1日4日、待っていた書籍sが届きました。

睡眠障害クリニックからの連絡を心待ちにしていた私は、『ねむりひめの目覚めはいつ』という本をまず手に取りました。

 

 


この本は、中学3年生の時に睡眠障害を発症した娘さん(堀本さくらさん)と、彼女に寄り添い支え続けてきたお母さま(堀本公子さん)との15年間が描かれた、いわゆる闘病記です。

内容は三部構成になっていて、第1章と2章では公子さんによってさくらさんの中学受験から現在までの様子が、第3章ではさくらさんの手によって小学生時代から現在までの思いが、そして第4章では再び公子さんによって当時から現在に至る公子さんの「一社会人」としての活動が書かれています。


大まかなあらすじですが:

中学受験をして地元の公立小学校から桜蔭中学に進学されたさくらさんは、小学生の頃は自分から受験勉強に取り組む真面目でやる気に満ちたお嬢さんだったようです。

しかし中学生になり、6時に起床しての電車通学が始まると、朝起きづらく、夜は宿題や予習で寝るのが12時すぎとなり、明らかな睡眠不足のため日曜日は終日寝ている日もある、という生活へと変わりました。
入学当初から風邪や腹痛での欠席がありましたが、2年生になると原因不明のじんましんやアトピー性皮膚炎の悪化によって、徐々に欠席が増えていきます。
中学2年生の冬にはさらに起きづらくなくなり、1~2時間の遅刻が始まりました。
そして中学3年生になると、朝起床できないことによる欠席あるいは大幅な遅刻が増え始めます。
大学病院の睡眠障害専門外来で投薬などの治療を受けつつ、何とか桜蔭高校へと進学するものの、昼夜逆転生活はひどくなるばかりで、結局高校1年生の冬休みに自主退学してしまうのでした。

その後、さくらさん本人の意思で定時制ではなく全日制の公立高校を1年遅れで再受験し、合格。
しかしやはり朝起きられないことによる欠席が増えていき、結局卒業までに在籍限度ぎりぎりの6年もかかってしまいます。
卒業後は服飾系の専門学校に進学しますが、1年生で2回留年(正確には休学)し、2年生は1回で進級できましたが、3年生で再び留年が決定したところで物語は終わっています。



――この本を読んで一番に感じたことは、

「何もかも、うちの娘とそっくりではないの・・・😨💧」

ということでした。

睡眠障害のタイプも、中学入学直後からそれが生活上の支障となって顕在化したところも、状況(学校)が変わってもずるずる留年を続けていることも、アニメやコスプレ好きという点も(うちの場合はマンガ・アニメ・ゲーム・絵を描くこと、ですが)。

何より、さくらさんのくじけなさ(うちの娘も、こんな状況にありながら将来に一度も不安を抱いたことがないらしい・・・理解不能です⤵️)、登校や課題の提出は難しいけど遊びは朝からでも可能という都合の良さ、までもが一緒なことには、驚いてしまいました。
(ちなみに親同士も、ラストで公子さんが「娘がやめたいと言い出さない限りは、卒業するまでとことん応援するしかありません。娘が卒業したいと望んでいるかぎり―ー。」と決意しているところまで似ています😢)


公子さん視点の第1,2章では、公子さんがとても包容力のあるお母さまで、さくらさんをガミガミ怒っている描写がほぼ皆無なので(私と違って)、
「ずいぶん理解のいいお母さんだな。さくらさんは学校には行けないのに遊びやバイトには支障がなくて、ちょっと都合がいい気もするけど。もしかして親が甘やかしてるのが、やっぱり状況を悪くしてるのでは・・・」
などと感じてしまったりもしましたが、第3章で印象が変わりました。

さくらさん視点で読んで初めて、公子さんの苦労が手に取るように伝わってきたのです。
さくらさんの状況を理解し、受け入れ、寄り添い支えることで生まれた、さくらさんの公子さんに対する信頼感の強さ。
そんなお母さまの存在があったからこそ、さくらさんはくじけることなく真っすぐ前向きでいられたのではないでしょうか。

レビューを拝見すると「子どもを甘やかすとどうなるかが分かる本」という手厳しい批判もありましたが、果たしてそうでしょうか。
どんなに前向きに見えても、実際に一番つらい思いをしているのはさくらさん自身のはずです。
それでも投げ出すことなく頑張ってやり遂げようとしている姿勢は、それだけでも十分えらいなぁ・・・と私は感じました。
(私ならすべてから逃げ出して、家に籠もってしまいそう・・・⤵️)

第4章は、そんな私の思いをより強くする内容でした。
娘さんの睡眠障害と闘いながらの、公子さん自身のライフワークが描かれています。
訪問型一時保育を中心とした子育て支援団体を立ち上げ、41才で保育士資格を取得して保育園で勤務しておられるなんて、本当にすごすぎます。
私なんて、娘とそれを受け止める自分のことだけで精一杯だというのに、尊敬します。


ですが、ただ1つだけ、気になった点がありました。
それはこの本が、終始『睡眠障害が原因』という視点でのみ描かれているという点です。

よく読むと、さくらさんに関して
「中学1年生の1学期から勉強につまずき、宿題もすべてクリアできず」
という記述があります。
その後も、昼夜逆転なので学校に行けないだけではなく、
「課題が提出できない」
というくだりが、現在の専門学生になっても見受けられます。
実はこの点も、うちの娘とものすごくよく似てるのです…!!

初心者の私でさえ気が付いたのですから、ここを読んで下さっている方々はすでにお気付きではと思われます。

そうです。
もしかして、いえ、もしかしなくても、さくらさんの「睡眠障害」の裏にはアレ――つまり『ADHD』が隠れている可能性はないでしょうか?



その後この本を読み終わった私は、絶望的な気持ちで泣きたくなりました。

レビューに以下のような批判があります。
「学校に行くためには起床できないのに、遊びにいくためには起きられるなんて、そんな都合のいい病気は存在しません。ただの甘えです。」

・・・本当にその通りかもしれません。
私も、自分の娘を見ていてそう思います。
(娘の場合は学校で寝るだけで休みはしませんし、遊びに行く時もちょいちょい寝すごしをしているようですが)

本人は精一杯頑張っていると思いたい。
なのにどうしても甘えているようにしか見えなくて、ついイライラして怒ってしまう。
そんな積み重ねで、娘はますます萎縮し、自信を失っていくことでしょう。

そもそも娘がこうなったのは私が甘やかしてきたからで、もっとちゃんと厳しく接して「怒らせると怖い親」として存在する方が、娘のためになるのではないでしょうか。

もし本当に娘が『睡眠障害』や『ADHD』だとしても、結果が出せない娘に対して世間から向けられるのは、おそらく前述のレビューのような厳しい視線なのでしょうか。


本の中で何度も描かれていますが、堀本公子さん・さくらさん母娘は何とか治療を、と願い、市の教育相談などに相談したり、複数の内科や心療内科、大学病院の睡眠障害専門外来などを受診して、数種類の投薬を試しておられます。
でもいずれも良い結果は出ていません。

つい数日前、私は
「娘は『睡眠障害』なのかも!」
と気が付いて、
「治療すれば多少は良くなるはず。少なくとも今よりは絶対に✨️」
という期待で満ちあふれていました。
ですが結局治療で事態が大きく好転することはないかもしれないという現実を知って、今は絶望的な気持ちへと陥ってしまいました。



*この本が出版されて7年。公子さんとさくらさんがそれぞれの道を笑顔で歩んでおられることを願ってやみません。


*何人かの方が『睡眠障害』治療についてアドバイスを寄せて下さっていて、難しいという点も含めてとても参考になりました。本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございました!