損保ジャパン東郷青児美術館で「モーリス・ユトリロ展」を観た! | とんとん・にっき

損保ジャパン東郷青児美術館で「モーリス・ユトリロ展」を観た!


損保ジャパン東郷青児美術館で「モーリス・ユトリロ展 パリを愛した孤独な画家」を観てきました。なんとすべてが「個人コレクション」で、しかも90余点、全作品が日本初公開、だそうです。「ユトリロ展」はもう何度も開催していると思いますが、もちろん僕も何度か観ていますが、本棚を探したらその頃は「安田火災東郷青児美術館」と言ってましたが、名前は変わっても同じ「東郷青児美術館」で、2002年4月20日から6月9日まで開催していた図録が見つかりました。「油彩を中心とした80余点に及ぶ出展作品の半数以上が日本初公開作品」とありました。


今回の「ユトリロ展」の構成は、モーリス・ユトリロ(1883-1955)の生涯にわたる約50年の画業を、「モンマニーの時代(1904-1908)」、「白の時代(1910-1914)」、「色彩の時代(1922-1955)」と、単純に年代順にユトリロの作品を並べています。2002年の「安田火災展」では、それらの時代への移行期である「印象派風の時代」、「豊穣な緑の時代」、「克明なレアリスムの時代」が挟まれていました。


年代順に、ユトリロの作品が纏まって観ることができますが、正直言ってユトリロの作品は同じような作品が多く、やや食傷気味です。ただ「パリを愛した孤独な画家」の副題がある通り、今回は「モンマルトル界隈のモーリス・ユトリロ関連地図」が掲示されていて、ユトリロはパリのモンマルトルの丘の上にそびえ立つサクレ・クール寺院の周辺を数多く描いていることが、生まれも育ちもパリというユトリロらしいものです。なかでも「モン=スニ通り」4点、「ラパン・アジル」4点、「サン=ヴァンサン通り」8点、「サクレ・クール寺院」3点、そして「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」7点が目をひきます。つまり、それらがユトリロの主要なテーマとなっているわけです。


「モンマニーの時代(1904-1908)」 


「白の時代(1910-1914)」




「色彩の時代(1922-1955)」









「モーリス・ユトリロ展 パリを愛した孤独な画家」

モーリス・ユトリロ(1883~1955年)は、ルノワールら著名な画家のモデルをつとめ、自身も画家として活躍したスュザンヌ・ヴァラドン(1865~1938年)の私生児としてフランスのパリで生まれました。本展はアルコール依存症の治療のために絵画制作をはじめた「モンマニーの時代」から「白の時代」、「色彩の時代」まで、90余点でユトリロ絵画の画業の変遷を具体的にご紹介します。なお、本展の出品作品はすべて日本初公開の作品としてお楽しみいただきます。


「損保ジャパン東郷青児美術館」ホームページ


とんとん・にっき-yutori1 「モーリス・ユトリロ展」

図録

監修・執筆:ジャン・ファブリス

編集:損保ジャパン東郷青児美術館

新潟県立近代美術館

美術館「えき」KYOTO

豊橋市美術博物館

IS ART INC.
制作・発行: IS ART INC.