 

大神神社の大物主神を祀る大三輪氏と、宗像神を祀る宗形氏は、同族であった。

子孫が祖神を祀るので、名が変わっていてもこの組み合わせは夫婦だということになる。

 

 

高良神は、物部氏の祖神。

ゆえにもう一方の姫古曽神社には、高良神と同神の住吉神が祀られているということになる。

 

高良神(=武内宿禰)の后は、神功皇后。

宗像神は彼らなのであった。

 

ゆえに彼らを祀る香椎宮の神幸祭で一族の旗が上がる。

 

神話の四柱は同神とは、彼女が女神天照であることを示唆していた。

ゆえに、彼、饒速日命が男神天照。

 

 

  悪神*筑紫神

 

神の由緒を示唆するもの。

ヒメコソ神社の祭神は高良神と神功皇后に繋がった。

(饒速日命=大己貴神。御炊屋姫=宗像神)

 

筑紫にはその語源となる「命尽くし神」伝承がある。

これらの祭神は同じであり、神が勧請される時に神の由緒として伝承も移されたものになる。

 

 

 

以下の場所は同じ「冷水峠」を示す。

関わる者も同じ。

 

☆筑紫神社の筑紫神と玉依姫

☆荒穂神社の五十猛命と、香椎神=宝満神

(神が投げた石が高良大社の社殿にあるとの伝承。

 五十猛命=高良神)

 

☆ヒメコソ社のヒメコソ神(饒速日命と御炊屋姫)

(社に祀られる神は、その社の二柱を示す時と、一柱の時がある)

☆大根地神社の神功皇后、祭神のスサノオ命と大市姫。

☆筑前風土記の甕依姫。

 

ヒメコソ社の神は、高良神と神功皇后に繋がった。

ゆえに、「悪神*旅人を多く殺した」との話は、命尽くし神の話となる。

 

この命尽くし神。

その語源である筑紫神は、白日別であり、筑紫の国魂。

筑後国一之宮の高良大社の高良神のこと。

 

彼らは「高良玉垂宮神秘書」より、共に異類退治をしていた。

日本書紀の羽白熊鷲もそれになる。

 

彼は祇園神であり、大根地山にも祀られるスサノオ命。

八岐大蛇退治ももしかするとそれを示唆するものかもしれない。

 

平家物語によると、八岐大蛇は龍宮の龍神の子であるという。

龍宮の神は綿津見神=高良神であった。

すべて彼に繋がっていた。

 

 

筑紫神とは、退治した方の神のことであった。

ヒメコソ社の話も、祭神の彼らを示唆するものとなる。

 

また、荒穂神社は旧基肄郡。

姫古曽のあった地。

 

肥前国風土記のそれは、神を知っていたことになる。

また、筑前風土記にも記されていたので、いつかの時代までは「神の正体」を把握していたということだ。

 

  その他*神を繋げるもの

 

同じ話に登場する人、場所、物は、神の由緒を示唆するものがある。

 

宗像の珂是古とは、祭神が宗像神。

幡は、八幡神。

 

高良神=饒速日命、神功皇后は、宗像神であり、八幡神でもある。

 

 

 

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( つづく )

 

 

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