損保ジャパン日本興亜美術館で「ユトリロとヴァラドン-母と子の物語」を観た! | とんとん・にっき

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損保ジャパン日本興亜美術館で「ユトリロとヴァラドン-母と子の物語」を観てきました。観に行ったのは5月6日のことでした。観に行く前に、展覧会の「案内記事」を書いて、招待券をいただきました。

損保ジャパン日本興亜美術館で「ユトリロとヴァラドン-母と子の物語」が開催されます!


展覧会の案内には「日本で絶大な人気を誇るユトリロ」とあります。損保ジャパン日本興亜美術館では、2002年に「モンマルトルの憂愁 ユトリロ展」、2010年に「モーリス・ユトリロ展 パリを愛した孤独な画家」が開催されています。僕は偶然にも、この両方の展覧会を観ていました。

損保ジャパン東郷青児美術館で「モーリス・ユトリロ展」を観た!


僕がヴァラドンのことを知ったのは、2002年の展覧会だったように思います。下に載せた「ユトリロとヴァラドン 略年譜」を観てもわかる通り、ヴァラドンは女性としてはまれにみる壮絶な人生だったことがわかります。今回の展覧会は、「ユトリロとヴァラドン-母と子の物語」です。子・ユトリロと母・ヴァラドンの、両方に光を当てていますが、どちらかというとユトリロよりもヴァラドンの方に多く光が当たっています。


ヴァラドンは、生来の美貌と人懐っこさで人気者になり、多くの画家のモデルになりました。初期のルノワール「ダンス3部作」のうち「ブージバルのダンス」と「都会のダンス」のモデルを務めています。その頃、ヴァラドンのおなかにはユトリロがいました。また、ロートレックの「二日酔い」のモデルもヴァラドンです。ユトリロを生んだヴァラドンは、子育ては母親に任せて、ますますモデルの仕事に集中します。


壁画の巨匠となっていた41歳年上のシャヴァンヌもヴァラドンの愛人の一人と言われています。1歳年上のロートレックとは一時期同棲していたという。恋多き女性でした。今日、ヴァラドンの通称となっている「スュザンヌ」は、旧約聖書外典にあるスザンナと老人たちの話にたとえて、ロートレックがあだ名としてつけたという。


そうした巨匠たちのそばにいて、ヴァラドンはモデルを務めながら、絵筆をとって自ら絵を描き始めました。幼いユトリロをモデルに描いてもいます。ヴァラドンのデッサンを見て、ドガは「これはちゃんと描けている。あなたはわれわれの仲間だ」と言ったという。以後、ドガに習ってますますデッサンの腕を上げたヴァラドンは、1895年には、国民美術協会のサロンに出品し、女性として始めた同会の会員になるまでになりました。


僕は、昨年の4月末にフランスへ8日間の旅へ行きました。6日目に「パリ市内観光」ということで、モンマルトルの丘に登り、パリ市内を見下ろし、サクレクール寺院を観ました。パリへはもう何度も行ってますが、モンマルトルの丘に登ったのは3回目でした。偶然にも、今回の展覧会でユトリロが数多く描いている「サン=ピエール教会」を観て、写真も数枚撮っていました。(その時の画像は、パソコンが壊れてすべてがなくなりましたが)

「フランス」へ8日間、行ってきました!


展覧会の構成は、以下の通りです。


第Ⅰ章 ヴァラドンとユトリロ、ふたりの芸術家の誕生

第Ⅱ章 ヴァラドンの再婚とユトリロの「白の時代」

第Ⅲ章 ヴァラドンの円熟期とユトリロの「色彩の時代」

第Ⅳ章 晩年のヴァラドンとユトリロ


第Ⅰ章 ヴァラドンとユトリロ、ふたりの芸術家の誕生




第Ⅱ章 ヴァラドンの再婚とユトリロの「白の時代」






第Ⅲ章 ヴァラドンの円熟期とユトリロの「色彩の時代」




第Ⅳ章 晩年のヴァラドンとユトリロ




ユトリロとヴァラドン 略年譜

1865年 ヴァラドン生まれる。‘69年、母とパリに移る。
1880~82年 ヴァラドン、サーカスの曲芸師となるが退団、画家のモデルとなる。
1883年 ユトリロ生まれる。ヴァラドン、この頃から絵を描きはじめる。
1896年 ヴァラドン、実業家ポール・ムジスと結婚。
1904年 ユトリロ、アルコール依存症の治療のため絵を描きはじめる。
1914年 ヴァラドン、ユトリロの友人で21歳年下のアンドレ・ユッテルと再婚。
1935年 ユトリロ、リュシー・ポーウェルと結婚。
1938年 ヴァラドン死去。
1955年 ユトリロ死去。


「ユトリロとヴァラドン―母と子の物語」

シュザンヌ・ヴァラドン生誕150年

パリの風景を詩情豊かに描いたモーリス・ユトリロ(1883年~1955年)と、ユトリロの母で画家のスュザンヌ・ヴァラドン(1865年~1938年)の展覧会です。油彩を中心に、日本初公開作品ならびに個人所蔵作品を含むユトリロの作品約40点とヴァラドンの作品約40点を展示し、日本で絶大な人気を誇るユトリロの作品を、そのルーツである母ヴァラドンとの関係を交えながらご紹介いたします。


「東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館」ホームページ

ut3 「ユトリロとヴァラドン―母と子の物語」

シュザンヌ・ヴァラドン生誕150年

展覧会図録

監修:古谷可由(ひろしま美術館学芸部長)

執筆:ジャン・ファブリス

    古谷可由

    小林晶子(東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館主任学芸員)

制作・発行:IS ART INC

    
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