ほぼ半年ぶりの更新です。そのうちにと思っているうちに随分長く放置してしまいました。

さて久々の今回は、以前に『さくら』で取り上げたケツメイシの曲で『空』です。ケツメイシの2008年発売のアルバム『ケツノポリス6』にはいい曲が多いですが、その中でも一番気に入っているのがこの『空』です。歌詞の内容もいいのですが、私にとっては特別の理由があります。それは伴奏の楽器にカントリー音楽のブルーグラスで使われるバンジョーなどのアコースティック楽器が使われているからです。

私は高校生の頃からブルーグラス音楽が好きで、特にバンジョーの小気味のいい音を聴くと心地よくて、自分でもバンジョーを弾いてみたいと思っていました。その夢はギターもまともに弾けないので無理だとあきらめましたが。

この『空』はイントロからバンジョーが軽快に鳴り響き、まさにブルーグラスの乗り、言うなればヒップホップとブルーグラスの融合という感じです。内容も少年のときの夢を持ち続けたいという前向きなもので、ケツメイシの一つの柱と言えるまじめ路線の曲です。


これも燦然と輝く70年代歌謡曲の名曲の一つです。平浩二さんは昭和47年のこの曲以外にはさしたるヒット曲がないのですが、もうこの1曲だけで十分と言えるほど彼の持ち味をいかした曲だと思います。

「バス・ストップ」というタイトルを聞いたとき、洋楽でホリーズというイギリスのグループに同タイトルのヒット曲があるので、そちらのイメージが強かったのですが、それをはるかに陵駕して、「バス・ストップ」といえばこの曲になりました。

出だしの「バスを…」と高く上がるところでいきなり聴く者の心をとらえ、美しいメロディーが滔々と流れます。美しい高音で一世を風靡したプラターズの歌唱に一脈を通ずるものを感じました。

カラオケでも今後とも末永く愛好され続ける曲となることでしょう。


久しぶりに懐かしい歌謡曲から1曲。
欧陽菲菲の日本でのデビュー曲『雨の御堂筋』に続く第2弾シングルです。

『雨の御堂筋』がベンチャーズ歌謡の代表曲と言えるほどのヒットになったので、この曲は雨つながりの二番煎じのようなイメージがありますが、歌謡ポップスの名手、筒美京平氏の手によるこの曲は、なかなかいい曲で印象に残っています。

発売は昭和46年12月で、『雨の御堂筋』の3か月後ですが、当時としては普通のペースでしょう。ただ、まだ『雨の御堂筋』が売れ続けていたと思うのでこの曲としては時期が悪かったかもしれません。

空港での別れというテーマにふさわしいリズミカルな流れるような曲調で、「未練の涙だけは 責めないで欲しいのよ」のフレーズをかぶせるように歌うところが特に印象的です。

70年代歌謡ポップスの名曲の一つと言っても過言ではないと思います。



2か月以上更新しないうちに今年も残すところひと月になってしまいました。
久々の更新には前回に続き、乃木坂46のカップリングを取り上げましょう。

この曲は、10月8日に発売された乃木坂46の10thシングル『何度目の青空か?』のタイプCのカップリング曲です。表題曲も素晴らしいのですが、今回もカップリング曲に良曲がそろっており、特にこの曲は歌詞、メロディーともにすぐれていて、これまでのカップリング曲の中でも指折りのものだと思います。

乃木坂46で特筆されるのが、選抜メンバー以外のアンダーメンバーの活躍とレベルの高さでしょう。この曲はそのアンダーメンバーによる楽曲であり、彼女らの意欲と頑張りを十分に感じ取ることができます。

歌詞の内容は、青春のほろ苦い1ページを回顧するような深みのあるもので、聴いていて郷愁を感じさせます。リズミカルに運ぶミディアムテンポの曲調もいい感じに仕上がっています。

年明けには初のアルバムが発売されるとのことで、これからもこのグループの活躍には大きな期待を持って見つめていきたいと思います。


最近、J-POPといえば乃木坂46というくらいこのアイドルグループにハマっている私でありますが、7月の『渋谷ブルース』のブログのときに、乃木坂46にはカップリングにいい曲が多いからおいおい取り上げていくと書いておきながら、一つも具体化していないので気になっていました。

そこで、新しいところから一つ、9thシングル『夏のFree & Easy』のすべてのタイプにカップリングとして入っている『何もできずにそばにいる』にスポットライトを当てましょう。

変わったタイトルですが、まさに何かの原因で落ち込んで泣き崩れている相手(恋人、友人、家族などいずれも適用できる)を何とかしたい、力になりたいと切に思っているが、どうすればいいのかわからずそばにいるだけ、そういった心境を歌っています。

ピアノで始まるイントロは美しく、歌詞の内容からすると暗い曲みたいですがけっこうリズミカルな曲で、サビは感情をこめた力強さがあります。でも底には常にもどかしさがたぎっている感じです。

表題曲の『夏のFree & Easy』がいかにもアイドルらしいはっちゃけた曲なのに対比してこの曲はまた何と深みがあることか。乃木坂46は一筋縄ではいかないアイドルグループだと思います。10thシングルも楽しみにしています。


1980年代から90年代にかけて活躍した森高千里さんですが、私は当時彼女については、『ストレス』『私がオバサンになっても』などの曲に代表される、ちょっとユニークなアイドルというイメージを持っていました。

この『雨』は、最近になって彼女の曲の中でも一番の名曲だと再認識するに至ったものです。彼女は作詞はほとんど自分で手がけており、立派なシンガーソングライターでもあるのですが、特にこの曲の歌詞は美しくすぐれたものだと感じます。

彼女は結婚後、表舞台から遠ざかっていましたが、近年はYouTubeにチャンネルを開設してセルフカバー曲を発信していますし、テレビの音楽番組にも出演し、マイペースの音楽活動に励んでいるようです。

『雨』はこれからも末永く愛好される名曲だと思いますし、彼女のミュージシャンとしての稀有な才能をこれからも発揮してほしいと思います。



ヒップホップを毛嫌いしていた私を宗旨替えさせてくれたのが、このケツメイシの代表曲と言ってもいい平成17年発売の『さくら』でした。

日本人は本当に桜が好きです。あの満開の桜のあふれんばかりの華やかさ、そして時をおかずに散るそのはかなさに、えもいわれぬ情緒を感じるのだと思います。

この曲はそんな桜の散りゆく情景を過去の想い出と重ねあわせて、詩情豊かに歌い上げた名曲だと思います。

ヒップホップが嫌いだった理由の一つが、あのラップというものの良さがわからないというか、だらだらと意味不明のことをつぶやいているような印象があったことでした。ところがこの曲を契機に、ラップとはメロディラインの間に挿入された語りの部分であり、ラップがあることにより大変内容の濃い曲になるとの認識を新たにしました。

この曲をきっかけにケツメイシの他の曲も一通り聴いてみたのですが、なかなかいい曲が多いです。特にこの『さくら』が収録されているアルバム『ケツノポリス4』には『朝日』『涙』『東京』などいい曲が揃っています。


前に乃木坂46の『君の名は希望』を取り上げましたが、この曲は『制服のマネキン』という一つ前のシングルのカップリング曲です。なぜこの曲を取り上げるかと言いますと、乃木坂46の中でも異色の曲であり、アイドルグループでもこういう曲を歌うのかと驚いたからです。

歌っているのは白石麻衣さんと高山一実さんで、二人の名前から「ホワイトハイ」というユニット名がついています。白石さんは渋谷が好きで、高山さんは山口百恵などの昭和歌謡ファンであることから出来たのがこの『渋谷ブルース』です。

ちなみにこのジャケ写の二人は白石さんと高山さんではなく、橋本奈々未さんと松村沙友理さんです。

アコースティックギターのイントロから印象的で、フォーク調というかどちらかといえば演歌っぽい感じもあり、内容は渋谷にたむろするいわゆる不良少女(この言い方は古い?)の想いといったところです。アイドルグループにふさわしくないような寂寥感や暗さ、それが何とも不思議な気分をかもしだしています。

乃木坂46はカップリング曲に本当にいい曲が多いですね。また他の曲も追い追い取り上げていきましょう。



五木ひろしさんの曲では前に『別れの鐘の音』を取り上げていますが、彼の初期の曲では昭和47年の『あなたの灯』も大変印象に残る好きな曲です。

この年の彼は『待っている女』『夜汽車の女』とポップス調のビートのきいた曲が続きましたが、暮れになって発売されたこの曲では一転、印象的なリズム、そして優しく哀愁感に満ちた歌唱は、彼の持ち味を十分に活かしていると感じました。

出だしの「山のむこうに」が「やんまのむこうに」のように聴こえるところが趣きがあり、そのほか随所に印象的なリズム、フレーズがちりばめられています。


1970年代前半に一世を風靡した、いわゆるベンチャーズ歌謡には数多くの名曲があり、昭和歌謡に大きな存在感を示しています。アメリカのエレキバンドがどうしてこんなにうまく日本の歌謡曲が作れるのか本当に不思議なくらいです。

その中でも昭和46年に発売された渚ゆう子さんの『京都慕情』は、私の一番好きな曲です。特に抒情的なメロディーが秀逸です。

原題は「Reflections in a Palace Lake」でイメージとしては京都御所の池に映った景色といったところでしょうか。いずれにせよ和の雰囲気をうまく表現した曲です。

渚ゆう子さんの素直なくせのない歌唱が心地よく、私は当時ラジオの深夜放送で聴いて、いい曲だなと聴き入っていました。

ところでサッカーJ2の京都サンガFCでは、サポーターがこの曲のメロディーでアンセムを歌っているようです。これからも京都を象徴する曲として末永く愛好されることでしょう。