5月15日
東日本大震災の震災復興の遅れは深刻です。
今までの震災の時はどのようなことだったのか、少し調べてみました。
①関東大震災(1923年)
・震災翌日(9月2日)に後藤新平が、当時の山本権兵衛内閣の内務大臣に就任して、就任当日の深夜には、40億円の復興予算をふくむ復興根本策を起案。
ちなみに、復興予算40億円は当時の一般会計15億円の2.7倍に相当し、現在なら250兆円相当に匹敵する。
・震災から4週間後の9月27日には帝都復興院が設置され、後藤新平が総裁に就任。予算は議会の反発もあって、最終的には6億円(一般会計の40%)。現在の一般会計は23年度は92兆円だから、現在なら36,8兆円相当になる。
・当時日本は国内の貯蓄では足らず、8%と言う高利の国債を欧米諸国に売って調達。
②阪神淡路大震災(1995年)
・復興基本法案が通るまで37日。
・1回目の復興予算がその10日後に通る。
・直接被害額 約9.2兆円。
・復興予算 11.2兆円(民間も含めた復興予算総額 16.3兆円)
・当初は国債で調達。
③東日本大震災(2011年)
・復興基本法が通るまで100日。
・第三次補正(本格的な復興予算。一次二次で合計6兆円)が通ったのは2011年11月の震災後8か月 後。
・直接被害額 17兆円(最大で25兆円とも言われいるが、この数字自体が過小の疑念あり。まして原発事故対応も含むと60兆円の可能性)
・復興予算 5年間で19.2兆円(被害地以外の耐震化や防災予算1兆円を含む)
この中で一番やっかいだと思うのは、東日本大震災の被害額の政府発表の数字に疑念があると疑問に感じるところです。
つまり、当時の菅政権、そして野田政権と、国民の信頼感がない政権が続いたことで、この政権の意をくんだような恣意的な情報もあって、まず被害額の想定において情報が錯そうしています。
6兆円で充分なんて数字を流す専門家の主張を書いた週刊誌もありますが、6兆円で済む話であれば第一次、第二次補正で6兆円出しているから、すでに復興の目途が立っていなければなりません。
でも現実的に、全く復興ができていないのは一目瞭然ですから、この主張は民主党の失政をカバーするインチキ記事としか思えないのです。
いずれにしても、関東大震災当時とは、物価や技術などがかなり違うから比較は難しいとしても、阪神淡路大震災と比較すると、復興予算自体が過小であることは確実だと思います。
そして、何より問題なのは、今回の震災復興は、関東大震災はもちろん、決して震災対応でほめれた政権ではなかった村山政権の阪神淡路大震災時と比較しても、復興事業に対するスピード感は極めて遅いところです。
何度も書いていますが、震災復興の遅れは、被災地の住民の生死の問題でもあり、人権の問題でもあります。
「震災の復興事業は何よりもスピードが大切で、とにかく早くやらねばならない」と言う原則を忘れているのが、民主党政権の一番大きな失態であると思います。
復興事業は遅れれば遅れるほど、被災地の住民が将来を絶望視したり、体調を崩したりして、高齢者を中心になくなる人も多くなる。つまり震災復興の遅れは万死に値する責任が政権にあると思うのです。
さらに民主党政権は、震災復興が遅れているだけではなく、昨年末に国会で可決された「東日本大震災特別区域法」において、被災者が元の生活を取り戻せることを第一の目的とせず、国際競争力強化のために被災地を改造しようとしているのだから、さすがは売国民主党らしい、新自由主義の悪党たちが儲かることを主眼に置いていると驚いてしまいます。
もっと言えば、国民の生命や生活よりも、悪党(米+政官業そしてサポーターの大マスコミ)の利権を第一に考えるのだから、これだけでも民主党=売国奴と言われても文句は言えないと思います。
ここで感じたことが2つあります。
いくら菅や野田が無能で不見識な首相であったとしても、自らの意志だけで、震災復興をいい加減にしているとは思えないのです。
一つは、国債発行で一気に復興財源を確保して震災復興をやらないのは、震災復興で景気がよくなって消費税増税の必要がなくなるような経済状況になってもらっては困ること。
そして2つ目は、国債発行で一気に復興財源を確保して早期に震災復興されてしまうと、外資や大手企業の出番がなくなってしまうからではないかと思うのです。
特に、イラク戦争後のイラク復興などでも大儲けした、アメリカの悪党配下の企業たちの出番がなくなっては困ることが、震災復興が遅れる大きな要因ではないかと思うのです。
TPPの対応を見ても分かるように、悪党の頂点に立つ金融資本家の配下であるオバマの言うことなら何でもきくわけですから、菅や野田なら、十分あり得ることではないでしょうか。
そして、もう一つ重要なことは、東北は我々が通常考えているイメージとは違って、日本経済の中心部であるということです。
何度も書いていることですが、日本の輸出の主役は、今や、自動車や家電ではなく、これらを製造するときの中間資本財です。つまり、自動車や家電を作るのに必要な工作機械、産業ロボット、その材料、とくに日本は、素材部門、高性能精密部品、中核部品などは、為替レートなどは関係がないほどの競争力を持っていて、実際、震災後、世界中の工場が部品供給がストップして操業停止に及んだのは驚きでした。
こういった中間資本財を作っている最大の工業地帯が東北で、東北サプライチェーン(部品供給基地)なのです。
つまり、このような東北にアメリカ企業が利権を求めたとしても不思議ではない。さらに言えば、日本が世界最強の国であることが証明されたように、アメリカにとって、日本にこのような地域があること自体、アメリカの国益にかなわないと思ったとしても不思議ではありません。
事実、クライド・V・プレストウィッツ(米経済戦略研究所所長)が次のような記事をニューズウィークに書いています。
震災でわかった日米の競争力格差 2011年03月25日
日本製部品はさほど重要ではなくなったという見方と同様、経済競争でアメリカが日本に勝利したという見方も嘘だった
津波と原発事故が複合した日本の震災の深刻さが明らかになる中、90年代にアメリカが日本に経済的に勝利したという考えもまた、実際には神話に過ぎなかったことが明らかになりつつある。
ボルボは今週、日本製のナビゲーションとエアコンの在庫が10日分しか残っておらず、工場が操業停止になる可能性があることを明らかにした。ゼネラル・モーターズ(GM)は先週、シボレーコロラドやGMCキャニオンを組み立てているルイジアナ州シェリーブポートの従業員数923人の工場を、日本製の部品が不足しているために閉鎖すると発表した。
アーカンソー州マリオンでは、ピックアップトラックのタンドラなどトヨタ車の後部車軸を作っている日野自動車の製造工場が、日本から輸入されるギアなどの部品が急激に減っていることで操業停止の危機に瀕している。
他の産業でも事情は同じだ。半導体を製造する設備の大半が日本だけで作られているか、または主として日本で作られている。半導体の回路を焼き付けるステッパーは、3分の2がニコンかキャノン製だ。携帯端末やラップトップパソコンに使われる樹脂「BTレジン」の約90%、世界のコンピューターチップに使われるシリコンウェハーの60%は、日本から輸入されている。
日本の混乱が長引けば、アップルやヒューレット・パッカード(HP)は深刻な問題に直面しかねない。今まで誰も気にしたことがないような製品、例えば小型マイクやメッキ素材、高性能機械、電子ディスプレイ、それにゴルフクラブやボーイングの新型旅客機ドリームライナーの羽に使われる炭素繊維など、すべて日本だけで作られているか、または主に日本で作られている。
アメリカが被災しても世界は困らない
最近の報道では、世界のサプライチェーン(部品調達網)の複雑さや、各企業が生産ラインを止めないためにどれだけ競い合っているかが盛んに紹介されている。しかしこの点に関する日本とアメリカの違いについては、誰も論じていない。
考えてみれば分かることだ。北米以外にある世界中の自動車工場で、アメリカ製の部品が不足して操業停止の危機に直面するところなどいくつあるというのか? もしシリコンバレーで地震が起きたとして、アップルはどれだけの危機に瀕するだろうか?
もしそうした事態になったらアップルは被害を受けるかもしれない。特にスティーブ・ジョブズがけがをしてしまったら、事態は深刻だ。しかしアメリカが被災しても、今回の日本の震災が世界の部品調達網に与えている影響には遠く及ばない。
理由は簡単だ。インテルのチップなどいくつかの例外を除けば(ボーイングでさえ国内ではドリームライナーの30%しか製造していない)、アメリカはもう世界市場に向けてそれ程多くの製品を出荷していないからだ。
アメリカが表向きはサービスとハイテク経済の国だということはわかっている。だが実際は、アメリカの1500億ドルのサービス黒字は、6500億ドルの貿易赤字と比べれば極めて小さい。それどころか、ハイテク貿易の収支も実は1000億ドル以上の赤字だ。真実を言うと、世界の市場で競争力があるアメリカ製品などほとんどないのである。
これで思い出されるのは、70年代後半から90年代前半の日米貿易摩擦だ。当時の日本経済は今の中国並みの高成長を遂げていた。日本の製造業は、アメリカの繊維、家電製品、工作機械、鉄鋼などの産業を事実上絶滅させ、アメリカの自動車メーカーから大きな市場シェアを奪い、半導体市場で50%以上のシェアを奪ったときにはシリコンバレーさえ屈服させた。
見せ掛けの繁栄に浮かていただけ
エズラ・ボーゲルのベストセラー『ジャパン・アズ・ナンバーワン』に刺激され、GDP(国内総生産)で日本にアメリカが抜かれてしまうかもしれないという脅威論も生まれた。だが、本当の競争は当時アメリカ政府が日本に市場開放を迫った農業や大規模小売業の競争ではなく、国際市場向けの製品やサービスの競争だったのだ。
結局1985年のプラザ合意で日本は劇的な円切り上げを容認することになり、円は最終的に対ドルで100%も上昇した。この円高と、91~92年にかけての不動産と株式市場のバブル崩壊は、日本の成長の足かせとなり90年代の「失われた10年」を生み出した。
その一方、アメリカは90年代に入りインフレなき高成長を謳歌した。日本の停滞とアメリカの繁栄を比較すると、いかにもアメリカは日本を打ち負かしたように見えた。アメリカ人は口々に、なんで日本に抜かれる心配などしたんだろうと言い合った。
だがアメリカでもITバブルとサブプライム・バブルが崩壊してみると、90年代のアメリカの高成長もまた見かけ倒しだったことがはっきりした。
今、国際的な部品調達網に日本が与える影響の大きさをアメリカのそれと比較すれば、グローバル競争の本当の勝者はアメリカではなく、日本だったことは明らかだ。
これを読んでどう感じられましたか?
私はアメリカの言いなりの菅や野田が、震災復興に力を入れない理由が、こんなところにもあるのではないかと思うのです。
原紙を確認したわけではありませんが、『ワシントン・ポスト』紙は次のように述べているようです。
「東北サプライチェーンのような存在は、アメリカにあるべきなのだ」
結局のところ、民主党政権は、我々国民にとっては有害でしかない、どうしようもない政権である確信が、また強くなりました。
そして、小沢が、民主党を作った作った本人であることは間違いないけれど、ここまで汚染されてしまった民主党と言う枠組みで、真の治改革を考えても難しいと思うので、早期の新党設立がどうしても必要だと思います。
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