$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター1今回訪れたのは・・ 平和公園 内にある
名古屋市動物愛護センター という施設ですよ。

未だ日本には一元化された動物愛護専門と呼べる
行政省庁、行政系統はありませんが・・・
名古屋では市の部署として 健康福祉局健康部 が
その管理運営を行い、動物愛護の啓蒙をしているのです。
お役所で私達の税金がどう使われているか・・・
この記事で少しばかり紹介してゆこうと思います。

さて、現在製作中の 「平和公園シリーズ」 の中で
書こうと思っていたこの探索ネタですがー。
勢いで先に出してしまおうと思い立ちました。
もしかしたら後にシリーズ番号へ統合するかもしれません。

実の所・・、キノコ探索のコースを考えている時には
公園内にある 愛護センター に寄るのはどうも気が乗りませんでした。
先年亡くなった るり を引き取った場所であり、あれから18年以上来てませんし。

犬猫好き、動物好きの人ならご存知であろう、ここは 保護の場所 ではなく・・
 処分の場所 というイメージが強く、行けば鬱にならざるを得ないと考えていたからです。
ところが、今回の訪問では悲しい現状と共に、職員さんの努力や行政の役割の一端を知り
そこに 救いや希望 もあるのだと知れた事はよかったのだと感じています。
皆さんにも知ってもらうために写真が多めですが、是非ともじっくり見てやって下さい。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター2
左) 詳しくは後の記事内で・・、とりあえずおまえら、猫ダンゴでキュン死しろっっ。 
右) お・・お客様、踊り子に手を出さないで下さい!! だめだ、我慢できん、がまんデキンゾー!! 
 

広大な霊園墓地が広がる平和公園の中で北西に位置し、猫が洞池の北に建物があります。
最初は野犬対策として昭和26年に設立されたここは、昭和60年に 「動物愛護センター」 の名になり
以降、名古屋市の動物愛護の行政窓口として運営されています。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター3
左) 公園からユーカリ栽培ハウスの間を抜けると見えてきます。施設前には休憩できるスペースもある。
中) 「愛護館」の前にはふれあい広場。館内には展示室や資料室、犬舎や猫のケージが一部見られます。 
右) 「管理棟」には事務所や検査室、収容用犬舎、そして殺処分室も・・。 


建物は二つあり、みなさんが通常訪れるのは 「愛護館」 の方になります。
外には子犬とのふれあい広場が設けられている他、犬舎の一部も外から見えるようになっている。
館内には展示スペースがあって、ここには 事業犬のケージ や 子猫のケージ もある。
また、これまで引き取った人達のメッセージや写真も展示されている。
資料室も自由に利用できるようになっていた。

奥にある 「管理棟」 は一般の方が訪れる事はまずないだろう。
保護(といえば聞こえはいいが・・)や間違って収容された場合の引き取りなどの業務。
獣医さんによる健康管理や検査のための医療室。
ここから出られる見込みの無い犬達の犬舎と殺処分装置がある場所・・。

正に背中合わせの過酷な現実がフェンスの向こうとこちらに分れている。
動物好きの人がここへ来たがらないのは・・・こういう事を知っているからなのだ。
でも・・、暗部ばかりを見てはいけない |;゚;Д;゚;)ノ汗

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター4
左) 一日に四回、自由に子犬と触れ合えるようになってます。日曜には特別イベントも・・。
中) この日は団体客のためにリードを付けて準備、4匹の子犬が待っています。
右) 入り口は二重扉になっており、入る人も最初は恐々とした様子。 


愛護館の前にあるふれあい広場、柵で囲まれたサークル内には子犬が放されている。
もちろん時間帯を区切って休憩時間を設けるが、開放時なら自由に触る事も可能だ。
子犬たちを人に慣れさせ社交性を持たせると共に、里親希望者の見合いの意味もある。

日曜や団体客が来た時などはリードを付けて、普段とは違うイベントが行われる。
一匹に一人の職員がついて、抱き方を指導したり犬の話を聞いたりできるのだ。
特に里親希望の家族連れなどは、犬種や性格、育て方の注意などに真剣だ。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター5
左) 職員さんが抱き方を指導してくれます。犬達も慣れたものですね。
中) 子犬たちは人と触れ合う事で社交的な性格に育っていくのです。
右) 普段はこのサークル内に放した状態で触れる事も可能です。 


また、ふれあいタイムが終わると、公園内を 一緒に散歩するイベント もあったりする。
この時は4頭に対して人気が高く、抽選会をしていた程の盛況ぶり。
職員さんも実にテンションが高い・・・合格

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター6
左) ふさふさの尻尾が可愛い、呼ばれるとすぐに寄ってくる。
中) この子は見かけ通り、どっしりと落ち着いた性格のよう。抱かれてもされるがまま。
右) こっちはちょっと落ち着きが無かった、あちこち走り回って愛想を振りまいていた。 


このふれあい体験は是非とも家族連れにお勧めしたい。
また、犬を飼おうか迷ってる方にも大いに勧めたい。
安全な状態で子犬に囲まれる体験は誰にとっても忘れられないものになるだろう。
それで一組でも里親になる決心が持てたとすれば、これほど嬉しい事は無い。

先に 「人に慣れさせ社交性を持たせる」 と書いたが、これにはもう一つの意味もある。
万一行き場が無かった場合でも 事業犬 としての可能性を持たせる意味だ。

事業犬 とは、センターが行う啓蒙活動やイベントに参加したり、
慰問活動やアニマルセラピーなどに活躍する犬達だ。
彼らが生き永らえる可能性がいくつか残るのならば、ホント・・税金使ってくれてかまわんよ。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター7
左) このケージには4匹の子猫がおり、身を寄せ合ってダンゴとなっていた。
中) 一応・・ダメなんだけど、コレを見て指を出さずにおれようか(つД`)
右) この子は必死に指をカミカミチュッチュするんだ・・・・。 


愛護館の館内へ入ると、展示室にいくつかケージが置かれているのが見えるだろう。
実はこの施設・・野犬対策で建てられただけあって、犬舎はあっても 猫舎は無い のです。
子猫はすべてケージに収容され、館内の何箇所かに置かれています。
その内で健康状態のいいものはこうして展示室や、時に外で日向ぼっこさせてもらえるのですね。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター8
左) この中では一番元気で飛び跳ねていた、外の人間にも興味津々の様子。
中) おやぢ顔のクロちゃんは最初動かなかったが、ウンコしたら元気になった模様。
右) この子はおとなしく、ずっと丸まってこっちを見るばかり・・・。 


事業犬として何頭か飼育されている犬と違って、ここには成猫はほとんどいません・・・・。
猫の場合、後から人に慣れさせるという事が難しいほか、問題行動をもってるケースが多く
当然ながら引き取り手もとても少ない。
収容期間が過ぎれば管理棟に移され・・・・・(((; ゚Д゚)))ガクガクブルブル
彼らに希望があるのは子猫のうちだけという現実もまた存在するのです。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター9
左) シロちゃんはよく鳴いて、差し出した指を追っていた・・。
中) 別のケージの子は箱から出て来る事は無かった。
右) こちらのケージ、どうも・・片目がおかしいよね、治療は受けてるのだろうけど大丈夫だろうか。 


それでも・・・少しの救いとして・・
こうやって人前に出されている子猫たちは譲渡会や里親お見合いへの優先順位が高い。
病気や障害があった場合、専属の獣医さんの治療を受け、完治してから譲渡待機になる子もいる。
あまりに幼い状態では対象にならず、里子に出されるのは生後三ヶ月程度とされているのだ。
その点ではしっかりとした飼育管理が行われているのはいい事だろう。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター10
立ち入り禁止の場所をズームでのぞくとケージの中には沢山の子猫がいた・・・。

ここへ来る時・・・ケージを抱え猫を持ち込む人を見かけた、二組もビックリマーク
見たところ成猫のようで、おそらくあれでは殺処分は免れまい。
ここへ来る事がどういう意味か知っているのだろうか・・説教したい衝動に駆られる。
それでもそこらへ遺棄する事よりまだ・・責任感があるのを良しとするべきなのか・・。

彼らがケージを抱えて歩いてゆくユーカリ木立の傍ら、
センターから数十メートルしか離れてない場所で公園猫が夕日を浴びて毛づくろいしている。
壁一枚隔てて真逆の運命の可能性を抱える猫の姿は、実にやるせない (´・ω・)ショボーン
愛護センター のある公園に 公園猫 がいる、なんという矛盾か・・。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター13
左) 来館者には少し見づらい場所に成犬用の放し飼いスペースがある。
中) 散歩かと思ったのだろうか、吼えもせず扉の前で座ってこっちを見ていた。
右) 愛護館の入り口には里親情報が沢山貼られ、お見合いイベントのチラシも用意されている。 


体のでかい成犬には放し飼いスペースがあるのはあまり知られていない。
犬も猫と同じく育ってしまうと極端に里親成約が難しくなる・・。
そのため、現在センターでは一時的に子犬の譲渡は中止してまで、
成犬の里親を呼びかけるキャンペーンを行っているようだった。

この時、10月22日現在のデータとして、子猫の飼育頭数51、それに対する 譲渡待ち人数10組
っとの告知が貼り出されていた。
あのケージの子猫たちが里子に出るよう祈るばかりである。

こういう事を考え出すと暗くなりがちで、行政を責めたい気持ちも出てくるがー。
愛護センターは募集するだけの「待ち」だけでは無いという事も知って欲しい。
先に挙げた 事業犬 を使ったイベントや、各地での 出張里親お見合い なども行っている。
昔に比べれば大幅に殺処分頭数が減ったのは、職員さんの 処分ゼロ運動 の結果でもあるのだから。
いやほんと・・こういう事になら税金使っていいよビックリマーク
訳のわからぬ復興予算なんかよりよっぽど分りやすいし嬉しい。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター11
左) 里親になると事後報告を求めるお知らせが来る。沢山の巣立っていった猫たちの姿。
右) こちらは事業犬として活躍した犬達の姿が見られる。 


展示室で目を引く物のひとつに、こういった里親からの手紙や報告がある。
コレを見ると るり の時のことを思い出して目頭が熱くなる(つД`)
私の元にも半年ぐらいしてから、事後報告のためのお知らせとアンケートが送られてきたものだ。

ちなみに・・、センターで里親になる場合には
獣医さんによる1時間程度のレクチャーが設けられており、強く室内飼いが求められる。
その際には年間処分頭数などのシビアな話もあって、これがひどく胸を打たれた。
なんせ・・ 実際に処分する立場にいる獣医さんの言葉 である、これほど重い言葉は無い。

さらに猫の習性からエサの種類、法令や不妊手術の助成に関する情報まで、
幅広く丁寧に教えてもらえる機会があるので、初めて猫を飼う人にも安心だと思う。
これから猫を飼おうか考えている方は、 愛護センターも選択肢 の一つに入れてもらいたいものだ。

$・・・この先生キノコるには。-動物愛護センター12
左) その後を知らせる手紙は後を絶たない。そこに写る猫たちは皆幸せそうだ。 
右) 管理棟の駐車場の隅に建つ慰霊碑、この日もエサと水が備えられていた。


おおお、キノコ探索の途中だというのにかなり時間をくってしまった。
もう陽も傾いているではないか・・・・。
さすがに 猫ダンゴ の威力はすごい、ケージの前でいったいどれだけニヨニヨしていたろう。
眺めているだけで時間を忘れる恐ろしい場所であった足あと

さあて、それでは・・・
最後に駐車場の方へまわり、 慰霊碑 に手を合わせてきた。
休館日には門が閉まっているが、
普段は誰でも管理棟の方から入ってこれる場所だ。

$・・・この先生キノコるには。-るり朝、何か忘れてるなーっと思ってた原因、
今回はカリカリを持ってこなかった事が悔やまれる・・・。
次回は猫缶でも供えてやろうではないか。
既にドッグフードと水が供えられていた。
しっかり手入れされており、花と線香も新しい様子で、
職員さんだけで無く、私のように訪れる人も多いのだろう。

ここは るり と縁がつながった場所、
かの魂と共に里帰りしたような気分になっていた。
画像右→ : 在りし日の るり 。
        あのケージの子猫のように隅にうずくまっていた。
        譲渡会では4組との抽選に勝ちウチに来た


これからは平和公園に来た際にまた訪れたいと思う。
決して 殺処分 だけの場所ではないという事に、自分の中でも気持ちの整理が付いた。
まだ来た事が無い人にも大いにお勧めしたい、是非とも家族や友人と一緒に。
民間とは違う面での 行政側の努力 が分ると思うし、職員さん達の思いも伝わってくると思う・・・
・・・・・・・・にゃネコ
   END
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