⑥ 葡萄樹の摘葉、摘房
⑥ 葡萄樹の摘葉、摘房
開花はやがて結実へと向かいます。受粉した花(雌雄同体で自果受粉します。)は、緑色の小さな果粒となります。メルローの場合、実が最も熟すのは、結実から大凡110日後で、カベルネソーヴィニオンは開花から100日目と言われています。
ちなみに開花はメルローの方が早く、収穫もメルローの方が早いようです。
シャトーでは、太陽の光が通り、ぶどうが最大限の日照を得られるように、摘葉を行います。
摘葉の手法としての例として次の様な方も。
摘葉は葉のカットであり、木の生長を助けるためには高いカットを行い、実に栄養をいき渡らせたい時は低いカットを行います。この高さが4㎝違えば結果が異なるほどで単純ではないようです。
基本的に雨が多い時は短めのカットにより葉量を多くし、熱い時は長めのカットをして葉で葡萄を守ります。
伸びた葡萄樹の高さを調整するためのカットも、葉の1枚1枚を取り除くのも摘葉です。畑のカットを見ればそのシャトーの品質が判るとまでいわれる程です。
また、葡萄の糖分やその他の養分を集積させ、ぶどうの品質を高めるための葡萄の摘房(果房が多すぎる場合、グリーンハーヴェスト(ヴァンダンジュ・ヴェルト~vendangeverte~まだ熟していない青いままの果房の摘み取り)により、葡萄果房の間引きを行います。摘房は、「緑の収穫」とも呼ばれます。
間引きに関しては、時期により、蕾や花を間引く「摘蕾~てきらい・「摘花~てきか」)、若い実を摘む「摘果~てきか」が有る様です。注 摘蕾、摘花を含めて摘花と表現する場合有。
早い時期に間引きした方が養分を効率よく使わせることができますが、まだ小さい実が自然に落ちてしまう生理落下、収穫前落下もあるようで、花ぶるい、花流れと呼ばれます。これらを防ぐためにも摘葉により、日当たりの十分な葉の確保、摘花、摘果によって実を付け過ぎないことが求められるようです。
摘葉は、通常2回に分けて行います。1回目の摘葉は夏の前に行い、主として朝日の方角の葉を取り除き、房周りの風通しを良くします。その後、天候条件、葡萄の成熟度、光合成の度合いを考慮し、葉の分量などを観察し、補完的な2回目の摘葉が必要な場合は、収穫の約1ヶ月前に行います。この際は、日が沈む方向の葉も取り除きます。
摘 粒
雹害で乾燥した葡萄粒や、腐敗した粒をはさみ使って出来る限り除去します。
いずれにせよ、葡萄の成熟を得るためには日光が重要であり、葡萄が日影とならない様裏も表も十分にお日様とお友達になる事が求められています。
※ ブラーヌ・カントナロツクの総責任者カドヴィル氏は、葡萄畑の間引きも摘果もしない。間引きをすると翌年反動が来て多くの房を付けようとする。1度間引きを行うと半永久的に間引きが必要となってしまう。間引きには多くの人手も必要とする。葡萄の品質リスクはあるものの、芽欠きで多めの芽を除き収量制限を行っている。と述べており、この様なシャトーもあると言う事です。
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