銀二貫 ~最終章「銀二貫」~ | 北浜・西天満で働く弁護士のブログ

銀二貫 ~最終章「銀二貫」~

長らく続いた、小説「銀二巻」の話題も、これで最後にしようと思います。


小説の舞台の1つ、現在の「天神橋」の風景


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天神橋の上、「高津さんの梅やの」と笑う真帆がいる。

「松吉、お願い」と手を合わせた真帆がいる。

「松吉、私、ほんまは……」と声を絞った真帆がいる。

松吉の胸の中に、真帆が溢れた。

(高田郁(かおる)著/銀二貫/株式会社幻冬舎発行/2010年8月発行/最終章「銀二貫」より)



二人の最後はどうなったのでしょうか。


仮に小説ではハッピーエンドで終わったとしても。


(もし二人が現に生きていたとしたら)

その後の二人は、(史実に基づけば)ハッピーどころか、きっと、実際に大坂の町で起きる幾多の火事に苛まれ、更なる試練を迎えていることと思います。(2月1日ブログ「銀二貫 ~序章②~ 」)


しかし、「のれん」の精神と2月6日ブログ「銀二貫 ~第2章「商人の矜持」②~ 」)と、

始末、才覚、神信心」の心得2月17日ブログ「銀二貫 ~ 第6章-第10章 ②~

に従い生きる、彼ら大坂町民であれば、絶対にそれらの試練をも乗り越えてしまう。


そんな期待を抱いてしまいます。


「小説らしい小説を読んだことがない。」という私を憐れんで、スタッフが貸してくれた小説「銀二巻」

(1月21日ブログ「銀二貫 ~序章~ 」)


…失礼ながら女性コミックの世界で、これほどジャーナリスティックなメッセージをエンタテインメントとして成立させる原作者がいるとは、正直驚きだった。後で知ったことだが、震災で彼女の自宅は半壊している。

(同書末尾・解説344頁/水野晶子(毎日放送アナウンサー))


小説に詳しくない私が評価する資格などないですが、

正にジャーナリスティックなメッセージが溢れ出てくる本。


それと共に。

主人公の松吉や真帆が流す涙と、同じとき、同じくらい、涙が込み上げてきてしまう、

感動のエンタテイメントだと思います。


この本で出てくる言葉を拝借するなら、作者にこう感謝の言葉を述べたいです。


「ほんに読み安うて、ええ本でおました。」


~完~


【関連ブログ】

1月21日ブログ「銀二貫 ~序章~

2月1日ブログ「銀二貫 ~序章②~

2月3日ブログ「銀二貫 ~第1章「仇討ち買い」~

2月4日ブログ「銀二貫 ~第2章「商人の矜持」①~

2月6日ブログ「銀二貫 ~第2章「商人の矜持」②~

2月7日ブログ「銀二貫 ~第3章「真帆」~

2月10日ブログ「銀二貫 ~第4章「同月同日の大火」~

2月13日ブログ「銀二貫 ~第5章「再会」~

2月17日ブログ「銀二貫 ~ 第6章-第10章 ①~

2月17日ブログ「銀二貫 ~ 第6章-第10章 ②~