明日27日から、今年3つ目のグランドスラム大会であるウィンブルドンが開幕します。今大会も優勝候補筆頭は世界ランキング1位のジョコビッチです。ジョコビッチを追うのが、ランキング2位のマレー、歴代最多のウィンブルドン優勝7回のフェデラーです。

 

 

ジョコビッチは昨年のウィンブルドンからグランドスラムで4大会連続優勝しています。今回のウィンブルドンを優勝すると、年間グランドスラムに王手を掛けることになります。全仏オープンを制覇して生涯グランドスラムを達成したばかりですが、年間グランドスラムも視野に入ってきています。

 

年間グランドスラムは、過去に男子は2人、女子は3人しか達成していません。もし年間グランドスラムを達成すれば、1988年のシュテフィ・グラフ以来となり、男子では1969年のロッド・レーバー以来47年ぶりの偉業達成となります。

 

今大会は、誰が優勝するのかではなく、誰がジョコビッチを止めるのかということに注目することになりそうです。

 

本来であれば、ジョコビッチの対抗馬となるのはフェデラーですが、春先に膝の故障で手術してから、調子が戻っていません。全仏も腰の故障で欠場しましたし、6月のグラスコートでの大会でも本調子とは言えない状態です。

 

フェデラーは順調に勝ち上がると、準決勝でジョコビッチを対戦することになります。トーナメントを勝ち上がっていくうちに調子を上げていけば、ジョコビッチを倒す一番手となりますが、もしかすると早期敗退する可能性もあります。ちなみに、膝は家の風呂掃除をしているときに故障したようです。

 

錦織は全仏に続いて第5シードで出場し、勝ち上がっていくと準々決勝でフェデラーと対戦することになります。

 

ウィンブルドンは、グランドスラム大会の中で最も錦織に不向きなコートサーフェスです(詳しくは「テニスにおけるコートサーフェスの違い」参照) 。またグランドスラム大会で唯一ベスト8に進出していない大会です。

 

錦織は、初戦で262キロの世界最速サーブ記録を持っているオーストラリアのサミュエル・グロスです。今年はこれまで310敗で、ランキングも123位ですが、ビッグサーバーに有利なグラスコートの試合ですので、初戦としては嫌な相手かもしれません。

 

更に、4回戦ではマリン・チリッチかイボ・カルロビッチというビッグサーバーのシード選手と当たる可能性が高いです。

 

今月のグラスコートの大会では2戦目に故障で欠場して、グラスコートでの試合が不足しています。全仏のレッドクレーから正反対のグラスコートへの切り替えは、ただでさえ難しいので、芝への対応が十分できていない可能性があります。昨年は2回戦で欠場したために失うポイントも少ないので、4回戦に進めばまずまずではないかと思っています。

 

日本選手では、男子では錦織以外にダニエル太郎と西岡良仁が出場し、女子は土居美咲、奈良くるみ、日比野菜緒の3選手が出場します。ダニエル、西岡、日比野の3選手は、ウィンブルドンの本戦に初めて進みました。

 

ちなみに日比野の「菜緒」という名前は、元世界ランク14位の沢松奈生子氏にあやかって付けられたようです。日比野の兄は修造という名前で、こちらは松岡修造氏からとったようです。


 

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