◎御休処◎ ◆◇終戦の日特集◇◆ 戦争とねこバナ。
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皆様こんにちは。佳(Kei)でございます。
いつも駄文にお付き合いいただき、有難う存じます。
残暑厳しき折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この週末はなかなかキビシイ暑さ。お盆の帰省も大変なことと思います。
どうぞお身体だけはたいせつに。
そして、できれば、どうぞごゆるりとなすってください。
* * * * *
さて本日は。
昨年同様、終戦の日特集としてお送りいたします。
「ねこバナ。」開始以来、私は戦争にまつわる猫のおはなしを、何度となく書いてまいりました。
戦争とはいかにもドラマティックで、人間の悲喜こもごも、社会の世知辛さ、痛切な記憶、などが呼び起こされ、題材としてこれ以上のものはない、などと思う私などは、物書きの救いがたい性に蝕まれているのだと思います。
先の戦争を誇らしく、気高く思う人もあれば、思い出すのも憚られるほど忌み嫌い続ける人もある。それぞれの人生、それぞれの戦争だと、つくづく感じます。
戦争に関するさまざまな読み物、さまざまな映画、さまざまなテレビ番組が世に氾濫するなかで、どれを取捨選択し、どれに共感しどれに辟易するか。それはやはり人それぞれ。皆が同じ考えを持つ必要などないのだと思います。
ただ忘れてはならないのは。
戦争とは人殺しであるということ。
国家の利益追求や民族の自我意識、主義主張や宗教の導きによって行われる、人殺しであるということです。
どの国家においても人殺しは犯罪です。どの哲学、どの宗教も、人殺しを肯定したものはないはずなのです。
だのに、なぜ。
日本人には思想がない、とよく言われます。
明治維新以降のあらゆる政治的・文化的側面において、そのことは批判の対象でしかありません。
戦後はとくに、その傾向が顕著です。
確たる思想がない故に、戦争へと向かう権力に対し、ひとは何も為し得なかったと。
しかし悲しいことに、どんな気高い思想、どんなりっぱな宗教であっても、人間の戦争を抑止することには貢献していません。
いや、むしろ思想とは、人をたたかいに駆り立てるのではありませんか。
同じ考えを持つ人間とシンパシイを感じ、違う考えを持つ人間に嫌悪感を持つ。それがあらゆる戦争の引き金になっているのではありませんか。
思想とは、つきつめていけば原理主義に陥ります。そして大きな実を掴むために、小さな弱いものを簡単に、犠牲にするようになるのです。
人間とは、悲しい性を持った生き物と、痛感いたします。
ではどうすればよいのでしょう。
私も悶々と考えてはおりますが、まだ答えは出ません。
私は強さを自認する人間に、強い疑いを持ちます。
私はヘタレな人間ですから当然です。
弱い者には弱い者なりの叫びがあります。
弱者権力などではありません。力のない細々としたものです。
私はそれに寄り添っていこうと思うのです。
情けなくとも構いません。プライドも恥も外聞も関係ありません。
精神的マッチョに反吐を吐き、地べたをずるずると這い回ります。
自分のたいせつな人達が、生を全うできるならば。殺さず、殺されずにすむならば。
そう、私はこんなヘタレな人間です。
* * * * *
話が逸れました。
ではここで、今まで書き散らかしてきた戦争にまつわるおはなしを、ご紹介いたします。
※ 今回は、太平洋戦争を含む、先の十五年戦争とその直後の日本が舞台になっている話に限りました。
それ以外の戦争を描いたおはなしは、他にもあります。
第十話 手紙(34歳 男 兵士・郵便局員)
...南京攻略戦に参加する舞台から、家族へ届いた手紙です。
登場する絵描きは、実在の人物がモデルです。
第二十九話 ハルの獲物(33歳 男 帰還兵)
...帰還兵の運命を、猫が握っていたとしたら。
か弱いもののあいだに在る絆は、何よりも強いと思うのです。
第四十五話 聞き書き(96歳 女)
...亡き祖母の昔話を脚色しました。
樺太から逃げて来た祖母の話は、ずっと記憶に残っています。
第五十話 ヒロシマ
...映像がはっきり見えたのです。ただ夢中で文字にしました。
第五十二話 手紙・ナガサキ
...不埒なことかと思いましたが、これは全て創作です。
ただ、こんなことがあっても不思議ではないかも知れません。
第六十五話 網小屋で(28歳 瞽女)
...瞽女(ごぜ)さんの哀しい物語です。
こんなところにも戦争が影を落としています。
第七十九話 <随筆>佐藤垢石『岡ふぐ談』を読んで
...戦後のエッセイから、いろいろなことを考えました。
第百二十七~九話 キヤツツ・アイ(三十二歳 女) 上 中 下
...描写がややグロテスクになりました。
猫目の大将のおはなし、いつか書きます
第百六十八話 <回想録風>キクと桜(72歳 女)
...読者の方々の中にも、犬猫の軍事供出に関して、似たような思い出話を聞かされた方があるそうです。
第二百二話 <童話風>ながぐつねこの おまもり
...やはり家族がいちばんなのだと、思います。
第二百八・九話 白猫伝説 其一 其二
...昔も今も、ひとはそう変わらないのだと実感します。
よろしければ、第二百七話 海と白猫 もどうぞ。
第二百十六話 入道雲
...もくもく立ち上るきのこ雲が、入道雲に見えた方もあったでしょう。
書きながら怖ろしさを禁じ得ませんでした。
第二百十七話 秘密の場所へ
...ただ怖い話を書くのが嫌で、こんな思い出話になりました。
まだ原爆について語りたくない方は、おおぜいいらっしゃるのだと思います。
* * * * *
今日もやはり、暑くなりそうですね。
先祖の霊が還るこの日に、改めて、もやもやと考えを巡らせてみようと思います。
今日も来てくだすって、ありがとうございました。
<(_ _)>
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