五木ひろしさんの曲では前に『別れの鐘の音』を取り上げていますが、彼の初期の曲では昭和47年の『あなたの灯』も大変印象に残る好きな曲です。

この年の彼は『待っている女』『夜汽車の女』とポップス調のビートのきいた曲が続きましたが、暮れになって発売されたこの曲では一転、印象的なリズム、そして優しく哀愁感に満ちた歌唱は、彼の持ち味を十分に活かしていると感じました。

出だしの「山のむこうに」が「やんまのむこうに」のように聴こえるところが趣きがあり、そのほか随所に印象的なリズム、フレーズがちりばめられています。