銀二貫 ~第3章「真帆」~
【あらすじ】
大阪天満の寒天屋問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴乃輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。
「高田郁(かおる)著/銀二貫/株式会社幻冬舎発行/2010年8月発行」裏表紙より。
第3章は「真帆」
青地部分が第3章のあらすじ。
松吉が、井川屋に奉公人に上がって、15、16歳の春のお話。
10歳の少女・真帆と、天神橋の上で初めて出会い、声をかけるシーン。
中之島公園の東端、「芝生広場」からみた天神橋全景
(松吉が、天神橋を渡る真帆が髪に挿していた、簪(かんざし)代わりの梅の一枝を落としてしまったのを見て)
「梅の枝を落としはりましたで」
あら、と振り向いたのは、くっきりと切れ長な目が印象的な、雛人形のように愛らしい少女だった。松吉よりも四つ五つ、幼く見えた。
「おおきに」
少女は、言って手を差し伸べた。
「高津さんの梅やの」
高津社は梅の名所で知られていた。誰からか一枝もらったらしい。
(「高田郁(かおる)著/銀二貫/株式会社幻冬舎発行/2010年8月発行」81頁より。)
この章では、「娘、妹にいたらなあ。」と思ってしまうくらい。
愛らしい真帆と、松吉とのやりとりが、たくさんみられるのですが。
読んでいない人のために割愛します。
私が今回、取り上げるのは、赤字部分。
読み仮名が振られていなかったので、当然?に、元ヤクルト投手と同じ、
「たかつ」で読み終えました。
「たかつさんの梅やの」
ある日、ふと、「『高津社』(たかつのやしろ)って、大阪のどこにあるのか?」と気になり、ネットで調べると…
高津社(こうづのやしろ)・・・
つまり、「こうづさんの梅やの」が正解。
大阪人のスタッフを捕まえて詰問。
私 : 「大阪の人って、みんな、これを 『こうづ』 って読めるの?」
スタッフ: 「読めると思います。」
私 : 「なんで読めるの?元ヤクルトの高津知らんの?年配の方はともかく、若い子も読めるの?」
スタッフ: 「若い子も読めると思います。 『こうづ』 って名前のつく専門学校とかありますし、『こうづ』 ってつく高校もありますし。私だけかもしれないですけど。たぶん大阪の人は、この本のように、人の名前でなくて地名とかで『高津』が使われているときは、自然に 『こうづ』 って読むんじゃないですか。」
調べます。
ありました。
大変失礼しました。
安易に読んでしまい、深くお詫び申し上げます。
今回は、
元ヤクルトの「たかつ」と間違って読んでいた読者(私だけ?)のためになる、ブログになったと自負しております(私だけ?)。
しかし、大阪の地名の呼び方は、本当に難しい。
さらに。正式名称でも? 違ったりする。
例えば、正式名称は、「松屋町(まつやまち)」であるにもかかわらず、
大阪人は、「まっちゃまち」と呼ぶ。
大阪まっちゃまち筋商店街(松屋町筋) 人形・おもちゃ・花火など ... 、松屋町筋商店街振興組合
私が確信を持って言うのに。
「イトッティ(私のあだ名)、ちゃうで。『まっちゃまち』やで。」
私が交差点の表示「まつやまち」を、指し示しながら、違うと言っているのに。
「その表示がちゃう。『まっちゃまち』やで。」と言って聞かない。
お上(役所)が決めた名称も、自分らの好きなように呼んでいる。
お神をも、
大阪天満宮を、「天満の天神さん」(1月3日ブログ「天満の天神さん 」)
今宮戎神社、堀川戎神社を、「えべっさん」(1月11日ブログ「えべっさん 」)
「いうて気安うに呼ばしてもろてる。」(2月3日ブログ「銀二貫 ~第1章「仇討ち買い」~ 」)
マクドナルドの「マック」を、「マクド」と呼ぶ。
こうなると、大阪人が、
渋谷109の「マルキュー」を、「テンキュー」と呼ぶ可能性を、大阪人でない私だけが危惧している。
(2月5日ブログ「「SHIBUYA109ABENO」? (4月26日オープン) 」)
ややこしや~、ややこしや~。
大阪。
私が間違ったまま読んでいるものが、この大阪にはたくさんあると思います。
大阪の方々。
私が間違っていたら、忌憚なくご指摘していただくと、嬉しい限りです。
* 高津宮(高津社)については、こちら
⇒高津宮(高津神社) ~大阪市中央区高津~古典落語「高津の富」の舞台にもなったお宮です。 、「浪速 高津宮」作成
高津宮は、大阪市中央区高津1-1-29 、谷町筋線・谷町九丁目(タニキュー)駅と、堺筋線・日本橋(にっぽんばし)駅が最寄駅のよう。
タニキュー・日本橋(にっぽんばし)駅は、1月19日ブログ「レオーネへのアクセス 」>事務所概要>PDFマップはこちら、で。
なお、東京では、東京の日本橋を、「にほんばし」と読みます。
ややこしや~。東京も大阪も。
【関連ブログ】
1月21日ブログ「銀二貫 ~序章~ 」
2月1日ブログ「銀二貫 ~序章②~ 」
2月3日ブログ「銀二貫 ~第1章「仇討ち買い」~ 」
2月4日ブログ「銀二貫 ~第2章「商人の矜持」①~ 」
2月6日ブログ「銀二貫 ~第2章「商人の矜持」②~ 」
2月10日ブログ「銀二貫 ~第4章「同月同日の大火」~ 」
2月13日ブログ「銀二貫 ~第5章「再会」~ 」
2月17日ブログ「銀二貫 ~ 第6章-第10章 ①~ 」
2月17日ブログ「銀二貫 ~ 第6章-第10章 ②~ 」
2月20日ブログ「銀二貫 ~最終章「銀二貫」~ 」