医学ニュースの深層 -17ページ目

原発事故:東京の浄水場から放射性ヨウ素検出 乳児の基準値2倍超 「飲用控えて」23区と5市 

 東京都は23日、水道局の金町浄水場(葛飾区)から、放射性物質が乳児の暫定基準値の2倍を超える数値を測定したことを明らかにした。

 都によると、放射性ヨウ素を水道水1キロあたり210ベクレルを検出したといい、乳児に水道水の飲用を控えるよう要請した。乳児の水道水の摂取を控える地域は、東京23区、武蔵野市、町田市、多摩市、稲城市、三鷹市。厚生労働省が示した乳児の飲用を控える暫定規制値は1キロあたり100ベクレル。



コメント:


首都圏では、ペットボトルの買占めが、ひどい。


・・・では、基準値を書いておきますね。


●世界の基準値
WHO(世界保健機構)の基準・・・1ベクレル(Bq/L)
WHOの<緊急時>基準・・・10ベクレル(Bq/L)
アメリカの法令基準・・・0.111ベクレル(Bq/L)

●日本の「暫定」基準値
子ども 100ベクレル(Bq/L)
大人 300ベクレル(Bq/L)


 これが、放射線に関する世界と日本の認識の格差の1つである。ご参考までに。

3月31日と4月1日に京都で開催予定されていた、「iPS細胞の国際シンポジュウム」は、残念ながら中止された。世界(欧米)の幹細胞研究の大御所らが、キャンセルしたからだと聞いている。

 冷静な科学者である(しかも幹細胞研究者)彼らも、そうせざるを得ない状況であるということである。

WHOも、日本への旅行は控えたほうがいいと言ってるしな。


まあ、これでも、安全だというのが「日本の専門家」のQuality(この件については、後ほど)。

原発事故:海水に含有されてしまった放射性物質

東京電力は22日、福島第一原子力発電所の放水口近くで採取した海水から、これを一般人が1年間飲んだ場合の安全基準の127倍に当たる放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。
福島県によると、福島第一原発から南北に3・5キロ、東に1・5キロの海域では 漁業権が放棄され、漁は行われていない。その外側ではシラス、コウナゴ、カレイ、ヒラメなどが取れるが、地震発生以降は出漁していない。第一原発から半径30キロ圏内の海域は海上保安庁が船舶の立ち入りを規制しており、市場にこの海域の魚が出回ることはないという。


22日に行われた県災害対策本部会議で報告された。佐藤雄平知事は、海水から放射性物質が検出されたことについて、「正確な情報、判断を政府に迅速に出してもらいたい。それが風評を防ぐことになる」と述べた。
鹿野農相は22日の閣議後の記者会見で、「震災後、茨城以北では漁業が止まっている」と述べ、現在、市場に流通する魚介類には問題がないとの認識を示した。
 今後の対応については、「漁業を再開する段階で、都道府県と協力したい」と語り、水産物への影響調査や出荷の是非などの検討を、自治体と協力して進める方針を強調した。
(2011年3月22日18時42分 読売新聞)

コメント: 
 
 魚は海中を泳ぐし、海もまた「流れる」。
上記の報道記事に対するコメントを一言で言えというなら、そういうことである。

なお、もっと遠く、先まで測れば、某国が今まで勝手に廃棄してた放射性物質と、こんがらがるだろうな。。。

なお、最近の「専門家」のコメントに対する「1考察」は、次回にします。

被災地でのインフルエンザ

16年前の阪神・淡路大震災時には、避難所で600人がインフルエンザで死亡している。
特に被災地での放射線による長期的な健康リスクも見過ごせないが、
感染症による死亡をいかに抑えるかも非常に重要な問題である。
このままでは、16年前以上の被害が確実になるだろう。
被災者だけの問題にとどまらない可能性すらある。
一刻も早く、前の記事に書いたことが、実行されることを切に願う。

大震災と医療とドーム球場と・・・

私が、この国のトップなら、すぐさま、下記の事を実行する。

・自衛隊に要請して、被災地の重傷者・入院患者を、被災地外の病院に搬送する。
場合によって、日本外への搬送も視野にいれる。・・・シンガポールなど。
・・・医師・ナースを現場に運ぶより、更に効率的かつ良い医療ができる。
必要な物品(生活品・食料品や医薬品、「綺麗な水」などなど)の搬送は、陸路のみならず、自衛隊を使って、空から、被災地に頻繁に落とし、最速で被災者の手元に届くようにする。

・上記患者以外は、まず東京ドームなどに運ぶ。
仮設住宅が建つまでという条件だが。
・・・3月25日にセリーグが開幕するが、強制的に中止させる・・・前に、このブログで書いた理由で。

・(このブログで「提案」したことを今ごろ始めているが)・・・世界最高の技術者と米軍を原発に投入する。
「決死隊」の東京電力の技術者や自衛隊のみならず。(甚大な健康上の被害を被るのは、いつも下っ端で、今この後に及んでも東電のトップを始め日本経済界の重鎮や御用学者は「お酒の会」)。
情報の発表は、(日本人も含む)世界最高の技術者の委員会を組織し、そこからタイムリーに、隠さず全て出す。
「わかりやすく」とか「不安にさせない」とかという「情報の加工」は、初期には考えない。

・・・まだまだ、あるが・・・。

16年前の阪神・大震災時に東京から故郷の被災地にボランテイアにいき(当時、大学院生)、4kgの水を背負い(透析用)、その後、ぎっくり腰になった私だったら、やる事でした。

なお、これから緊急に、今回の大震災関連の論文(医学・医療系になります)を仕上げます。
ヒトiPS細胞だけじゃないのですよ(笑)・・・私の専門は。




大震災と給料振り込み

今日(17日)は給料振り込み日。
しかし、うちの大学(東大)で、みずほ銀行に給料振り込み指定をしている教職員の
方々には現時点で、まだ振り込まれていない。

みずほ銀行のシステムは、もはや、なんの機能もはたせない。
みずほ銀行は、もはや三井住友銀行あたりと合併しなさい。
前にも、大きなシステムトラブルがあって、修復されたが、今回の大震災で「脆弱な部分」が露呈してしまったわけだ。
大震災は、このように、日頃では表面化しない弱点を一気にあらわにする。
みずほ銀行のみならず、原子力発電所、政治・経済・社会システム、そして・・・人々の身体や心の潜在的弱点までも。





原発事故による今日の放射線量の2(1のコメント)

 東大全体での放射線の安全上の対応は施設内、境界などで濃度が5μSvになると対応することとなっている。
今日の、東大病院(本郷)、駒場での測定では、0.5μ以下。
よって、当面は対応不要との「大本営」の先生方の見解である。
 ただ、前日に比べて、20倍ではあるけどね・・・。

 この状況が、当分の間続いても、長期経過観察後、大丈夫だった
・・・といえるほどの科学的根拠は、実はそれほど強くない。

 たとえば、胸部CTを1回受ければ、6.9ミリシーベルトであり、ただちに健康被害が出るわけではないと説明される。
しかし、医療被曝による発癌実数予測では、日本を除く各国の発癌増加数は、0.5%から1.8%で、
世界一のCT保有台数を誇る日本では、3.2%と突出して高いという結論になっている。
これは、超一流誌Lancet誌掲載の論文データである。
衝撃的なデータであり、掲載当時から様々な批評もされているが、いまだに、このデータが完全に論破されてはいない。

今回の件について「安全だ」と言い切る先生もおられるが、どうやったら、そう断定できるのか、不思議である。
 もう少し丁寧に説明しなくてはと思う。

「ただちに健康被害が出るわけではない。
ただ、長期間の安全性はと言うと、まだ確定していない。
都内の人々は、強く不安がることもないが、注意するに超したことはない。」
と言うのが、誠実な物言いだと思う。

 

 

原発事故による今日の放射線量 1

東日本大震災に伴う東京電力の福島第1原発事故を受けて、関東各地で15日、通常より高い放射線量が観測された。
北風が強かった午前中は、原発の南側にある栃木や茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川の各都県で場所によっては、
通常の100倍や10倍という高い数値を記録。東風に変わった午後は、西側にある福島県郡山市で
午前の130倍以上の値が出た。 各地の高い数値は、放射性物質が風に乗って拡散した結果とみられる。
いずれも人の健康に影響する水準ではないが、 都道府県に観測を委託している文部科学省は15日、
監視強化のため観測回数をできるだけ増やすよう要請。 測定結果をまとめ、1日2回公表することを決めた。
原発事故で放射性物質が放出されると「放射性雲」が発生。風に乗って流れる雲が上空を通過する際に、
放射線量が上昇するとされる。 福島第1原発では、原子炉格納容器の圧力を下げるため放射性物質を含む蒸気を放出。
3号機付近では15日午前、毎時400ミリシーベルト(1ミリシーベルトは千マイクロシーベルト)の放射線量を検出。
14日に最高値だった3130マイクロシーベルト(約3ミリシーベルト)に比べると桁違いに高い数値が観測された。
文科省が15日公表した14日午後5時~15日午前9時の測定結果によると、福島に隣接する栃木では、
最大で毎時0・864マイクロシーベルトを観測した。過去の平常値は最大でも0・067マイクロシーベルトで、
12倍を超える数値となった。 東京では0・147マイクロシーベルトを記録。
大気中からは原発で生まれる放射性物質であるヨウ素、セシウムを検出した。
このほか、埼玉は0・129マイクロシーベルト、神奈川は0・086マイクロシーベルト、 千葉も0・074マイクロシーベルトと、
通常の1・2~2倍程度だった。 一方、福島では15日午前は0・05~0・06マイクロシーベルトで推移していたが、
風向きが東風に変化すると 数値が急上昇。 午後2時には8・26マイクロシーベルトに跳ね上がった。
茨城県東海村にある東京大の研究施設の敷地内と、日本原子力研究開発機構の敷地内では15日朝、
通常の約100倍の毎時約5マイクロシーベルトを観測。午前7時46分から約20分間、毎時約5マイクロシーベルトが
続いた後、毎時約3マイクロシーベルトより低い値で推移した。 両機関は通報の基準を超えたとして国に通報した。
東大の上坂充教授は「午前1時ごろから数値が上がり始めた。放射性物質が風に乗ってきていると思うが、
人体には影響がないレベルだ」と話している。(共同)

「大震災」と「プロ野球」

まずは、下記の記事2本の紹介。
 「巨人の清武英利球団代表は14日、今後のオープン戦や公式戦について、 予定通り開催したい意向を示した。
20、21日は東京ドームでオープン戦、 25日には開幕戦が控える。ドーム球場では、照明の電力消費の問題も
懸念されるが、「復興に向けて前に進まなければ。お客さんは入らなくても、 プロ野球は前向きに始める、というアピールもある」と話した。 」
・・・さらに・・・「プロ野球は15日、東京都内でセ、パ両リーグが臨時理事会を開き、東日本大震災によって 楽天の本拠地、
仙台市が被災したのをはじめ、25日に控える公式戦の開幕への影響が懸念 される中で、
延期も想定される公式戦の日程を協議した。中日の西脇紀人球団代表は 「セは延期する理由はない」と話した。 」
 
コメント:
 16年前の阪神・淡路大震災の時は、プロ野球開幕までに、まだ2ヵ月半強の期間があった。
しかし、今回は、あと2週間足らずで開幕予定日になる。
おまけに16年前との違いは、被害地域が更に広範囲かつ甚大だということ。
さらに、夜の東京ドームの開催は、かなりの電力を消費する。
現在、電車も満足に動かず、ましてや、無計画停電期間中の、この時期に開催だと?
正気の沙汰ではない。この両代表の頭の中をスキャンしたい。

ゲーム中に停電したら、TV見れないし、16年前の半分しかないプロ野球視聴率(巨人戦)も半分以下になるだろう(笑)。
第一、ゲーム中の球場の照明が勝手に落ちたりして・・・
そんな余剰電力があるなら、被災地や病院にまわそうというのが、まともな人間の考えることだ。
今年は、1球団124試合で良いでは、ないか?・・・
要は、4月末あたりまで、開催延期するとこのくらいの試合数(レギュラー100試合、交流戦24試合)になるが、
悪いことはいわんから、これから、日程を組み直せよ。




福島原発事故と日本発の情報に関する国際的信用度

放射線医学総合研究所(千葉市)は14日、福島第1原子力発電所の周辺で被曝(ひばく)した患者1人を受け入れると発表した。ヘリコプターで輸送し、今夜中に同研究所に到着する見込み。放射線を取り除く除染などの治療を実施する。福島県では原発周辺の5カ所で地域住民らを対象に検査を実施している。放射線医学総合研究所は緊急被ばく医療研究センターがあり、東日本での被ばく患者の受け入れを行っている。(日経新聞)

コメント:


 患者さんの容態は気になる。健康被害が最小限ですむように祈りたい。

今日の更なる被害拡大によって、ヒトの健康問題もさることながら、現地の漁業などの生鮮食料品ビジネスは、長期間にわたり、多大な損失を受けるだろう。悪いイメージの払拭は容易ではない。


 さて、海外有名メデイアは、こぞって、日本政府や東電の発表・記者会見に不信感を抱いている。日本政府や東電がパニックを恐れるあまり、必要な情報公開がなされていないと思われているのだ。

 今回の大事故によって、またまた、日本の情報発信に関する国際的信用度の無さが露呈したわけだな・・・。

 日本だけではなく、国際的な調査団による情報に注目している。


 それは、そうと、「100年や200年に1回の大地震のための研究になんで、大きな予算を割かねばならないのかというような、とんでもない」発言をし、研究を仕分けした民主党の蓮舫議員は、一度くらい、度重なる自らの見識のなさを反省・謝罪したらどうか?このヒトのおかげで、日本はずいぶん国力を損ねたと思う。 なんと、このヒトは、節電担当も今の大臣職と兼務したとのこと。

無計画停電の責任とって辞めてください。



東北地方太平洋沖地震による輪番停電

予想では本日だったが、どうにか回避された。しかし、明日以降、ついに「輪番停電」が実施される模様だ(14日の都内も荒川区以外は回避方向らしいが・・・)。未曾有の被害がもたらされている被災地で直接救援活動はできなくても、電力消費抑制は、きついながらも(特に病院)、1人1人が協力できることであろう。われわれの大学(東大)でも、明日から下記のようなことになる。

当然、歌舞伎町や六本木の歓楽街のネオンは、1週間くらいは、消灯だと思うが・・・。なお、パチンコ店の営業は、当分の間、中止してもらいたいなと。


「電力需給が極めて厳しい状況を踏まえ、本学としても電力の使用抑制を積極的に対応していただきたいと考えております。

各部局におかれましては,電力の使用抑制のため,特に下記の対策をとっていただくように要請いたします。


対策1:電気を使った暖房・空調の停止(研究・診療等で支障のあるものは除く)

対策2:照明の消灯(可能な限り。病院に関しては3分の1程度)

対策3:大規模な電力を用いる実験・研究の休止」


さて、今回、思うに、16年前の阪神・淡路大震災で得られた教訓が、都内の人々では、あんまり生かされていないように思う。

たとえば帰宅困難者は安全が確保されている場合、長距離を歩いて帰るのではなく、動かないほうがよいのだが・・・。また、安否確認は、携帯よりは、伝言サービスを利用するのがベストなんだが・・・。


この調子だと、確実に前倒しになった東京での大震災時がさらに心配だ。