福島第1原発メルトダウン・・・最悪の展開
もはや言葉が出ない。
いちおう、放射線医学の豆知識・・・。
放射線被爆は、人体の細胞の遺伝子にダメージを与え、癌の発生要因となることは、ご存じの通り。
人間が1年間に浴びる放射線量の基準は、1ミリシーベルトまで。
ただし、実際に人体に悪影響が及ぶのは年間100 ミリシーベルト前後といわれていますが・・・
(ちなみに、胃のX線検診を1回受ければ、0.6ミリシーベルトの放射線を受けることになりますけどね。)
・・・今回、 福島第1原発1号機周辺で測定された、1時間に1.015ミリシーベルトという量は年間の限界量に相当するもので、極めて憂慮されるべき量ですな・・・。
これは、もう、世界のトップ技術者に全面協力を仰げ!
災害救助についても、まず、米軍も即座に導入しろ。
日本人だけでは無理だ。
明日、関東では大規模な停電がおこりそうだが、それどころの話ではない。
一体、何をやってるのか?
巨大地震と日本の「周期」
その後、16年後の昨日起こった東北大震災時は「菅内閣」。
この間のほとんどは自民党中心の内閣・・・。
この16年間程で日本は、1周回したかのように思う。
ただし、あんまり前進はしておらず、むしろ、国力的には後退しているようにさえ思う。
今回の大震災によって、政変は小休止し、今年の解散・総選挙は無いだろう。
むしろ、今こそ、超党的な「救国内閣」で、霞ヶ関の役人をめいっぱい働かせて、
最優先課題を迅速に処理してもらいたい。
脳死状態に入った日本の現政権
今日の東京は朝から雪でした。
日本では政変が起こる時は「雪が降る」というのは、昔から変わりませんね。
いよいよ、現政権は脳死状態です。
このブログで昨年末である12月末あたりの記事で(もう3ヶ月たつのか・・・)、政変は3月ー5月くらいに起こると書いてましたが、あたりそうですね。
実際の解散総選挙は6月-7月でしょうけど。
「統一地方選挙が国民生活より大事な」公明党なんぞの気を引くために、7月あたりまで引き伸ばさないでもらいたいなと。
あるいは、今の(嫌われ者の)首相に、消費税増税などなど、面倒な事を全部押し付けて、道筋をつけさせてから、やめさせる戦略なのですか?・・・国民生活よりも、自分たちの生活および権力維持が最優先の「全政治家」および「一部のキャリア官僚」の皆様・・・そして、大マスコミの方のお考えでは(笑)。
京大不正入試「事件」の雑観と日本の各分野の退廃ぶり
通常は、どんなに偉い先生にでも修正指示が入るのに、私のは、1つもない、素晴らしい・・・って、事務に言われたが、そりゃそうだ。あれだけ、まじめに日記どころか、毎日、ミニ論文書いてるようなレベルの日報書けば(しかも、素人にわかるようにというご注文までつく)。そんなくだらない作業も、もう少しで一段落。。。
まあ、先日の研究中間評価でも、自分の研究は専門委員の中では良い評価だったけど、そりゃ、まあ、某一流誌に受かりそうなデータで説明してりゃそうでしょうよ。昨日、「そのくらいの仕事してるのに、ましてや、そのグラントを取れてるのはオマエの業績のおかげなのは誰が見ても明らかなのに、なんで、とっても安い研究費(人件費)なんだ」と、論文に入れるデータ相談時に、海の向こうから、ハーバードの同僚達が怒ってたよ。
(まあ、彼らも、国の財政状況がまだまだ?なので、大変な様子。)
まあ、そういわれてもなあ・・・、それが、この国なんだよ(とは、いっても、私もタダでは転ばないケドネ)。
さて、その他の仕事も、片付けたので、昨日に続き、「大学入試事件」の雑観。
早稲田が当事者の合格を取り消したか・・・無理だと思ったが・・・。
なんで無理だと思ったかって?
あんな程度の短い英作文で、たった1人を特定なんてできないし。
正解というのは、かなり似通ってるぜ。だいたいキーワードの熟語使うか否かなんだろう?
また、その他のほとんどが、択一の問題なんだから・・・。
逮捕されてからの取り消しって、たぶん、早稲田は解答で判断したわけではないな。いちおう5600人の答案見たとかいってるけど。嘘付け(笑)。上記のようだから、(京大のおかげの)警察情報で名前を特定して、取り消したんだろうな。京大の総長には、御礼をいっとけよ、早稲田の総長(笑)。
まあ、京大だが、昨日書いたように、どう考えても、試験監督者も責任の1端はあるぞ。
大学は、「万全の体勢」を敷いていたと記者会見で強弁するなら、どう万全だったのか、どのような監督体制だったのかを詳細に教えて、判断してもらったら・・・公的に。なんで、今の今まで、この部分を隠すのか?
まあ、試験監督は居眠りしてたんだろうね。あるいは、教官ではなく、どこかのバイトの誰かさんが試験監督してたとかね。
総長殿も、この際、責任とって自ら、進退伺いでも出したら?
俺ならそうする。「万全をとっていたが、多くの真摯な受験生に不安を与え、社会の皆様にお詫びする」とか言って。これだけ、自らが大きく騒くほどの事件が在任中に起こったのだから。
なお、今月末と4月1日には、iPS細胞の国際シンポジュウムが、世界の超大御所を集めて京大で開催される。
まあ、これは、山中先生のノーベル賞授賞のためのデモンストレーションであるけどね。
そういうときに、タイミング悪く、世界的に恥ずべき問題が生じたわけだ。まあ、あと70日くらいしたら日本人は忘れてくれるけどね(笑)。
まあ、マスコミも、誤報はするわ、謝らんわ、あげくのはてに「連日1面トップに持ってきてたにも関わらず、騒ぎすぎだと書いた大新聞もある」からな。また、10日の合格発表時には騒ぐだろう。わけのわからん専門家の評論も見事なまでに「わけわからん」なあ(笑)。
無論、不正受験生を擁護するつもりは一切ないが、もう、必要以上に社会的制裁を加えられたわけで、合格取り消しで、1からやり直してもらいたい。いい機会だ。大学以外の道も考えな。
必ずしも京大に入れていたとしても、4年後、良い就職ができるか否かわからないもの。
上記のような「専門家」でも、飯が食える時代だ。ここは一発、自分の才で飯食ってけ。
日本は、なんだかんだいって、まだまだ「学歴信仰社会」なんかな?
異常な騒ぎ方だし、老若男女を問わず、総評論家状態になるほど、高い関心事のようだ。
あらゆるNewsがすっとんで・・・。まあ、本来、このブログではワウチン被害のネタ書こうかと思ったが、私が書きそうなことくらい、ここの読者の皆様ならわかるでしょ?(笑)
何かと話題の京大入試
京大入試のカンニング事件は、実行者の「逮捕」でクライマックスのようだ。
早稲田大学には受かってるらしいが、早稲田大学は不正実行者の彼の合格をいまごろ取り消せるのだろうか?まあ、難しいだろうねえ。
たぶん、自主的な入学辞退を迫るのだろうな。
これからは、受験生全員の持ち物を徹底検査して、携帯を入室前に、「1時預かり」にするようになるのだろうか?今の制度下じゃ、それしか手はないけどな。
一方、大学も、きわめて杜撰な試験監督だな・・・と、私的には思うけどね。
やられた大学の試験監督者は、減給ものだな。
まっ、大学入試に限らず、国家1種試験や司法試験や医師国家試験でも、今回と似たようなことが、起こる(というか、すでに起こっている)と考えるのが自然なのかな?
そちらのほうが、本番の国家試験問題の1部事前漏れなど、ある意味、さらに酷い状況があるように思うが・・・(最近、慶応のロースクールの件が表面化したが・・・)。
それはそうと、入試問題や国家試験問題の印刷って、確か、刑務所でやってるとか(笑)、聞いたことがある。大昔、某国立大学(関西地方)の入試問題が、サッカーボールの中に入れられて、塀のむこうから、蹴りだされ、持ち出され、不正入試が行われたことがあるそうな。
まっ、こういうことがなされなくても、上記のように、(上記国家試験に多数の合格者を出す)大学学内の期末試験や授業なんかで数ヶ月以内に出された(話された)問題と同一の問題が本番の国家試験で出されることもあるし・・・。ああ、恐ろしいねえ「大人の試験」は(笑)。
まっ、不正受験生をこれでもかと言わんばかりに、第1級の猟奇殺人犯なみにたたきまくるだけではなく、この機会に、(欠陥の多い)日本の入試制度や教育・社会制度を再考する議論を行ってほしい。
サルへiPS網膜細胞移植成功…臨床応用へ一歩
様々な組織の細胞に変化するiPS細胞(新型万能細胞)から網膜の細胞を作り、サルの目に移植することに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターのチームが成功した。
人に近いサルでの成果により、iPS細胞を使った世界初の臨床応用に近づいた。3月に東京で開かれる日本再生医療学会で発表する。
高橋政代チームリーダーらは、カニクイザルの皮膚からiPS細胞を作り、視細胞に栄養分などを補給する「網膜色素上皮細胞」に変化させ、縦1ミリ、横2ミリの細胞シートを作製。サルの網膜の裏に移植した。約2か月たった現在も異常はなく順調に定着している。
サルの実験では、慶応大が人間のiPS細胞を使い脊髄損傷の治療に成功している。ただし脊髄損傷では神経細胞に変化する途中のものを使う。網膜では、完全に変化した少数の細胞で治療が可能なため、実用化が近いと期待されている。(読売新聞)
コメント:
網膜色素上皮細胞だと細胞分裂増殖はほとんどしないので、その分(ほかの細胞移植治療に比べて)ガン化リスクがほとんど無く、ヒトiPS細胞利用の細胞移植治療という観点では、これが1番手と目されている。順調に移植細胞が生着しているようで、今のところ順調だろう。
ただし、最終的にヒトでうまくいっても、「目がパッチリ見えるようになる」わけではない。おそらく患者さんからすれば、たとえば「朝の光」が感じられ、「朝なんだな」と思えるようになるくらいだろう。
そこから先は、まだまだブレイクスルーが必要なのだ。
ウイルス・外来遺伝子フリーのヒトiPS細胞が使用されているのだろうか?
(まあ、今そうでなくても、ゆくゆくは、そういう方向での臨床研究デザインになるだろう。)
まだ、論文にはなっていないので、それを含めての学会での報告(3月1日・2日)が楽しみである。
また、このヒトiPS細胞利用の「細胞移植治療」の臨床研究→臨床試験→承認方法は、通常の医薬品・医療機器の臨床研究→臨床試験→承認方法とは異なる新たな枠組みをつくっておくべきだと、前から思っているが、急ぐべきだ。
また、どうしても(こうした最先端医療の探索の過程では)不幸な結果が生じる患者さんがいる。その患者のためにも諸外国のように「被験者保護法」を、この機会にあわせて、この国でも、いい加減、制定しないといけないが(前から繰り返し言っている)、まあ、「自分のことしか考えていない」今の民主党のボケどもでは無理だ。彼らのおかげで、この種の臨床研究・臨床試験も、気がつけば、米国が先にゴールしているだろう。
皇室と今日の東大病院
ついでに東京は雪が降ってる、なう。
こういう日に、天皇陛下が、うちの病院(東大病院)に来院され、入院し、検査(冠動脈検査)を受けている。
なんという、シチュエーション。
SPどころか、(普通の)大学の事務職員の皆さんまで休日出勤して、ずっと立ったまま、入院棟の各所をバリケードだ(笑)・・・ご苦労様です。院内通行止めのカーテンまで引いてある。
私は論文書きのために、早朝から研究室にいるが、食堂にお昼の弁当買いにいこうとしたら、今日は、やってねえ・・・。
入り口の24時間営業のコンビニの弁当もほとんど無い。まあ、いいっか。
「平成」の次は、どんな元号になるのかな?などと、ふと、考えてみました。
「平成」の元号を世の中に紹介したのは、故 小渕氏(当時、官房長官)。
その後、彼は、総理在任中に亡くなったな・・・くしくも「循環器疾患」で・・・。
すいません、不敬なブログで。
iPS細胞特許・・・今後の展開
京都大は1日、米バイオ医薬品ベンチャー「アイピエリアン」からヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)作成に関する特許を譲り受けたと発表した。ア社特許は、京大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授らが開発・出願した技術と似ており、昨年、米国の特許庁が、どちらが先に発明したかを選定する審判(インターフェアランス)の開始を宣言する可能性が高まった。係争になる恐れがあったが、今回の譲渡により、再生医療や創薬の分野で最先端に立つ米国で年内にも「山中特許」が成立する公算が大きくなったという。
京大は三つの遺伝子を導入するiPS細胞作成技術の特許を国内外に出願し、日本では09年11月に特許権を取得した。一方、バイエル薬品(大阪市)も類似の技術開発に成功し、国内外に特許出願。同社の関連会社から権利を譲り受けたア社が英国で10年に特許権を取得した。今回の京大への譲渡は、ア社が昨年末に申し出たもので、係争を避ける目的とみられる。金銭のやり取りはない。
一方、譲渡に伴い、京大側はア社と、京大が持つiPS細胞関連の基本特許技術の使用を許諾するライセンス契約を結んだ。ア社は今後、京大特許で作成したiPS細胞や分化細胞を使い、さまざまな治療薬の研究開発を行うことができる。また、山中教授が1月にア社の科学諮問委員に就任した。山中教授は「より研究に専念できる環境を整備していただいた。ア社との連携を強め、特に創薬分野でのiPS細胞技術の実用化を国内外で進めていきたい」と話している。
米国では、日本のように最初の出願者に特許権を認める「先願主義」ではなく、最初の発明者に認める「先発明主義」を採用。係争になると、研究ノートの調査などが必要で、膨大な時間と多額の費用がかかる可能性があった。(毎日新聞)
iPS特許、京大が米企業から無償取得
京都大学は1日、様々な組織の細胞に変化する人のiPS細胞(新型万能細胞)を作製する方法の特許を、英米で特許取得・出願中の米企業から無償で譲り受けることで合意したと発表した。
iPS細胞は山中伸弥・京大教授が世界で初めて作製に成功し、2008年9月に国内の特許を取得。しかし欧米では、京大をはじめ複数の研究機関や企業が関連特許を出願しており、激しい競争が続いている。今回の合意により、京大がiPS細胞の国際的な知的財産権を制する可能性が高まった。
京大に特許を譲渡するのは、米国のベンチャー企業「アイピエリアン」(I社)。人の細胞に3~4遺伝子を導入してiPS細胞を作る方法に関する特許で、独製薬企業バイエル・シェーリング・ファーマが08年6月に国際出願し、その後I社に譲渡されていた。英国で成立済みのものや、欧米や中国、韓国、豪州などに出願中の計約30件を京大に譲り渡す。
I社の作製法は山中教授の方法とよく似ていたため、発明者を特定する審判を近く開くことを米国特許庁が決定。長期にわたる審判を避けるため、I社は昨年12月、特許の無償譲渡を申し出ていた。
(読売新聞)
iPS細胞特許、米バイオベンチャーが京大に無償譲渡 係争回避し研究に専念
京都大学は1日、再生医療に使う「新型万能細胞(iPS細胞)」関連特許で、米バイオベンチャーのアイピエリアン(カリフォルニア州)と協力することで合意したと発表した。1月27日付で、アイピエリアンが保有する特許を京大に無償譲渡。アイ社と京大が保有する特許のライセンス供与を受ける。両者はヒトiPS細胞の作製特許で優先権を主張していたが、共同歩調をとることで、京大が米国などで出願した特許の成立に大きく前進した。
iPS細胞は皮膚などの細胞から作れ、あらゆる細胞や組織に成長する能力を持つ。京大の山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功。4つか3つの遺伝子を組み込んで作製する技術などで出願。4つの遺伝子を使う技術については国内などで特許が成立している。しかし、ヒトiPS細胞については独医薬大手バイエルが3つの遺伝子で作製する方法を発明、譲渡を受けたアイ社が米英などに特許出願していた。
両者の特許はほぼ同様の内容で、米特許商標庁はどちらに優先権があるかを審判する方向で手続きを進めていた。その場合、数億円の弁護士費用が必要なうえ、結論が出るまでに2年ほどかかるとされる。iPS特許のライセンスビジネスはまだ小規模なので、アイ社は係争を維持するメリットが薄いと判断したものとみられる。
京大で会見した山中教授は「知的財産の部隊はアイ社と粘り強く交渉していた。これで研究に専念できるので感謝している」と語った。また松本紘総長は「無益な係争を回避したい意志が両者にあった。話し合いはスムーズに進んだ」と明かした。
これで、京大が世界に出願しているiPS関連特許の成立に前進した。しかし、iPS細胞の作製技術は多様な手法が世界中の研究機関やベンチャーから出願されており、再生医療に必要な特許がどれになるのかは不透明だ。(日本経済新聞)
コメント:
この案件について各誌が、一様に取り上げているが、まあ、記事的には日経新聞が一番正確だ。
さすがは「経済誌」。日経の最後の1文が重要なのでね。
若干補足しておくと、前にも書いたが、ヒトiPS細胞の臨床応用・ビジネス利用の際には、「山中基本特許」を軸に数百程度の各種特許(強いのから、小粒でもピリッと辛いものまで)の組み合わせで展開される。
だから、最終ゴール(100メートルとでもしようか)に向けてというなら、米国で山中基本特許が近いうちに成立した段階(たぶん、今年中)でも、50メートルいくかいかないかくらいだという感じかな・・・。
中でも強いのは、医薬品のみでヒト正常細胞からiPS細胞を創る特許だが、その特許は上記のベンチャーも、まだ持っていない。「山中基本特許」からみれば、その特許が今後の最大の脅威となるだろう。
まあ、もちろん、センダイウイルスで創る方法も忘れていないよ。
その技術と「山中基本特許」とのクロスはできていることを考慮したうえでの、上記コメントでした( ´艸`)
アジアカップ決勝戦の予想
といっても、今までTVを見ないで、この結果だから、次もそうしよう。
試合の結果予想だが、日本が2-1か1-0でオーストラリアに勝つでしょう。
まあ、とにかく勝ってくださいませ。
今日、新聞報道された「ヒトiPS細胞利用の研究論文(Nature誌)」に対する雑観
医学ニュースとしては、今日、日経新聞に「QT延長症候群の患者からiPS細胞を樹立して、心筋細胞に分化誘導した研究がNature誌に載った。」と報道された。
こんなもん、昨年に(今から3ヵ月くらい前)、世界の超一流誌たるNew England Journal of Medicine誌に、詳細な論文報告が出ている。同じく世界的な超一流誌であるNature誌が「同着」でもなく、「後追い」で、こうした、ほとんど新規性が無い論文を載せるのはきわめて珍しい・・・。
両誌とも、レトロウイルス利用で山中4因子で樹立されたものだし・・・。(せめて後続のNature論文は、レトロウイルスや外来因子が除去されたものでやって欲しかったなあと・・・。)まあ、人種差よりは、患者の個人差(遺伝子変異)のほうが重要なんだろうなあということは論文からわかるが・・・これとて、そんなに新しい概念ではないし・・・。
もう10年以上前から言われてきてることだ。
じゃ、何か、Nature論文では、QT延長症候群に関する新規のメカニズムが今まで以上に解明されたのか? ヒトiPS細胞は、その解明に役立つだろうとNature論文にはある。・・・ハア?
・・・そういうことは、もはや誰でも言ってるわ(笑)。特に専門家じゃなくても。
もちろん、リサーチ(研究の)ツールとしてのヒトiPS細胞の有用性は私も十分認める。(実際、自分もやってるし・・・。)
ただ、「ツール」としてのiPS細胞は移植医療につかうよりも、早く実現するといわれているが、なんでもかんでもが、そうではないことには注意すべきではないか?
難病のメカニズムの解明に、ヒトiPS細胞を使えば「答え」よりも更に多くの(わからないが解決すべき)問題も「明確化」してくることくらい、2000年以降の「ゲノム研究の教訓」 から、学べよと思うけどね。案外、ごく1部の疾患だけど、ヒトiPS細胞利用の移植医療の臨床研究が始まるほうが早いと思うよ。
少なくとも、臨床研究の申請だけは、今年中に出されそうな雰囲気があるよ・・・日本でね。ただし、申請はされても、そこから、グダグタと無駄な時間が費やされるのが、Japan Quality。
昨年末から年明けの今にかけて、上記クラス以上の研究成果に関する投稿論文(英文)を2つと、英語の専門書の担当章の原稿と、その他、依頼論文(日本語、英語)を2本、更に、他にも、冒頭のような会議の準備作業やら何やらがあったが、ようやく、それらは落ち着きつつある。・・・とは、いっても、また新たに同じくらいの(あるいは、それ以上の)仕事があるけどね。。。
まあ、とにかく「負けないで」走り抜けるわ。