東京藝術大学大学美術館で「国宝興福寺仏頭展」を観た! | とんとん・にっき

東京藝術大学大学美術館で「国宝興福寺仏頭展」を観た!



東京藝術大学大学美術館で「国宝興福寺仏頭展」を観てきました。観に行ったのは9月20日、9月3日から10月14日までが前期展示なので、前期展示を観たことになります。なにしろ「仏塔大使」に、みうらじゅんといとうせいこうが就任し、「仏頭タイムス 」などで側面から応援しているようです。


「興福寺」とあるので、いつ奈良の興福寺へ行ったのか調べてみたら、1991年の8月に行ってました。「国宝館」で、興福寺の仏像を観た記憶があります。そのときに購入した表紙が阿修羅像の顔面がアップの「図録」があります。興福寺と言えばなにはともあれ「阿修羅像」、実は「阿修羅展」のときには白い絹地の図録購入しましたが、ブログにはこの図録の画像を使いました。阿修羅像は「乾漆八部衆立像」の一つに過ぎないのですが、それでも大人気で「国宝阿修羅展」は2度観に行きました。


今回の「興福寺仏頭展」、現存する東金堂をテーマに、東金堂ゆかりの名品が並んでいます。国宝「銅造仏頭」を含めて25点の国宝が出品され、そして木彫彫刻の粋、2組の国宝「十二神将像」が一箇所で観られるという贅沢さです。やや照明を落とした美術館の展示室に、これだけの「十二神将像」が立ち並ぶのは、神聖な、しかも一種異様な景観です。目玉はもちろん「銅造仏頭」です。思っていた以上に大きい、しかもきれいなお顔ですが、よく観ると火災により歪んでいるのが分かります。現東金堂本尊台座の中にあったのが発見されたのだという。興福寺の「図録」には、以下のようにあります。


天武14年(685)天皇が蘇我倉山田石川麻呂のために発願された山田寺講堂本尊の頭部。鎌倉再興時文治3年(1187)に東金堂(とうこんどう)本尊として迎えられ、応永18年(1411)に堂と共に被災した。幸い残った頭部が応永22年(1415)に再興された現東金堂本尊台座の中に納められ、昭和12年に発見された。造立年代が明らかであるところから、白鳳時代の基準作として高く評価される。蠟型原型から鋳造され、鍍金がほどこされる。


展示室に入って先ず正面には「厨子入り弥勒菩薩半跏像」があります。展示の関係でしょう、「厨子」と「弥勒菩薩半跏像」は別々に展示してありました。これについては全く予備知識がなく、これほど精巧に造られていることに、観て驚きました。興福寺「図録」には、以下のようにあります。


弥勒菩薩は兜率天(とそつてん)で修行し、56億7千万年後に、この世にあらわれて如来になり、私たちを救って下さるといわれる。もと興福寺大乗院持仏堂に安置されていた。後屏(ごへい)形の身光、その上に頭光の光背、蓮華座に右足を踏み下げる半跏像。左手は膝上で掌をうえに中指・薬指を軽く曲げ、右手は曲げ掌を前に五指を開く。厨子は春日厨子(かすがずし)風、檜材の寄木造、黒漆塗り、各面とも両開きの扉。内面は黒漆地のうえに厚手の彩色を施した祖師(そし)像などを彩画する。散華(さんげ)を彩画した天井から飛天をつるす。像底板の中央に丸く穴を開け、摺仏が多数納められている。


そして圧巻は、“板彫”と“木造”の「十二神将」です。「阿修羅展」のときは「八部衆」でしたが、一つ一つ観ると、それぞれ異なった表情で、その性格までもが浮き彫りになります。今回の「十二神将」も、一つ一つ丹念に観て回りました。「板彫十二神将立像」は、薬師如来の守護神で、東金堂本尊薬師如来像の台座周囲に貼り付けられていたものです。一枚の檜板を浮き彫りする(ただし因達羅大将像のみ二枚)。正面を向く像一軀、右を向く像五軀、左を向く像六軀で、十二面がほぼ関係で伝わる。迷企羅大将が短い衣をつけ裸足で立つ以外は、いずれも武装しています。「木造十二神将立像」は、本尊薬師如来の守護神で、左右に各六軀、計十二軀が安置されます。守護神ですからいずれも武装しています。岩座に立ち、伐折羅大将像が草履を履く以外は沓を履いています。


展覧会の構成は、以下の通りです。


第1章 法相宗の教えと興福寺の絵画・書跡

第2章 国宝板彫十二神将像の魅力

第3章 国宝銅造仏頭と国宝十二神将立像

第4章 特別陳列深大寺釈迦如来倚像



第1章 法相宗の教えと興福寺の絵画・書跡





第2章 国宝板彫十二神将像の魅力


平安時代・11世紀





第3章 国宝銅造仏頭と国宝十二神将立像



鎌倉時代・13世紀





第4章 特別陳列深大寺釈迦如来倚像



「興福寺創建1300年記念 国宝興福寺仏頭展」

奈良・興福寺の創建1300年を記念して「国宝 興福寺仏頭展」を開催します。展覧会では現存する東金堂をテーマとし、同寺の代表的な名宝である国宝「銅造仏頭」(白鳳時代)をはじめ、東金堂ゆかりの名品を展示します。「仏頭」の守護神として造られた国宝「木造十二神将立像」(鎌倉時代)、浮彫の最高傑作として有名な国宝「板彫十二神将像」(平安時代)の各12点、計24点が初めてそろって登場するほか、法相宗に関わる至宝も展示。「仏頭」と同じ白鳳仏として、東京・調布の深大寺所蔵の重要文化財「銅造釈迦如来倚像」も特別陳列され、国宝25点、重要文化財31点など約70点の至宝が集う豪華な展示となります。ヴァーチャル・リアリティー(VR)技術を使って、仏頭頭部の復元に挑むとともに、同寺で進む中金堂再建事業についても紹介します。


「東京藝術大学大学美術館」ホームページ

「法相宗大本山 興福寺」ホームページ

とんとん・にっき-asyu1 「興福寺」
発行:法相宗大本山興福寺














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