堀紘一さんの出版記念講演会に行ってきました。
八重洲ブックセンター本店8階ホールにて
「世界連鎖恐慌の犯人」の出版記念講演会です。
堀紘一さんの本は昔から好きで、会場に「人と違うことをやれ」が
文庫化されたものが置いてあって懐かしいなあと思いました。
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この本で金融資本主義の実態がわかる!
お金はお金を生まない
現在の世界金融危機の犯人はインベストメントバンクやヘッジファンド達だ。
どうなって行くのだろうか?
分かりやく本を書くことって大切だということと、そして、
出版記念講演会として必要な要素をちゃんと押さえ
講演家として上手い人だなあと思いました。
講演全体の内容についても、生き方についての考え方についても
バランス感覚が素晴らしいです。
そしてかつ熱いものを持っている人です。志がなければ、本書の
ような危険な本を書く必要はないからです。
冒頭でまず、「本に書けなかった話をするので、どうか皆さん、
この会でのことは、口外しないでください」と始まります。
これで、聞いている人の心をぐっと掴んでしまうんですね。
書けなさそうな個人的な話や政治的な話は、少し抜いて
大丈夫そうな話のエッセンスの部分だけご報告させてもらいます。
それでも充分価値がある報告ができる気がしています。
本書の薦めとして下記のように説明していました。
・類書は、マクロエコノミストや経済学者が書いている。
→ビジネスでやって直接体験したことを書いている。
・類書は、難しい言葉が多く使われている。
→なるべく簡単に書く努力をしている。
このうち、上段の直接体験という部分で言えば、ホリエモンさん
や村上ファンドと、マスコミでやりあった際に悪者にされた話に
ついて、相当のやりきれない思いを持っていたようです。
積年の恨みを開放させた本、、、
もちろん、堀さんのコンサルタント・著述家としての技量的な
部分はもちろん、義憤とかでなく、実体験を通じた堀さんの感情的な
部分も書いていく動機になっているというのは大きいと思います。
伝わってくるものがあります、、、
■今日の名言メモ
・真理に奇想天外はない。
・経済は弱いものいじめ。
まずいラーメン屋はつぶれ、美味いラーメン屋が残る。
だから、政府は弱者救済をする役割を担う必要がある。
必要なのは、両者のバランス。
・19世紀はヨーロッパの世紀
20世紀はアメリカの世紀
21世紀はアジアの世紀
・産業資本主義の中でのアメリカの世紀は本来1980年頃
終わっていたはずだったが、そこから2枚のカードを切った。
(1)切り札:陸軍で開発したインターネット。開発者利益。
使えば使うほどMS/インテルを通じて米が潤う仕組み。
(2)マジック:金融工学
・20世紀は学歴社会だった。21世紀は「学習歴社会」
・読んですぐに役立たない本の方が後に残る。
・人生をもっと長い時間軸で考えよう。
30代のときは、60代のことをを考えていた。
30代・40代は投資の時代。50代でとんとん、60代で
レバレッジが利けば良いと思っていた。
ボスコンのトップになって、そのバランスが崩れたので、
55歳でドリームインキュベータを一から立ち上げたとのこと。
・ソニーの出井さんの多読法
(1)書店に行ったら本を10冊以上大量に一括購入。
(2)家の机の上に積み上げる。
(3)奥さんからのプレッシャーと投資の元を取らなければ
という思いに押されて読む。
・ゴールドマンサックスはユダヤの名前の典型
ベストセラー「大恐慌」のジョン・ガルブレイスも、その「大恐慌」
の中の一章で「ゴールドマンサックス登場」と一章を割いて、
ゴールドマンサックスの所業について語っていますが、
堀さんもインベストメントバンクのグローバル化に伴い、
キリスト教的倫理観が欠如していったことが問題だと指摘していました。
講演後の質問でも、執筆を予定されている「経営の真髄」については、
是非産業資本主義を広めよう的なことを書いてくださいとリクエスト
されていました。
・金融資本主義は、一夜で1億稼いだり出来るが、
産業資本主義は、一夜では築けない。だから強い。
(参考図書)
「人と違うことをやれ」堀紘一★★★★☆
10年前発刊のベストセラーに、最近の状況に合せて、校正を
行って名著が復活とのこと。セルフブランディングの要諦が
まとまっている良著です。
「大恐慌1929」ジョン・ガルブレイス ★★★★★
不景気時に必ず売れる不朽のベストセラーの復刻版です。
アマゾンのレビュー評価も高いです。
一度は目を通しておきたいですね。
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ニュースに踊らされる投資家たちは、80年前も同じですね。
歴史だけでなく経験で行動を決める危険さ
現在の不況との共通点,相違点がよくわかる
時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書
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