おはようございます
すっかり秋の雰囲気ですね。気づけば、東洋医学講座も36回目、9ヶ月になりました。過ぎてみると早いものですねぇ。。。No.33 、No.34 、No.35 と、3週にわたって気の変調をみてきました。今回からは血の変調についてお届けします。
健康なとき、血はどんな役割をはたしていたでしょうか。血のもっとも大切な機能は、栄養を身体のすみずみまで送り届けること。すなわち、滋養作用です。血は営気とともに脈中を流れながら、その役割をはたすんでしたね(詳しくはこちら→No.22 )。
血の変調を大きく分けると、血が不足してしまう場合と、血の流れが停滞してしまう場合、寒邪が血脈に入った場合、熱邪が血脈に入った場合の4種類。なので、記事が少し長くなりますよ。
血の不足: 血虚
血の滋養作用が低下しますので、身体のあちこちで栄養不足が起こります。現代医学的にいえば、貧血の状態ですね。↓のようなことがあると、血虚になります。
① 脾胃虚弱あるいは思慮過度による脾胃機能失調
② 飲食失節(→No.31 )による栄養摂取不足
③ 大病、慢性疾患、老化、労倦(→No.31 )などによる過度な血の消耗
④ 外傷や失血性疾患による過度の失血
⑤ 肝の蔵血作用低下(→No.10 )あるいは脾の統血作用低下(→No.11 )
②と③をみると、気虚の原因と共通しています。そして、①は気虚に近い状態です。つまり、気虚は血虚の誘因になるんですね。
症状としては、肌につやがない、皮膚の乾燥・かゆみ、唇や爪の色が淡白、便秘、月経不順、めまい、脈が細いなどがみられます。
血虚が起こりやすいのは、心、肝、そして女性の月経に関係の深い衝脈と任脈という経脈です。↑にあげた症状のほかに、心血虚では動悸や不眠、肝血虚では目のかすみ、視力減退、筋肉のしびれ・ふるえ、衝任脈の血虚では月経の遅れ・閉経・月経困難などが生じます。
血の停滞: 血お
血が順調に流れないと、お血(→No.32 )ができます。お血ができた状態を血おといいます。ちょっとややこしいですね。↓のようなことがあると、お血ができて、血おになります。
① 気虚による推動作用低下(→No.34 )
② 気滞による血行障害(→No.35 )
③ 寒邪による血脈の凝滞(→No.28 )
④ 熱邪による血の水分不足(ドロドロ血)
⑤ 外傷による血脈の阻滞(→No.31 )
⑥ 痰飲による血脈の阻滞(→No.32 )
もっとも特徴的な症状は、刺すような痛みで、しかも同じ場所(お血のできた部位)が、特に夜間に強く痛みます。顔色が悪く、肌はサメ肌のようにザラザラになり、舌が暗い紫色に。月経血の色も暗い色になって、時おり血の塊りが混ざります。脈は、つっかかるような渋った脈です。
寒邪による血の凝滞: 血寒
外から寒邪が入ったり、冷たいものを摂り過ぎて身体の中に寒邪ができたりすると、血寒になります。顔色が青白くなり、手足が冷え、脈がピンとはった感じになります。また、↑に書いたように、血おを起こすこともあります。
熱邪による血の水分不足: 血熱
外から暑邪(→No.27 )や火邪(→No.28 )のような熱を帯びた邪が入ったり、精神的な抑うつが長期化して体内に熱邪が発生したり、辛いもの・味の濃いもの・塩からいものを摂りすぎたりすると、血熱になります。症状としては、口のかわき・苦味、便秘、発熱。脈が速く、舌は紅く、舌苔が黄色くなります。悪化すると、出血や月経過多、お血を生じます。
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今日もいい1日にしましょう。
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