ヒップホップを毛嫌いしていた私を宗旨替えさせてくれたのが、このケツメイシの代表曲と言ってもいい平成17年発売の『さくら』でした。

日本人は本当に桜が好きです。あの満開の桜のあふれんばかりの華やかさ、そして時をおかずに散るそのはかなさに、えもいわれぬ情緒を感じるのだと思います。

この曲はそんな桜の散りゆく情景を過去の想い出と重ねあわせて、詩情豊かに歌い上げた名曲だと思います。

ヒップホップが嫌いだった理由の一つが、あのラップというものの良さがわからないというか、だらだらと意味不明のことをつぶやいているような印象があったことでした。ところがこの曲を契機に、ラップとはメロディラインの間に挿入された語りの部分であり、ラップがあることにより大変内容の濃い曲になるとの認識を新たにしました。

この曲をきっかけにケツメイシの他の曲も一通り聴いてみたのですが、なかなかいい曲が多いです。特にこの『さくら』が収録されているアルバム『ケツノポリス4』には『朝日』『涙』『東京』などいい曲が揃っています。