損保ジャパン日本興亜美術館で「ノルマンディー展 近代風景画のはじまり」を観た! | とんとん・にっき

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損保ジャパン日本興亜美術館で「印象派のふるさと ノルマンディー展 近代風景画のはじまり」を観てきました。観に行ったのは9月19日のことです。


チラシを見ると、「印象派のふるさと」とあり、一つは「絵になる風景(ピクチャレスク)」をめぐる旅・イザベイ、クールベ、ブーダンからデュフィまで、もう一つはデュフィのふるさとをもっと知りたくありませんか?、とあります。まずはイザベイ、クールベ、ブーダン、デュフィ、これらビッグネームについて、「ジュニア版ブックレット」で調べてみました。


ウジェーヌ・イザベイ:1803年~1886年

フランスの風景画家。イギリスの風景画家の影響を受け、おもに海の風景を描きました。オンフルール、トゥルーヴィル、ディエップなど、ノルマンディーの海辺を訪れました。


ギュスターヴ・クールベ:1819年~1877年

自分が見たもの、自分が生きた時代を主題にした絵を描き、風景画でも優れた作品を残しました。ノルマンディーをしばしば訪れ、エトルタ、トゥルーヴィル、ドーヴィルなど、海辺の町に滞在し、波の動きに注目した風景画を描きました。


ウジェーヌ・ブーダン:1824年~1898年

オンフルールで生まれ、ル・アーヴルで育ちました。屋外で風景を目の前にして描くことを大切にし、この描き方が次の世代の画家に影響を与えました。


ラウル・デュフィ:1877年~1953年

ル・アーヴルに生まれ、ル・アーヴルの美術学校で学びました。海、競馬、音楽などを主題に、軽やかな線と明るく透き通った色に溢れた絵を描きました。ル・アーヴル、サン=タドレス、オンフルール、トゥルーヴィルなど、ノルマンディー各地の風景を描きました。


チラシには「19世紀前半、身近な自然の風景を描いた近代の風景画家たちは、いち早くノルマンディーの美しさに気づき、その景観を画面にとどめようとしました」とあります。それが上記の4人の画家たちでした。もちろん、ターナーもコローもモネも、そしてほかにもたくさんいましたが…。変わったところではヴァロットンもいました。ノルマンディーは、どこをとっても「絵になる風景」の宝庫です。ノルマンディーが、近代風景画の成立と発展に果たした役割は、確かに大きいことがよくわかります。


僕はフランス8日間の旅行で、4月25日にルーアンとオンフルールを訪れました。ルーアンでは、ジャンヌダルク広場や有名な時計台を見て、モネが描いたノートルダム寺院を訪れました。オンフルールでは、旧港を散策し、サント・カトリーヌ教会を訪れました。ブーダン美術館を訪れ、図録「Musee Eugene Boudin Honfleur」とモネの作品集「MONET La Normandie」を購入、残念ながら、展示室に入って作品を観る時間が取れませんでした。


「印象派のふるさと ノルマンディー展 近代風景画のはじまり」、ル・アーヴルの「アンドレ・マルロー美術館」の作品が主として展示されていましたが、オンフルールの「ウジェーヌ・ブーダン美術館」の作品も数多く出品されていました。


今回の目玉は、自然の光を屋外で描いたブーダンの「ル・アーヴル、ウール停泊地」と、海水浴場など新しい時代を描いた同じくブーダンの「トゥルーヴィルの海岸にて」でしょう。個人的には、ヨンキントの「サント=カトリーヌ教会前の市場」に注目しました。もちろん、サント=カトリーヌ教会とその周辺を見ているからです。


展覧会の構成は、以下の通りです。


第1章 ノルマンディーのイメージの創造:イギリスの画家たちが果たした役割

第2章 近代風景画の創造:ロマン主義から写実主義へ

第3章 海辺のレジャー

第4章 近代化の対する印象

第5章 ノルマンディーにおける写真

第6章 自立する色彩:ポスト印象主義からフォーヴィスムへ

第7章 ラウル・デュフィ:セーヌ河口に愛着を持ち続けた画家

第8章 オリヴィエ・メリエル、印象主義の足跡をたどる写真家



第1章 ノルマンディーのイメージの創造:イギリスの画家たちが果たした役割


第2章 近代風景画の創造:ロマン主義から写実主義へ




第3章 海辺のレジャー



第4章 近代化に対する印象




第5章 ノルマンディーにおける写真


第6章 自立する色彩:ポスト印象主義からフォーヴィスムへ



第7章 ラウル・デュフィ:セーヌ河口に愛着を持ち続けた画家


第8章 オリヴィエ・メリエル、印象主義の足跡をたどる写真家


「印象派のふるさと ノルマンディー展 近代風景画のはじまり」

フランス北西部に位置するノルマンディーは、海に面した風光明媚な地方として知られています。19世紀後半、鉄道の敷設にともない、パリ市民の憩いの場となったノルマンディーは、フランス有数のリゾート地として発展してきました。しかし、これに先立つ19世紀前半、身近な自然の風景を描いた近代の風景画家たちは、いち早くノルマンディーの美しさに気づき、その景観を画面にとどめようとしました。本展覧会はセーヌ河口に位置する港町ル・アーヴルのアンドレ・マルロー美術館の協力のもと、フランスを中心に国内外の美術館が所蔵する作品から、自然や歴史遺産といった「絵になる風景」の宝庫、ノルマンディーの魅力をとらえた油彩、素描、版画、写真など約80点を展示し、ノルマンディーが近代風景画の成立と発展に果たした役割を探ります。


「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」ホームページ


nor3 「印象派のふるさと ノルマンディー展

 近代風景画のはじまり」

ジュニア版ブックレット

執筆・編集:小林晶子

(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)
発行:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

発行日:2014年9月6日