国税庁のタックスアンサーNO.4405に「贈与税がかからない場合」が記載されています。

その中に、親から子に対する贈与で次に当てはまる場合には贈与税がかからないとあります。

基本的には、生活扶助の為の資金援助には、贈与税は課税されません。但し…生活扶助を受けている者が生活するに充分な財産、例えば預貯金を保有していた場合はどうでしょう。将来、老後の資金として自分の預貯金は使わずにとっておきたい。援助して

もらう資金で生活するといった場合にも生活扶助として贈与税の課税がされないとするのは、おかしいですよね。

NO4055の後段部分の生活費を預金している場合と実態は何ら変わらない。

この場合は、贈与税の課税が生じます。


私見ですが、生活の扶助とは、一生懸命に仕事しているけれど、それでも生活に本当に困窮している者や精神や身体が不自由な状況にあり生活うまくできない者に扶養義務者が手を差し伸べるものであると考えます。


国税庁タックスアンサーNO4055抜粋


夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの


ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、治療費、養育費その他子育てに関する費用などを含みます。また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。


なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

定額減税直前、メディアでも関連する話題がここにきて多くなってきた。

各企業の事務担当者もこの数週間、定額減税対応の準備にかなりの時間を割かれストレスを抱えているのではなかろうか。

その中、林芳正官房長官が29日午前の記者会見で、6月から始まる定額減税のうち所得税の減税を給与に反映しなかった企業への罰則について「税法上の罰則は設けられていないが、労働基準法に違反し得るものと考えられる」と述べている。

メジャーな給与ソフトのメーカーさえも定額減税対応バージョンアップは今月20前後。給与明細書の設計にも戸惑う中、内容な精査には幾つかのハードルもあり、苦戦も強いられる。

さて、6月2日以降に退職した者に対して源泉徴収票を渡す場合であるが、従来の書き方と何ら変わりなく、特に使用した定額減税額を記載する必要はない。

5月も残り2日。

政府の方々は現場の苦労をわかっているのだろうか?三万円を配れば良いのに…多くの国民から気をえてくる。

今年の年末調整を考えると我々の業界も頭が痛い…


コロナ禍では行動が制限され、会社のイベントも多くが中止を余儀なくされましたが、コロナ禍が終息した最近では、飲み会やレクレーションは復活しつつあるようです。

さて、慰安旅行や社員旅行…。昭和や平成前半までは、社内の年間行事として開催していた会社も多かったのではありませんか。近年では、どちらかと言えば、会社を一歩出たら自分の時間を大切にする方が増え、社員旅行など参加したくないと言った意見も多いと聞く。その影響から社員旅行、慰安旅行を開催する会社はめっきり減り、言葉自体が死語化している気もします。

ところが、コロナ禍終息を経て業績が回復した会社から久しぶりに社員旅行を企画したいと言う話をここ最近聞く機会があり・・・

社員旅行の会社負担費→福利厚生費?社員旅行の会社負担費→給与

旅行費用が「給与課税」されるくらいなら・・・社員側としては、「旅行」よりもボーナスとして「現金」を貰ったほうが有難いかも。

 

社員旅行を企画する上で会社側も税務上のルールを知っておく必要があります。

基本的な要点は次の通り。

 

1. 会社が従業員の慰安旅行や研修旅行を行った場合、費用の税務上の取扱いは旅行の条件を総合的に勘案して判定される。

2. 従業員の慰安旅行が以下の要件を満たす場合、原則として旅行費用は給与として課税されない。

   - 旅行期間が4泊5日以内(海外旅行の場合は海外での滞在日数が4泊5日以内)

   - 参加人数が全体の50%以上(工場や支店ごとの旅行はそれぞれの職場の50%以上が参加)

3. 上記要件を満たしていても、不参加者に金銭を支給する場合は参加者と不参加者全員に給与課税される。

4. 会社負担の旅行費用が一人当たり10万円程度であれば、給与課税はないと考えられるが、社会通念上一般に行われている範囲かどうかを個別事例ごとに判断する。

5. 役員だけの旅行、取引先接待のための旅行、私的旅行と認められる旅行等は慰安旅行に該当せず、給与(役員賞与)や交際費として取り扱われる。

6. 研修旅行は、会社の業務に直接必要な場合にのみ、費用は給与として課税されない。観光目的の団体旅行や観光渡航の許可を得た海外研修旅行は研修旅行に該当しない。​​​​​​​​​

 

■国税庁のタックスアンサー(幾つか事例を挙げて紹介しています。)

No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行

 

■裁決事例

平成27年12月17日 裁決(使用人全員を対象とする福利厚生事業としての社員慰安旅行について,その. 参加者の受けた経済的利益が給与所得として課税された事例)

 

 

 

 

 

 

6月から開始される定額減税。

パートやアルバイトの定額減税と扶養者の定額減税の関係を事例をもって考えてみる。

 

①前提

給与所得者のAさん(本人)には、妻Bと長男(大学生)Cの扶養親族がいる。

 

【Aさんの場合】

Aさんの会社は、Aさんの月次減税額を本人1+同一生計配偶者1+扶養親族1として30,000×3=90,000円と設定した。

 

【妻Bさんの場合】

Bは、パートに出ていたが、毎年103万円以内の収入に抑えていた。Bはパート先に「扶養親族等申告書」を提出している。

1月から5月までは月に80,000円のパート収入だった、6月からパート先での仕事量が増えて、月に95,000円のパート収入になってしまい、源泉税を490円引かれる状況となった。

パート先では、Bさんに対して月次減税額を本人1として30,000×1=30,000円と設定した。

6月の支給給与総額 95,000円 源泉税490円 定額減税△490円 手取り額 95,000円

7月以降も6月と同じ状況だったとする。

1月~5月の給与総額 80,000×5=400,000

6月~12月の給与総額 95,000×7=665,000 

年間の給与総額が1,065,000円となり微妙に103万円を超えてしまった。

 

【大学生Cさんの場合】

大学生のCさんは、近くの飲食店でアルバイトしている。アルバイト先には「扶養親族等申告書」を提出している。通常は月に3万円程度の稼ぎだったが、夏休みに入ってアルバイト先で勤める時間が長くなり、8月にはバイト先から12万円の給与が支給されることとなった。

アルバイト先では、大学生Cさんに対して月次減税額を本人1として30,000×1=30,000円と設定した。

8月の支給給与総額 120,000円 源泉税1,750円 定額減税△1,750円 手取り額120,000円

9月以降は月に30,000円に戻った。

年間の給与総額は、450,000円であった。

 

②年末調整と定額減税(年調減税額)

上記の前提の場合、年末調整と定額減税は・・

 

【本人Aさんの場合】

当初同一生計配偶者としていた妻Bさんの給与総額が103万円を超えてしまったため、定額減税額を30,000円×2=60,000円(年調減税額)として年末調整を行うことになる。

 

【妻Bさんの場合】

年間給与総額1,065,000円 源泉税額は月々の定額減税により0円 であった。

妻Bさんのパート先で年末調整を行います。

給与所得控除額550,000円を控除した給与所得は、1,065,000-550,000=515,000円 

妻Bさんの基礎控除額 480,000円

妻Bさんの課税所得金額=515,000-480,000=35,000円

 ※生命保険料控除等の他の所得控除はなかったとします。

 年調所得税35,000円×5%=1,700円(百円未満切捨て)

 年調減税額 30,000円

 年調減税額控除後の年調所得税額 1,700-30,000=△28,300円⇒0円

 年調減税額で引ききれなかった金額(控除外額) 28,300円⇒後日還付。

 

【大学生Cさんの場合】

年間給与総額 450,000円 源泉税額は月々の定額減税により0円 であった。

大学生Cさんのアルバイト先で年末調整をおこないますが、給与所得控除額(55万円)を控除すると給与所得額は0円(基礎控除以下)となり、定額減税額は扶養者の本人Aさんから控除することになります。

 

6月からの月次処理と年末調整事務を考えると、3万円給付にすれば良かったのに・・

国税庁HP 令和6年分所得税の定額減税のしかた

 

 

 

 

 

 

 

4月30日に、国税庁のHPで「令和6年分所得税の定額減税Q&A(予定納税・確定申告関係)」が公表された。

「令和6年分所得税の定額減税Q&A(予定納税・確定申告関係)」

 

印刷するとA4で10ページに渡り、読んでいて正直頭が痛くなります。

いよいよ来月から始まる「定額減税」手続き、企業の給与事務担当者も相当ストレスが溜まっているのではないでしょうか。

 

さて、公表された上記Q&A。予定納税の点にスポット当てて要点を・・。

 

- 令和6年分の所得税の第1期分の法定納期限が7月31日から9月30日まで延長され、第1期分及び第2期分の予定納税額の減額申請期限も7月15日から7月31日に変更された。

- 令和6年6月以降に通知される予定納税額からは、本人分3万円が控除される同一生計配偶者又は扶養親族(居住者に限る)分については、予定納税額の減額申請により控除を受けることが可能

- 予定納税基準額と予定納税額の減額申請に係る申告納税見積額は、定額減税額を考慮せずに計算する。

- 予定納税特別控除額本人及び同一生計配偶者等に係る定額減税額相当額)は、減額申請時点の現況による合計所得金額の見積額が1,805万円以下の場合に限り、予定納税額から控除できる。

- 第1期分の予定納税額の計算では、予定納税特別控除額を全額控除し、控除しきれない分は第2期分から控除する。第2期分のみの減額申請の場合は、第1期分で控除されなかった分を含めて控除する。

 

国庫補助金等で取得した固定資産については、圧縮記帳と税額控除の両方の適用を受けることができます。
1. 圧縮記帳の適用
   - 国庫補助金等で取得した固定資産の取得価額から、補助金相当額を直接減額する。
   - 圧縮記帳を行った場合、減価償却費の計算は圧縮後の取得価額に基づいて行います。
2. 税額控除の適用
   - 先端設備等導入計画の認定を受けた上で、圧縮記帳後の取得価額に対して税額控除を適用。
   - 控除率は、中小企業者等は10%、その他の法人は5%
3. 適用順序
   - 先に圧縮記帳を適用し、その後に税額控除を適用。
   - 税額控除の計算は、圧縮記帳後の取得価額を基に行う。
4. 控除限度額
   - 税額控除の限度額は、中小企業者等は法人税額の20%、その他の法人は10%
   - 控除限度額の計算は、圧縮記帳前の法人税額を基に行う。
5. 注意点
   - 国庫補助金等の目的や条件によっては、圧縮記帳や税額控除の適用が制限される場合があります。
   - 圧縮記帳と税額控除の適用を受ける場合、適切な手続きと必要書類の提出が求められます。
国庫補助金等の適用と税額控除の適用を組み合わせることで、企業の税負担を大幅に軽減できる可能性があります。制度の複雑性や適用要件の変更に注意しながら、適切に対応することが重要です。​​​​​​​​​​​​​​​​


国庫補助金の圧縮記帳 別表13(1)

2019年7月1日から施行された遺留分侵害請求による遺留分侵害額を「金銭」で請求できるように民法改正がされました。以前は、遺留分減殺請求と

言われてました。

遺留分侵害額の請求による遺留分侵害額に相当する金銭の支払請求があった場合、支払う金銭が用意できれば良いのですが、金銭が足りないため、金銭の支払に代えて資産の移転をした場合は、その資産を移転した者は、その資産を譲渡したこととなり、譲渡所得として所得税の課税関係が生じます。

金銭に代わる資産の移転は、代物弁済であり、資産を一旦売却し、その売却代金をもって侵害額の支払いを行ったものとされます。

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/joto/01/05.htm


遺言を残してあっても、最近では遺留分をするケースが増えてきたような気がします。

請求する側も請求される側もそれぞれに思うところがあるのでしょうが、故人の意思を相続人が互いに理解しあい、歩み寄るところは歩み寄って平穏な解決が図れることを願うばかりです。


令和6年3月1日以降に事業年度が終了する法人の決算申告書に添付する内訳書、事業概況書の様式が変更されました。

3月決算法人の確定申告手続き真っ只中、頭が痛くなる様式変更です。

内訳書・・売掛金、未収入金や買掛金、未払金、地代家賃、雑収入など決算書に記載された内容について、従前の取引先名や住所、金額を記入に加え適格請求書番号(法人番号)の記入欄が設けられています。

国税庁では、適格請求書番号(法人番号)の記入をすれば相手先名、住所の記入は省略できるとしていますが…❓❓❓

今まで通り相手先名、住所、金額を記載しても良いとしているので、自分は従来の方法を踏襲します。


相手先名や住所を省略してT✖️✖️✖️ ✖️✖️✖️と記載しても後から確認チェックするのは大変。

金融機関の担当者が取引先企業から決算書を取得して内容を確認する際、担当者は検索サイトに番号を入力して取引先名を調べる??

今まで通りの記載の方が一目瞭然なのに。

まあ、実際に存在する取引先か否かを調べるには都合の良いところもありますが。


適格請求書登録番号の入力記載…

企業側が支払う経費に対応する買掛金-未払金、地代家賃の内訳に登録番号を記載するのは、消費税の取り扱い側面から企業側にとってそれなりに意義があると感じられる。ただ売掛金の内訳書への登録番号記載については、企業側にとって売上先なので必要性がない。

国としては記載があれば情報収集がし易くなりありがたいでしょうが。


いずれにせよ、長年慣れている様式が変更されるのは、対応する側にとっては面倒臭いものです。



個人事業主にとって小規模企業共済掛金が節税対策に有効であることはあらためて申し上げるまでもないが、節税対策のみならず、資産形成にも多いに役立つ優れた制度。事業廃業後に小規模企業共済契約を解約することにより受取る共済金が退職金扱いとなることで所得税も優遇される。

※(受取共済会➖退職所得控除)✖️の1/2🟰退職所得となる。

さて、小規模企業共済契約者が解約前に死亡してしまった場合、税法上どの様な取り扱いになるのか?

結論から申し上げると…死亡退職金として扱われ、みなし相続財産として相続税の対象になります。

但し、死亡退職金には非課税枠(500万円✖️相続人の数)が設けられていますので、相続税対策としても効果があります。

遺産分割の対象になるの?

共済金は、遺産分割の対象となる本来の相続財産ではなく、民法上は相続人固有の財産のため遺産分割の対象にはなりません。

誰が取得するの?

小規模企業共済法第9条1項に、共済契約者が死亡したときにはその遺族に共済金を支給する旨の規定があります。第10条に共済金の支給を受けることができる遺族が規定されています。

第一順位は共済契約者の配偶者。この場合の配偶者には、戸籍上の妻ではない内縁の妻も含まれます。

内縁の妻の場合には、通常提出書類に加えて、次のような書類を取り揃える必要があります。

 

健康保険の被保険者になっている場合 健康保険証被保険者証の写し

共済契約者に係る公的な遺族給付が支給されている場合 給付金の決定通知書の写し、または遺族年金証書の写し

葬儀の通知文書、会葬礼状(請求者が喪主として記載のあるもの)

郵便物(共済契約者と同一住所に送付されているものや共済契約者と請求者が連名で送付されているもの)、名刺等(通称として同じ姓を名乗っていることがわかるもの)

その他事実上婚姻関係と同様の事情にあったことを証する書類(生命保険の保険証券等)

上記書類はなるべく多くご提出をお願いします。

上記書類のほか、必要に応じて、別途機構が定める書類及び戸籍謄本、ご遺族の同意書等をご提出いただく場合があります。

第二順位は、共済契約者の収入によって生計を維持していた者、例えば子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹などになります。

第三順位は、共済契約者の収入によって生計を維持していなかった子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹、ひ孫、甥や姪などになります。

 

相続の法定相続人、法定相続分とは異なるのです。

相続を放棄した人であっても、この共済金を受取ることができるのも、小規模企業共済の特徴です。

小規模企業共済契約を結んでいる人は、税法上の取り扱いや死亡後の受取人の関係を確認しておくことをお勧めします。

 

 

相続開始前に預貯金を引き出す…

亡くなってしまうと銀行の口座が凍結されてしまうので、お葬式に備えて直前に引き出す。これはよくある話。

亡くなった時に預貯金が多いと相続税が嵩んでしまうから、その前に引き出しておこう…。これも昔からよくある話。

最近では、被相続人と同居の相続人が他の相続人には内緒で被相続人の預金を生前にキャッシュカードを使って預金を引き出していたケースも。相続税云々より、相続で揉める前に財産の一部を貰っておこう…などの意識が働くのでしょうか。このケースの場合、後に他の相続人が事実を知れば、酷い争続の引き金に…。

他にも、被相続人自身が生前に自らの預金を引き出して、生活に困窮している相続人を助けていた場合もあります。

出金の理由は様々なのですが…

さて、ここからが本題。

相続税は、相続開始時における被相続人の財産が計算の起点になります。

預貯金の場合、一般的に銀行などに出向き、亡くなられた日の残高証明書を取り入れて財産の有高を把握します。ところが、先述の通り生前に預貯金を引き出している場合はどうでしょう…

やはり亡くなった日の残高証明書をもって財産の有高とすることには違和感を覚えます。

税務署も同じことを考えます。生前の預貯金の動きを確認してみる必要があると。

相続税の申告に際し、チェックシートを作成しますが、預貯金の履歴を確認したか否かのチェックを求めています。

言い換えれば、生前に預貯金から引き出している場合、引き出した内容を問うているのです。

何故なら、その内容如何によっては、相続税の計算に影響し、過年度の贈与として問題視される場合もあるからです。

税務署だけではありません。

相続人にとっても過年度の履歴を確認しないと分割協議の場で正当な判断ができません。

亡くなられた日から遡ること5年程度、全預金種類の履歴を取引のあった金融機関などから取り寄せるのが良いでしょう。

隠そうとしていた事実…税務署の調査官は見つけます。

隠されていた真実…ひょっとすると出てくるかも知れません。