夫婦で2,000万円貯めることは”非現実的”なのか | 視覚障害投資家のHappy Days

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お金に関することを軸に、視覚障害者(弱視)である僕が、言いたいことをどんどん発信していきたいと思います。

金融庁の出した報告書が話題となっています。
「夫婦で豊かな老後を過ごすには2千万円必要」というフレーズが独り歩きして、炎上しているみたいですね。

ちょっと気になるのですが、皆さんこの報告書を読んで意見を言っているのでしょうか。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」


報告書は56ページと長いですが、図表が多く、目次や注釈を除けば本文はさほど長くありません。
僕もざっと目を通してみましたが、老後の資産形成について真剣に考えるよいきっかけになるのでは、と感じました。
ワーキンググループのメンバーもある程度バランスが取れているように感じるし、書いてあることも統計をベースとしたもので、なぜこれほど”炎上”するのか、とても不思議です。


”炎上”しているのは、ここの部分ですね。

夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦の平均支出はひと月263,718円。
一方、平均収入(主に年金)はひと月209,198円。
この家計だと約5万円の赤字なので、この状態が30年続くとすると約2千万円が不足する。



ひと月26万円も必要か?
ひと月21万円の収入は得られるか?

いろいろ議論はあると思いますが、これが今の平均であるのは間違いないので、とりあえずこれを土台に考えましょう。



さて、夫婦で65歳までに2千万円貯めることは無理なのでしょうか?

僕は、そんなことはない、決して高いハードルではないと考えています。

25歳から貯蓄を始めるとして、利息ゼロ、銀行預金で積み立てていくとすると、夫婦2人でひと月41,600円ずつ蓄えていく必要があります。

1人2万円ちょっと。
これ、現実的な金額ではないでしょうか。


また、少しリスクを取って一部を投資信託等で運用すれば、必要な積立金額はさらに減ります。

ちなみに、
1%で20年運用すると元金の約1.22倍、
2%で20年運用すると元金の約1.48倍、
3%で20年運用すると元金の約1.80倍
のリターンを得ることができます。複利ってすごいですね。

投資は絶対イヤだという方は、確定拠出年金で銀行預金をしましょう。
掛け金が全額所得控除になるので、税金が安くなります。
例えば、年収250万円で扶養家族なし、月額2万円をiDeCoに拠出すると、1年間で所得税・住民税が合計約48.600円安くなります。
この状態が40年続くとすると、節税効果は合計約194万円。これはすごいですね。
(※あくまで概算です。医療費控除など各種控除の有無、iDeCoの手数料、税制変更などによって大きく変わる可能性あり)



面倒であれば、とにかく月2万円、確定拠出年金に拠出しましょう。
運用商品は元本保証の預貯金を選べばよいです。
もし多少はリスクを取れるのなら、拠出額の4分の1から半分ぐらいで、手数料の安いインデックス投信を買えばよいと思います。
そうすれば、65歳で2千万円達成は十分可能です。



非正規雇用が増え、昔のような年収は望めなくなりました。
でも、昔と違って、多くの情報を限りなく無料で手に入れられる時代になりました。
この金融庁の報告書だって、わざわざ役所に出向かなくても、インターネットさえあれば自宅でゆっくり読むことができます。
投資や節約に関する情報も、ちょっとネット検索すれば山のように出てきます。
iDeCo、株主優待、○○payのキャンペーン、電気・ガスの契約見直し、格安スマホ、ポイントサイト経由……。
さまざまな情報をうまくキャッチして活用し、非正規・定収入でも豊かな生活・豊かな老後を目指していきましょう!