月曜から土曜にNHKで放送されている朝ドラでは、現在は高畑充希が主演の「とと姉ちゃん」が放映されています。4月にスタートしてから視聴率が常時20%を超えており、10%に満たないドラマが少なくない民放に比べると、高い視聴率を誇っています。

 

現在放映されている「とと姉ちゃん」もそうですが、朝ドラでは戦前戦後を舞台にした設定のものが多くなっています。

 

NHKでは、ドラマ内の様々な設定にリアリティを持たせる努力をしているようで、例えばドラマの中で将棋をする場面では、実際の棋譜を参考にしていたようです。また、ヒロイン家族が住みこんでいる料理屋でのシーンが多く出てくるのですが、出演者は事前に家で魚を捌く練習をするなどの努力をしていたようです。

 

そのような細かい所に神経を使っているのですが、戦争に関することになると変な思想が出てきてしまうようです。産経新聞の記事でも、朝ドラによって多くの日本人の戦争のイメージが作られていると、以下のような指摘をしていました。

 

「朝ドラ」歴史観からの脱却を…戦争がなおトラウマになっている日本人

 

ドラマでは支那事変(日中戦争)が始まった後に戦争が泥沼化していき、日本国内にも深刻な影響が出て、主人公たちの家族の生活にも暗い影を落とす様子が描かれていました。

 

支那事変は昭和127月に始まり、昭和20年まで続いていました。昭和1212月に当時の首都であった南京を陥落し、昭和13年中頃になると戦況は落ち着いていきました。

 

昭和15年に予定されていた東京オリンピックが控えており、昭和13年には欧州からサッカーやラグビーのチームが来日して親善試合が行われていました。また、米国からは女子ソフトボールチームが来日して何試合か行い、来日した選手は「日本が戦争の真っ只中にあると思ってきた日本の和やかさに驚いた」とコメントしていました。

 

大規模なスポーツ大会も各地で開催されており、動物園や映画館にも多くの人が訪れるなど、支那事変の最中でも日本国内は平穏な生活を送っていました。

 

 

日本国内だけでなく、チャイナ国内でも戦地以外では平穏な生活を送っていました。南京攻略戦の最中でも、北京や天津など北支などでは戦争の影響はほとんどなく平穏でしたし、日本軍が制圧した後の広東や徐州でも穏やかな日常が戻っていました。


水間政憲氏の『ひと目でわかる「戦前日本」の真実』に、当時の日本やチャイナ国内の写真が掲載されていますので、興味がある方は是非読んでみてください。

 

NHKの朝ドラでは、戦前はずっと暗い時代だったという印象を与えようとしていますが、実際に悲壮感が漂うようになったのは昭和44年になってからでした(詳しくは「戦前の日本は本当に暗黒時代だったのか?」 参照)。

 

 

また、ドラマでは主人公が出版社に勤めており、戦前に検閲で出版差し止めになるなど、自由に出版できないということを描いていました。そして、戦争が終わった時に、主人公がこれから自由に出版できると喜ぶ様子がありました。

 

戦前に検閲があったのは事実ですが、戦前の検閲は事後検閲でした。事後検閲とは、公表後に検閲に引っ掛かった文言を伏字にしますので、どの部分に手が加わったのかが分かるようになっており、伏字にすれば出版はできるようになっていました。

 

それに対して、戦後はGHQによる事前検閲が行われるようになりました。事前検閲では、公表前に検閲を行い、検閲に引っ掛かった場合は文章そのものを変更させてしまい、どこに手を加えてのかが分かりません。また、事前検閲では、文章を変更させるだけでなく出版そのものを差し止めることもあります。

 

GHQの検閲では、新聞・雑誌・本だけでなく、手紙やチラシなどにも検閲を行い、徹底した言論弾圧を行っていました。GHQは検閲以外にも、既に出版されていた本を焚書して、米国など連合国に都合の悪いことを隠匿する工作を行っていました(詳しくは GHQ の焚書とは?」 参照)。

 

従って、戦前よりは戦後のGHQ占領下の方が自由な出版をすることができなかったということです。焚書では書店や出版社などにあった在庫についても没収されていましたので、出版業界にとってGHQの占領下はまさに暗黒時代だったと思います。

 

上記の産経新聞の記事にもありますが、NHKの朝ドラを見て戦前・戦後のイメージを形成している人は少なくないと思います。朝ドラを見ている人には高齢者が多くいるようですので、戦前・戦後の誤ったイメージを持った高齢者が少なくないというのは、ある意味納得できるような気がします。

 

ドラマ、映画、小説というのは、事実を描かなくていいので、堂々と嘘を描いて洗脳の手段として使われることがあります。ソ連やチャイナの共産党では、映画は重要な大衆洗脳手段として利用されていましたし、米国では西部劇の映画やドラマで残虐なインディアン(実際には白人がインディアンを虐殺)というプロパガンダを行っていました。

 

NHKはドキュメンタリーでも嘘や歪曲でプロパガンダを行っていますので、ドラマでは堂々とプロパガンダを行うのは当たり前だという感覚かもしれませんね。
 


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