巨額損失の外貨準備はアメリカへの上納金の結果
2月5日
外貨準備高で世界ナンバー1は中国です。
日本は2位で、この点でも日本よりも中国の方が金持ちで、日本の凋落は著しいと思う方もいらっしゃるかもしれません。でもそれは大きな勘違いです。
外貨準備を他の国はどの程度持っているかをご存知ですか?
植草一秀氏の次の本から引用しますと、2011年8月末時点では次のようになります。
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却/植草 一秀
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・中国 2兆8800億ドル
・日本 1兆2185億ドル
では他の国はというと次のような数字になります。
・ロシア 4800億ドル
・ドイツ 2200億ドル
アメリカや英国、フランス、イタリアを見ても、すべて2000億ドル以下です。
なぜ中国と日本が突出して大きいのか?
まずは中国です。
中国の外貨準備が大きくなる理由は、中国が完全な変動為替相場制を取れないことによる、人民元が高くならないように、その上昇を抑えるために巨額のドル買い介入した結果で大きくなっているのです。
別に日本よりも金持ちだからと言うのではなく、日本製品と比較して中国の製品は価格競争力でしか勝てないローテクなものが多いことによる苦肉策といっても過言ではありません。
さらに、これはうがった見方かもしれないけど、腐敗した共産党幹部の巨額資産にドル建てのものが多く、その資産の毀損を防ぐために必死こいて人民元の上昇を防いでいるとも、誰が言っていたかは失念しましたが、このことも巨額なドル買い介入をする理由ではないかと思います。
では日本は完全な変動為替相場制をとっているのに、なぜ、他国と比較して突出した1兆ドルをも超える外貨順部を保有しているのか滅茶苦茶不思議だと思いませんか。
実はここに日本のアメリカへのATM機能を果たしている証拠があるといっても過言ではありません。
では政府の外貨準備はどのようになされているかを、植草氏の上記の本から論旨を要約すると次のようになります。
「政府の外貨準備のお金の出所はどこかというと、これは日銀である。政府は日銀からお金お借りて、そのお金でドルを買っている。ドルを買うといってもいろいろな方法があるが、基本的にはアメリカ政府が発行している国債を購入している。」
アメリカの国債で外貨準備を運用しているわけです。
この国債の残高が2011年7月現在で9148億ドルになっていて、ここに大きな問題が存在します。
それは、このことで巨額為替損失が発生しているのです。
2007年6月に日本政府は9135億ドルの米国債を中心とする外貨準備を保有していて、その時の時価総額は113兆円でした。
そして2011年8月の1兆2185億ドルへと外貨準備が増加しています。
その差は、3050億ドル。
平均100円でドルを購入したとすると、2007年6月の残高と新たに購入したドル資産の合計金額は143.8兆円になります。
これが、2011年8月末残高を同日の為替レート76円で換算すると92.6兆円。
要は、4年間で51.2兆円もの為替差損が発生しているのです。
この額は過去最大といわれる2011年度の一般会計予算92兆4116億円の半分以上を占める額です。
もっと言い換えれば、野田と財務官僚の馬鹿達が上げようと死に物狂いになっている消費税のなんと20%分にも相当する額で、外貨準備の責任を担ってきた財務省の責任は極めて重大です。
でも責任追及されないのは、このことはアメリカの命令によるものだからOKなのです。
ふざけると思うけれど、逆らうと命が危なくなったり、出世も権力維持もできないからやってしまうのでしょうね。
本当に、こんな巨額損失を見てしまうと、毎年度2000億円の社会保障支出のカットが如何に無意味なことか、また、震災復興の資金捻出のために増税するなんて議論が如何に馬鹿げた議論であるかを理解していただけると思います。
そもそも、日本の外貨準備が激増したのは、2002年9月から2004年3月にかけての1年半で、4607億ドルが8265億ドルに激増しています。
この時期の政権は最悪の売国奴である小泉・竹中政権で、日本の株価暴落を誘導し、米国系の外資ファンドに日本の株式や不動産を買占めさえた時期とかさなり、さらにはイラク戦争がこの時期に開始していますから、両方の資金を日本の外貨準備でまかなった公算は大で、小泉の売国奴ぶりに驚いてしまいます。
そして、この米国債を売却する誘惑に駆られることがあるといって大騒動になった橋本首相の発言がありますが、実際は、日本政府は一度も米国債を売ったことがありません。
円高傾向で、米国債の価値が下がることが分かっていても売っていない。
言い換えれば売ることをアメリカが許さないわけです。
日本固有の資産なのに損が出ていても売れないのだから、ここまでくれば、日本はアメリカにお金を貸したのではなくあげたといったほうが正しい理解かも知れず、ここに外貨準備の突出した残高は、アメリカへの上納金の結果だとも言えるし、日本はアメリカのATMとも言えるのです。
そして、この暴挙を正当化する話が、「日本は円高になると崩壊する」と言う、インチキ円高悪玉論につながっています。
円安にしないと日本はつぶれると言うことで、日本のドル買い介入、つまりはアメリカへの上納金の支払が正当化されてしまうのです。
そして、外貨準備のための外国為替資金特別会計に眠る20兆円の積立金をなぜ震災復興にまわさないのかと言う植草氏の主張の正当性も分かるのです。
だから、円高悪玉論を言う人物は、価格競争力の低い製品を輸出する企業の関係者か、アメリカの犬かと言うことになってしまいます。
だから、言いたくはないけれど、円高悪玉論を書き続ける日刊ゲンダイも、実はアメリカの影響力がある新聞なのかとも、最近は疑いの目で見てしまうのです。
日刊ゲンダイが政治で極めて正論を書き続けられるのは、一方で、円高悪玉論を書いてアメリカに協力するバーターとして容認されているのかもと、本当は考えたくないことだけれど、思ってしまいます。
こう考えると、まともな新聞は、東京新聞(中日新聞)だけかも知れません。
今後、円高にたいする東京新聞の論調に注目していきたいと思います。
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