どうにもC8の習作が頭から離れない。

 

コンペンセーターの回路に興味がいくのだ。

 

低域側は5個のスライドスイッチで、ターンオーバーの設定を多様に変えていく。

高域側も5個のスイッチで、ロールオフの条件をやはり多様に設定できるものだ。

 

回路をステレオサウンド社「アンプの至宝」から転載させていただく。

回路図中央の右側の「TREBLE COMP.」という部分。

スイッチが5個ならんでいる。それぞれ10MΩの抵抗をスイッチで入り切りして、スイッチがオフのときにこの抵抗がコンデンサに直列に入る構造である。

 

ここで確認しておくことがある。資料ではスイッチが全部上の時に、この部分の減衰が0で、全て下のポジションで-25dBの設計である。

 

 これを理論的に確認しておこうと思う。もちろん10MΩが入ったときにインピーダンスが大きくなるのはわかるのだが、実際入り切りでどれくらい変わるのか計算しておこうと思う。この部分の一番左の220PFと10MΩの部分で。

 

RC直列回路のインピーダンスZは以下の計算式となる。

 

これにR:10MΩとC:220PFを、周波数は1KHzとして計算すると、直列時のインピーダンスは約10MΩとなる。

コンデンサのみの場合は720KΩ程度になり、二桁違うことが分かる。これにより、スイッチの配線は、レバーを下げたときにOFFになり、抵抗が入るようにすればよいことが分かった。

 

何でこんなことをわざわざやったかというと、前回マランツ7のコピー製作で、トーンコントロールのフィルタ切り替えで、適当に1番端子のポジションを決めて配線したら、実際には逆であったという失敗をしたから。

 あの時もフィルターの周波数をC,Rから計算しておけば端子番号も正しく確認できていたはずだからだ。

 

 

徐々にパーツも集めている。22MΩの抵抗も発注をかけたし、スライドスイッチ10個も入手予定。あとは機構部品も特殊なものはない。この部分の抵抗は昔の米国製は入手難で、A&Bは経年のものは抵抗値が大幅に増加して使えないので、最近の金被抵抗で行く。

 

前回、イコライザは基本的にC22と同じと書いたが、上の回路図をよく見るとC8のターンオーバー回路は初段のカソードから3段目のカソードへ渡されている。ロールオフは3段目のカソードから出したあとに持ってきている。もっと複雑なのはロールオフの前にランブルフィルタ(5段の低域カット)が儲けてある。

 

私は経験したことがない回路だ。ここに全部入れてしまえ、と捉えられなくもない回路だが、これが正確に機能するかどうかも興味深い。70年程度昔の回路なのだが。

 

C8の電源は整流管を使うつもりだ。ここしばらくは構想を練って、夏から秋にかけてはC8のステレオ版組立で楽しめそうだ。

 

今日は1625アンプの部品とりつけをしましょう。トランスがとても重くて難儀しそうです。昨日は庭仕事で何もできませんでした。四六時中アンプ製作では家族も許してくれそうにありません。