「国宝・阿修羅展」へ再び行ってきました! | とんとん・にっき

「国宝・阿修羅展」へ再び行ってきました!

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金曜日の開館時間は午後8時までというので、「まあ、何とかなるだろう」とたかをくくって、東京国立博物館へと向かいました。チケット売り場の周辺は添えほど混んでいません。これは計画通りと、ほくそ笑みました。実は4月の始めに観に行ったときも、夜間開館で行って、比較的ゆっくりと観られたので、夜行けば大丈夫だろうと思ったわけです。


その日の朝刊には、「国宝・阿修羅展」の入場者が50万人を突破したという記事が!99年の平成館開館以来、50万人を超えた特別展は「阿修羅展」を含めて4つあるが、会期40日目での50万人達成は「エジプト展」を抜く最速記録だそうです。そして関連書籍の発刊が相次ぎ、「仏像ブーム」が広がっている、という記事も!3月の開幕直後から、奈良・興福寺の阿修羅像を表紙にした雑誌や書籍が続々と出版され、大学やカルチャーセンターの口座が一般向けに開かれ、テレビのワイドショーも「社会現象」として取り上げています。4月発売の「BRUTUS」は異例の11万部に迫る勢いだそうです。


さすがは50万人突破の「阿修羅展」、館内に入ると人、人、人の波。第一会場の入ってすぐの小物を展示しているところなど、ウィンドウには大変な人が群がっていました。目玉の阿修羅が展示してあるところは、まず最初、一度目に観たときは何とか列も動いて、近くで見られたのですが、会場をぐるりと一周して再度観ようとしたところ、まあ、閉館時間が迫っていたこともありましたが、通勤電車のラッシュアワー並、ぎっしりと人出埋まってほとんど動きません。これは将棋倒しにでもなったら大惨事だと、阿修羅を遠目にさっと観て、早々に引き上げました。


今回、ちゃんと観たもの、まず法隆寺からの特別出品「阿弥陀三尊像」、それと興福寺の「華原馨」、この二つは素晴らしい細工で、しかも美しい。英語では単に「Gong」と書いてあったので笑っちゃいましたが。さて、目玉の「阿修羅像」、何度観ても見事というほかない。テレビでもいろいろな解説がなされていましたが、どうも人によって少しずつ異なります。そんなこともあって「再び」観に行ってきたわけですが。顔の三面をじっくりと観てきました。全体のプロポーションも観てきました。やはり人のようでいて人でないのかもしれません。


実は今回ちゃんと観たのは、「八部衆像」と「十大弟子像」の方でした。とりわけ「顔」をじっくりと見てきました。そこでそれぞれ二つずつ、選んでみました。「八部衆像」では「沙羯羅立像」と「迦楼羅立像」、「十大弟子像」では「迦栴延立像」と「富楼那立像」です。「沙羯羅」は頭の町歩で蛇が頭をもたげていますが、顔つきは子供みたいです。「迦楼羅」は顔が採り、鶏冠や嘴を持っています。「迦栴延」は額や目尻に深いしわを刻んでいます。これほど悲しそうな顔は観たことがありません。「富楼那」は眉を寄せて額や目尻にしわがありますが、なぜか穏やかな顔をしています。


もう一つ、「脱活乾漆造」について、木で心棒を作った後、膣で造形します。土が乾いた後に漆を使って麻布を5枚程度貼り重ね、中の土を取り除きます。中は空洞になります。さらに表面を、漆に木の粉を混ぜ合わせた木屎漆(こくそうるし)を塗って整形し、その表面に下地をつけて彩色する技法のことです。柔らかな造形ができるのが特徴、また張りぼてなので軽く、持ち運びが簡単にできます。胸から下が失われほぼ頭部のみが残る「五部浄像」、内部が空洞なので「脱活乾漆造」の構造がよく分かりました。断面が見える「右腕残欠」もあり、また「脱活乾漆造」の詳細な解説がありました。


前回、実は「図録」を購入しなかったので、ブログの画像は以前興福寺へ行ったときに購入した「興福寺」という小冊子から採りました。今回思い直して「図録」を購入しました。なんとこれが「切れ地貼り」の表紙で、写真もきれい、「興福寺創建1300年記念」にふさわしい、なかなか豪華なものでした。

国宝・阿修羅立像

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国宝・八部衆像



国宝・十大弟子像



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興福寺創建1300年記念

「国宝・阿修羅展」

図録

2009年3月31日発行










東京国立博物館平成館


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