$・・・この先生キノコるには。-みけさあて、前回は・・・
 →  【小幡緑地・初秋編3】 キノコの名が判らぬもどかしさよ の巻
・・・にて、キノコ観察の難しさを語りました。

今回はそういった探索のもう一つの柱、
そうです 猫とのひと時 に焦点を当てましょう。

小幡緑地の猫達はこれまでにも紹介してきました。
探索の合間のついでだった猫集会参加も・・
いつの間にかもう一つの目的と化してしまっています。
何度も目にする猫もいれば、何らかの事情でここを去る猫もいる。

彼らにとっては人の側の思惑なんか知らんにゃあ・・っと言わんばかりに、
飯をもらって、日々気ままに過ごす姿がうらやましくもあるものです。
ーーー

■ 地蔵広場にて
小幡緑地の北東、カントリークラブへ行く道の近くに大きな仏像が置かれた場所がある。
付近には地蔵などの石仏も配置されており、その開けた一帯を勝手に 地蔵広場 と呼んでいる。
ここにはたいてい4匹~6匹の猫達がおり、餌場としてテリトリーに組み込まれているようだ。

$・・・この先生キノコるには。-地蔵広場1
左) この むぎちゃん は他の猫とも少し距離を置いていて、まだ怖がりのようだ。
中) チャトラ は甘え上手でよく餌を独り占めしている。おかげでものすごく体格がいい。
右) 食い物を持ってると見るや猛烈に甘えてくるしっかり者の 三毛 。満足のポーズ。 


園地北外周を探索の後、立ち寄ってみた。
まずは草むらに むぎちゃん を発見。
この子はまだ警戒心が強く、話しかければ返事はするが寄っては来ない。
他の猫ともやや距離を置き、エサは欲しいが遠巻きにこっちを見ている様子。

そうこうしていると大仏の裏から早足で チャトラ と 三毛 がやって来た。
この二匹はものすごく甘え上手で・・・瞬く間に足元をしっかりロックされ、交互にゴロン攻撃の応酬。
カリカリを置いてもすぐにたいらげてしまい、むぎちゃん が恨めしそうに見ている始末。

野良の生存戦略と言うべきか・・・・。
食い物にありつくためには人間へ甘えてねだった方がいいという事実を受け入れるかどうかが問われる。
少なくともこの小幡緑地において、人への警戒心は体格の良さという形で結果をあらわにする。
チャトラ のような要領のいい猫はまるまると太り、ますますねだり方を会得していく。

それでも・・、 むぎちゃん がこうしてよく人通りのある地蔵前にいるのは、
怖い気持ちと、食い物にありつける気持ちの・・板ばさみの結果なのだろう。
この園内にはまだまだ人前に姿を現さない個体も多い、今も林の中からじっと見られているのかも知れない。

$・・・この先生キノコるには。-地蔵広場2
左) 食い物があると判るとフォーメーションA、二匹による「すねこすりアタック」、う・・動けん。 
右) 交互にリュックへの「ゴロンゴロン攻撃」もハンパなし!! なんという連携体制・・・。 

ーーー

■ ちょび再び。
地蔵広場を後にして舗装された外周路をしばらく下ると・・・。
少し茂みに入った樹の根元で ちょび が日向ぼっこしていた。
この子もすっかり猫行脚の常連になった一匹である。

$・・・この先生キノコるには。-ちょび
左) 朝の空気も冷たくなってきた中、日向で物憂げに佇むのであった。 
右) ハの字眉とちょび髭模様、でも体は真っ白という愛嬌のある顔つきと風貌だ。  


呼びかけると 「にあ~~~」 と返事をする。
前回を覚えているとは思えないが、逃げないのは嬉しいものだな。
それなりに警戒はしつつも、エサをくれる人か値踏みをされているような視線だ。
少しばかりカリカリを食うと、また陽のあたる場所へ戻っていった。
ーーー

■ 寄ってくる猫、見ている猫
さらに北外周路を下って慰霊碑近くの東屋の側で くろ を見かける。
いやもう・・・黒猫は見分けが付かず、とりあえず・・ くろ っだ。

$・・・この先生キノコるには。-くろ
左) 食い物にありつけると心得ているのか、よく道路のそばでゴロンしている くろ 。
中) 前回に ちょび と一緒にいた グレイ と思われる。今回初めて近くで見た。
右) おっとり刀でかけつけた 三毛白 。 鼻筋の黒い模様が特徴かな。 


しばらく くろ と過ごしていた所、通りがかった車からこちらへ来る人が・・・。
手には沢山の猫缶が見える、エサやりのおっさんのようだった。
手馴れたように皿を広げ、猫缶を開けると・・途端に付近から出てきたのが グレイ と 三毛白 。
これまではっきり姿を見る事が無かった二匹だが、今回は間近で遭遇だ。
おっさんにはいつもエサをもらっているのだろう、物怖じせず猫缶にありついていた。

そうこうしていると、さらに一匹、サバトラ が寄ってきた。
けれども人馴れしてないというか、怖がりというか、じりじりと様子を見ながらにじり寄る。
やっとたどり着いた頃には三匹があらかた猫缶をたいらげてしまったので、
おっさんが 「しょうがないなあ」 っともう一缶開けて皿に出し側に置いてやった。

それでも・・・、くろ達に横取りされるわ、物音にびくっと柵の向こうへ逃げるわ・・・
怖さと食い物欲しさの板ばさみって感じがひしひしと分る。
この公園で生きるためには、こうしたエサ場へ・・人を恐れぬ行動が必要だが
野良としては確かに サバトラ のような警戒心が必要なのかもしれないな。

$・・・この先生キノコるには。-こわがり
左) びくびくして、音がすると柵の向こうへ逃げる サバトラ 。
中) そして、そろ~りと戻っては猫缶に口をつける・・っの繰り返し。
右) 少し離れた所でこちらをうかがう バットマン 。


猫飯タイムも終わり、おっさんも残りをかたずけて引き上げると猫達も思い思いの場所へ散ってゆく。
私も行こうかと歩を進め・・・おや、6メートルほど前方の側溝から光る目が・・。
驚かさないように近寄ってみると、黒いマスク模様の バットマン がこっちを凝視している。

臭いにつられて出てきたのだろうが、まだ人や他の猫が怖いのだろうな。
サバトラ と バットマン の間には大きな壁がある、生きるために越えるかどうか悩む壁が・・。
見たところまだ歳若い猫のようだ、どちらの方向へ生きる術を学んでいくのだろうか?
野良として公園の外へ行くか、人の側に近寄り公園猫として猫缶にありつくか・・。

ちなみに・・、ならば人が居なくなってから食えばいいではないか、っとか。
エサだけ置いておけばいいではないか、っとかあなたは思うだろう。
でもね、むやみに食い物を置くのはすぐに虫がたかって衛生的ではないし、
カラスや他の野生動物にも影響を与えてしまうのだ。

エサをやるなら見ている時にやり、 食い終わったら片付ける のがマナーなのだ。
保護活動されている方は定期的にこうしたもの(放置された猫缶や皿や)の掃除もやっているが・・・、
同じ猫を可愛がる人の中でもマナーがなってない方も居る訳で・・・難しいものですな。
正に 猫かわいがり だけでは 公園猫 も 地域猫 も近隣住民の理解を得るのは難しい、
まして行政をや・・・・っと・・そういう事なのです。
ーーー

■ 振り返ると猫がいた
中央の湿地園がある池のほとり、前回は来れなかったので立ち寄ってみた。
いつもここにいた人懐こい チャトラ の姿は見えなかったが、
誰かが置いたカリカリがあるという事は元気なのだろう。
けれども・・どうやらカラスが猫エサを狙ってるようで、あまりエサの置きっ放しもいけないな。

しばらく池の周りで花やトンボの観察をしていると・・なんか呼ばれた気がして振り返った私。
芝生の中の敷石の上から一匹の白い猫がこちらを見ている。
「にゃ?」 っと問うと、「にゃにゃっ」 っと応える。
どうやら食い物を持ってそうだと見てねだりに来たらしい。

$・・・この先生キノコるには。-しろ
左) 振り返ると まろ がちょこんと座ってテレパシーを飛ばしていた。
中) 帰り道では石垣の上で日向ぼっこしていた。遠目にもよくわかる白さだ。
右) 声をかけると驚いていたが、カリカリの魅力には逆らえまい。 


真っ白な体に尻尾と耳周りに柄がある まろ はなかなか貫禄がある。
必要以上に甘えもしないが、「食ってやってもよいでおじゃる」 と言わんばかりに佇む。
やはり猫臭がする人間が判るのだろうか、こうやって積極的に接触するがゆえに
体格も良く、ぷくぷくのお腹のもふもふ感はハンパないと言えよう。

風も涼しくなって来た時間。
遊歩道の縁石の上に黒い塊を発見。
道を挟んで声をかけると、びっくりしたのか慌てて石から降りてしまった。
しかし、根気よい説得とカリカリの力でなんとか撮影できる距離に落ち着かせるのに成功。
前出の バットマン に似ているが・・鼻筋に白い模様があるから違う個体だな。

さて、そろそろ暗くなってきたので戻りコースに入る。
帰り際の道すがら橋から見ると、まろ が池の石垣の上でのんびりしていた。
少しだけカリカリを献上して、私は公園を後にした。
   END

 続く → 【小幡緑地・初秋編5】 その他の写真など の巻
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